ひかりのエコー | The Magellan

The Magellan

Poetry Magazine Magellan 発行人のブログ

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ぼくがぼくのまま
走り抜けた冬
深海のスクリュー音が
まだ聞こえてくる
廃業した旅館の庭先で
少しだけ汗を
ひからせながら
うすく
うすく
血を抜かれていくもみじ
ひそやかな非在の時を
届かない音紋のように耳を澄ませ
きみはきみのまま
揺らし続ける
変温層の波
あるいは
ひかりのエコー