わかることに対する欲望より
わからないものを発見する喜びというものが
芸術家にはたしかにある
20世紀美術に決定的な影響を与えた
マルセル・デュシャンは
芸術家はメディウム=霊媒だ
というようなことを言っている
彼はスタイルを生み出しては捨てていった
わからなさの固まりのようなアーティストだ
「芸術作品についての最後の判断を下すのは
見る者なのだ」
「芸術作品は作る者と見る者という二本の電極からなり、
この両極間の作用で火花が起こるように、
何ものかを生み出す」
自分が入力したものがわからず、
何を出力したかも確定しないが
それを結びつけるものがメディウムなのだ
芸術という概念そのものを疑い
あらゆる外見から遠ざかっていった
デュシャンのわからなさ
それを発見する喜びもまた大きい