竹田 景子 ピアノ リサイタル | 音楽と競馬、思ったことを書いて行きます

竹田 景子さんの演奏は、以前神戸で行われたコンクールでお聴きしたのが最初で、それ以降、何度かいろいろな場所で聴かせて頂いているお馴染みのピアニストです。また、彼女のご家族は様々な文化活動にとても熱心で、例えば、5年前に行われた「第8回神戸国際フルートコンクール」の出場者=ジュリー・ムーランさん(アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のフルート奏者)をホームステイと言う形でお迎えになられたり(私もそのコンクールでムーランさんの演奏をお聴きし、その素晴らしい演奏が心に残ったひとりです)等々、神戸市民の多くに名が知られているご家族で、そんな繋がりもあり、これまで仲良くさせて頂いております。

 

事前に景子さんと少しやり取りをさせて頂いたのですが、今回のプログラムの「隠しテーマ」が当日までわからないままいたのですが、その種明かしを舞台からお聞かせ頂き、改めて、景子さんの聡明さに感じ入りました。当日お聴きになられなかった皆さんも、ぜひこのプログラムをご覧いただき、その彼女の思いに想像を巡らしてみて頂きたいですね。また、敢えてこちらには転載しませんが、掲載された景子さんによって書かれた「Program Note」は、ご自身の言葉と考察によって書かれた、とてもわかりやすく優れたもので、彼女の曲に対する思いを感じると共に、演奏をお聴きする良い道しるべとなりました。

 

冒頭のモーツァルトは、緊張から少しぎこちない雰囲気も感じましたが、展開部以降はこなれた感じで、伸び伸びとしたモーツァルトをお聴き出来、以降の渋い3曲も、景子さんらしい、機知に富んだ素晴らしい演奏でした。

ルーセルの本領はオーケストラ曲にあり、器楽曲では彼が思っていたであろうリズムや色彩感の良さが生かされにくいこと、また、フランクの本領は器楽曲・室内楽曲にあり、オーケストラ曲では重すぎたり練り過ぎたりで、彼の率直さが生かされにくいこと、そしてドビュッシーの本領はどの楽器編成でも十分に表現され、そして演奏の良さによって生かされることを、景子さんの優れた演奏を通して感じさせられました。ドビュッシーが現在も第一級の作曲家として君臨している理由、そして、演奏次第でいろんな解釈も可能なのだとと言うことを思い知られた、そんな意味のあるリサイタルでもありました。

アンコールも「沁みました」ね。彼女の演奏には、決して派手さはありませんが、楽譜の推敲に長け、何一つ曖昧さがありません。そして、演奏の行間から漂う「香り」は、とても個性的・独特ですよね。ご自分で弾きたい曲を、率直に並べられたプログラム。楽しませて頂きました。

 

改めまして、ご盛会、おめでとうございます。そして、いつもありがとうございます。