それでは本題に戻って。








私はとにかくあらゆるルートを使ってD社の株を担保に資金集めをした。








ある程度の簡略化した資料を渡し検討して貰うわけであるが、私に献身的であった当時の彼女である百合絵も必死で手伝ってくれた。








百合絵は大阪ミナミの高級キャバクラでホステスをしていたわけであるが、客には金持ちが多く、こと百合絵を気に入っている客は百合絵の頼みだと思って真剣に話を聞いてくれた。








ここで客は必ず、なぜ百合絵がそんな会社の株を扱っているのかと質問をした。




これは必然であろう。








そうなることを予想していたので、百合絵の父親が扱っているということにした。







無論それがハッタリであってはいけないので、百合絵の父親を引き込んだ。








百合絵の父親は九州で飲食店をチェーン展開していたのだが、バブル崩壊と共にほぼ店を閉店し、残る2店舗だけで食い繋いでいる状態であって再び一発逆転を狙っている種の人物であったため、カネになる話と聞いて乗り気だった。








まずは私が九州へ挨拶に行き、その後は大阪へ出向いてもらった。







父親といっても、私より年齢が五歳上であって同世代でもあり話は合った。








百合絵の父親は私のことを先生と呼び、とても親しみを感じてくれていた。







若かりし頃の勝新太郎に似て恰幅が良く、なかなかの男前であった。








百合絵はしっかりしているので、どちらかというと百合絵が父親を言い聞かせるような関係であった。








大阪に来た時も私が


「お父さん、せっかくですから夜はどこか招待しましょうか?」



と言うと



「そうですねぇ、やっぱりええ女がおるとこがええですばい」




と、百合絵をチラ見しながら答えると百合絵は呆れ顔で




「ほんとお父さんは女が好きとねぇ、お母さんにバレても知らんよ」





こう言われると頭を掻いていた。






百合絵は嫉妬深かったため




「Gは一緒に遊んだらいかんけんね、お父さんひとりで遊ばないかんけんね」




と、父親と私を見て言う。




父親は

「そら先生と一緒に遊びに行かな面白なかろうもん、ねー先生」




と言うのであるが百合絵は絶対に許さない。






なのでキャバクラなんかでも店前まで案内し、私と百合絵は最寄りで待ち、帰るときに清算だけしてあげるという形だ。







酒が入り


「先生~、次は女が抱けるとこば行きたいとですよ~」




と言うと



「お父さんなに言っとるとね!
もう充分遊んだろうもん」





こう百合絵が言っても酒が入っている父親は気が大きくなって



「おまえは黙っとれ!
これは俺と先生の話ばってん口出しするな!」





こんな感じである。







仕方がないので飛田新地まで連れて行って女を抱かせ、その間は私と百合絵が最寄りの喫茶店にて待機をするという異様な状態であった。






全ての支払いは私がして、父親は上機嫌で百合絵がいるのにもかかわらず遊んだ女の感想を熱く述べていた。








百合絵の父親にはOCCカード九州支部長という肩書きで、百合絵が掴んでくる投資家の対応を任せたので



「本当に百合絵ちゃんのお父さんがやってる仕事なの?
実は彼氏だったりして~」




と言ってくるような野暮というか、勘繰りをする者に対しては面談をしてもらっていた。









その甲斐あって、ある日大きな投資の申し出があったのである。