The Magellan -102ページ目

The Magellan

Poetry Magazine Magellan 発行人のブログ

The Magellan-201102071620000.jpg

時々送られてくるきみからの唐突な画像。

相変わらず謎だらけで、十分僕の好奇心をくすぐる。

きっと想像力を励起させる何かが被写体の向こう側に存在するからだろうか。

たとえば未知の極地、あるいは既知の保養地のような場所。

きみは旅人として国境を越え、初めての大地を吹く風に耳を澄ませる。

旅の始まりは音楽のように異国語を聞き分け、旅の終わりは、森や雪渓や大河の調べにきみなりの意味を付与する。

いや、難しいことはどうでもいいのだが、希望からも絶望からも遠い場所をきみは希求しているのだろうか。

都市型動物園のペンギンを見ているきみ。

そこで、極地の風を感じながらきみは再び国境を越えていく。
The Magellan-110210_0757~01.jpg


小雪舞う中を

セントラム・シルバーが発進

ラフマニノフのピアノ協奏曲が

一つの暗喩のように流れて

The Magellan-201102071835001.jpg

きみが旅先から送ってくれた観覧車の場所はどこなのだろうか。

身の回りのどこにもないような異邦性。

写真を見ると、なぜか西暦2005年のロンドンを思い出した。

当時、僕は一人、ロンドンに滞在していた。

地下鉄ピカデリー線のキングス・クロス駅近くの安ホテルを拠点に、公的施設や美術館、商業施設などを巡っていた。

新年を迎えた夜、市庁だったか、カウンティホールだったか。テムズ河畔から、ミレニアム記念施設である世界最大の観覧車ロンドン・アイを見上げていた。

世界各国から沢山の観光客が来ていて、数週間先まで満席状態であった。

帰国して数ヶ月後、キングスクロス駅などでテロが起きた。

自分がよく利用していた駅構内が映し出された時、戦慄が走った。

そういえば、あの9.11の同時多発テロの時も一週間前までニューヨークにいた。

もちろん、災厄から遠く離れたほうがいいに決まっている。
きみが送ってくれた画像は、どこか孤独でありながら、わずかに安らぎが感じられる。

災厄から遠く遥かへ。それは僕の希いでもある。

夜の大観覧車。あのテムズ河畔の身を切るような寒さはいまここにないことだけは確かである。
The Magellan-110209_0713~01.jpg

静かに流れる

シベリウスを聴きながら

もうひとつのまちにつながる

回路をぼくは探していた

The Magellan-110208_0717~02.jpg

たなびく雲は遥かに

雪の燎原を

きみの意識が

そろりと流れていく