★フェラーリ641/2
F1史上最も美しいといわれたスタイル。
レースカーは原則取り上げないんですが、書いちゃったんで乗せます。
ここ20年でF1の名勝負というのはもちろんいくつかあり、ごひいきドライバーによってそれは変わるんだろう
けど、誰も彼もF1ファンならば、90年のメキシコGPを見てくれと言いたい。
序盤は逃げるマクラーレン・デュオと追うフェラーリおやじコンビの構図。
プロスト(フェラーリ)は三味線ひくには後ろ過ぎる13位スタート。もう無理ってところからファステスト連発の
追い上げ。露払いはそんなつもりもないライオン男マンセル(フェラーリ)。
ポールからスタートのベルガー(マクラーレン)はタイヤ酷使で脱落、セナ(マクラーレン)もペースが上がらない。高速でバンピーというロドリゲスサーキットで露になる“バットマン・ディフューザー”90年型MP4/5Bの頼りないシャシー性能。対してフェラーリ641/2の素晴らしい足。セナをフェラーリの2人が追い抜いた時、余りに劇的なワン・ツー・パンチにイタリア男チェザーレ・フィオリオ監督は泣いてましたからね。
そして、プロストは異次元の速さで同僚マンセルをも抜き、トップでチェッカー、フェラーリ完全勝利ってことになるんですが、実はここからが凄かった。
なんとベルガーが再び追いついてくる。
この人は以前ベネトンにいた時、ここで初優勝してますからナチュラルにメキシコで速かったんでしょうね。
特に「ペラルタ」という名前の最終コーナーは彼のお気に入りの超高速180度コーナーでした。
緊張の切れたマンセルを急追、ついに残り2週でドッグファイトが始まった。ベルガーはちょっと失礼な抜き方をしてしまったんですね。それがマンセルに火をつけた。もうタイヤがほとんど残ってない状態で右へ左へと乱舞。最後はなんと「ペラルタ」で外から仕掛けた。
ベルガーのキレた高速コーナリングの、さらに外からいくなんてありえるのか?
キチガイに刃物、マンセルに641/2ってくらいで私はこれ以上のパッシングシーンを見たことがない。
フェラーリ1.2。マクラーレン・ホンダ1強時代の終わりを告げるメキシコGP。80年代ドライバーの強烈な個性が濃密に絡み合った予想し得ないドラマを見せてもらいました。




