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鎌田洋次(漫画家)のブログ

作品紹介、草野球など諸々。

 ラスコーリニコフは7月のペテルブルグの暑い夕方、夢遊病者のようにセンナヤ広場を通り抜け、金貸しの老婆のアパートにたどり着き、彼女をを斧で叩き殺すのですが...

 

  読み直してみると、この殺人のシーンが、かなりリアルに書かれていたのにびっくりしました。

 学生時代に読んだ時は、何かぼんやりとしたイメージしか残っていなかったのですが....(やっぱり、ちゃんと読んでいなかったのですね)

 

 ラスコーリニコフは、ある目的を持ってこの殺人を実行しました。それは、自分が「選ばれた人間」だということを証明することです。

 人間は「支配する側」と「支配される側」の二つに別れていて、彼は前者に属することを信じていました。

「支配する側」は人類にとって有益な存在です。政治、科学、自然、全てにおいて、「支配される側」を導きます。

 

 その導きを阻害するものは排除されても構わない、いや、むしろ排除されるべきだと考える、いわゆる『選民主義」です。

 

 「人類にとって有益な存在(自分)は、今、貧困に苦しんでいる。それに対して、なんの価値もない金貸しの老婆が金を貯めて私腹をこやしている。自分は、老婆の金を手に入れても構わない、それはむしろ、そうするべきで人類にとって有意義なことなんだ。」この考えのもとに、殺人を犯します。 

 

 『選民主義』。では、誰が彼を「選んだ」のか?

『神』か? この小説ではキリスト教(ロシア正教か?)の神になります。ラスコーリニコフは、はっきりと「自分は神に選ばれた」とは言っていませんが....

 

 そこで、この小説の命題。

 

 『神は存在するか、否か?』

 

 ドストエフスキーの小説には、いつも、この問いが隠されています。

 

.....次回に続きます。

 

 

 先日、風がおさまった日に、ついに自転車で走ってみました。

いつもの川沿いのサイクリングロードです。

 

 今年初の自転車。やっぱり走り出したら気持ちいい〜!

しばらく走ると、川沿いに、たくさんの白い花をつけた木々が....藤の花を短くしたような.....なんだろこの木の名前は?

しかも風に乗っていい香りが飛んでくる。

いやあ、爽やかな、ほんのりとした上品な匂いが顔を撫でていく... 

 

 帰ってから調べてみました。

 『ニセアカシア』

 

初めて知りました。こんな木があのサイクリングロードに

たくさん自生しているとは...

 ずーと、「女中菊」だと思っていました(笑い)。

昨日ホームセンターに行って、初めて知りました。

 

 バカな私です....

 

 お菊さんという名前の地味な女中さんが、便所周りで見つけた雑草が、実は虫除けに効くんだという、勝手なストーリーを作っていました。  

 私は1980年のヤングマガジン創刊(当時は月2回)と同時にデビューしたのですが、その1年前から編集部とネームのやりとりをしていました。

 30ページぐらいの読み切りを依頼されると、まずB4のわら半紙に描いて、それを学内の生協でコピーし、郵便局で送るのです。

 1979年にはまだ、コンビニはありません。したがって生協のコピーが一番安い。FAXもありません。宅配も一般化されてい

ないので、宅配便もありません。

 

 郵便局で30ページのコピーをB4の不定形封筒に入れて郵送すると、かなりの重さで、高額になってしまいます。

 

 そこで、局員さんのアドバイス。「小包にしなさい その方が安い」

私は、東京の編集部までネームを小包にして送っていました。

荷造りひもで十字に結び、「荷札」を二つつけて。

 

 1980年に東京に出てくると、生協は使えないので、コピーは近くの文房具屋ですることになりました。

 当時からコピー機はかなり高価なものですので、自分で使うことができず、30ページの鉛筆で描いた落書きみたいな絵のネームを、文房具屋のおじさんにお願いすることになります。

 

 たいがい、どこの文房具屋に行っても、変な顔をされました。

「こいつ何やってんだ?」と聞こえてくるようです。

そして最後に領収証を書いてもらうわけです。待っているのが、とても長く感じられる時間でした。