窒息寸前のACコブラ
口がでかいだけに、苦しそうに見えるんです。
「ロード・オブ・ザリング」のピーター・ジャクソン監督の
昔のホラーコメディ「さまよう魂たち」のポスターを彷彿とさせます。
ACコブラというと、本来イギリスの2リッター級のオープンカーだったクルマに、
米フォードの7リッターの巨大心臓を積んだ427が有名で、いわゆる“怪物”
モンスターカーの元祖としてその名を知られます。
図太いタイヤや、モリモリのフェンダーなどマッスルなイメージが先行しますが、
元の顔は意外にフェラーリの166なんかに似てます。
それもそのはず、
製作者は、元々そういうのに乗りたくて、このクルマを作ったらしいです。
ところがその後、
時代の要請に応えて、どんどんドーピングしていっちゃったという歴史があります
いつの間にか、ヨーロッパ大陸の代表フェラーリに対抗する、アメリカ代表に祀り上げられ
スターズ&ストライプスの似合うマッチョな体になってしまったのです。
このコブラには決定版の映画が存在します。
映画「激走!5000キロ」 は、
NY-LA間5000キロのアメリカ大陸横断レースを描いたハチャメチャアクションですが、
映画自体のいい加減なノリとは、別にクルマの描き方はリスペクトに満ちていて、
ポルシェ911タルガ、シボレーカマロ、メルセデスの300SLなんか、ずんずん出てきて
クルマファンなら楽しいことこの上ないのです。
そこでコブラが主人公のマシンとして出てきます。
しかも相手はコブラがかつて憧れたフェラーリの当時の最新バージョン「デイトナ」です。
当時のモーターファンなら誰しも燃えたフェラーリVSフォード、因縁の欧米対決がスクリーン上で
再燃されるのです。
★ 「激走!5000キロ」
この絵面だけで、ある種の満足が得られますが、さらに音が素晴らしいので必見です。
両者の対決は渋滞真っ只中のLA市街にまで持ち込まれ、
あげく水路で最後のバトルが繰り広げられるのですが、このあたりカーチェイスを見るにつけ、
「オープンカーっていいな!」って感じでシビレまくります。ドライバー演じるマイケル・サラザンと
ラウル・ジュリアっていう役者がもう本当にカッコいいのです。
そして、最後の最後
この2者の決着が日本人の旅行ツアーに託されるあたりも、時代を予見していて
今みるとちょっと笑えます。
はい。

