The Magellan -103ページ目
雨にけぶる2月の領野に
いろんな思いがまざりあう
耳を澄ます余裕はまだないが
一つの意思のように
雪のオブジェは
形を変えていく
よのなかはくすんで
よごれがましてきたが
きみのにわから
とどいた
ろうばいのはなが
わたしのまわりのひかりを
すこしだけ
すきとおらせてくれた
はるが
ふいにちかづいてきたので
きみは
たちどまり
せつげんのかぜのながれを
ゆっくりと
たしかめていた
大きな夕陽が
誰もいない雪原を照らす
そうやって一日は終わり
わたしたちは
新たな日の始まりを
ただ静かに待っている
立春の空
古い市電のおと
幼少のころを吹いた風
心のなかの
キャンドルが揺れる

