ひかりのエコー ぼくがぼくのまま 走り抜けた冬 深海のスクリュー音が まだ聞こえてくる 廃業した旅館の庭先で 少しだけ汗を ひからせながら うすく うすく 血を抜かれていくもみじ ひそやかな非在の時を 届かない音紋のように耳を澄ませ きみはきみのまま 揺らし続ける 変温層の波 あるいは ひかりのエコー