20160710 建築巡礼2 | ヨネダ設計舎のブログ

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シーサイドタウンを出て、車で走ること10分.

最近、吉阪隆正さんに惹かれていて、氏の設計した建物に会いに行ってきました.




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浦邸  1956年 吉阪隆正 U研究室 DOCOMOMO NO.49


敷地に対して45度の角度に振られたL字型鉄筋コンクリート壁柱の1階ピロティに、四角形の2階が浮く構成.


現地に来て衝撃.チラリと見えた瞬間にただモノではない建築であることが直感的にわかりました.

1階と2階のバランス.絶妙なピロティの天井高さ.均等ではなく、1階はヒューマンスケールで、2階のボリュームの方が背が高い立面配分.

道路から45度の角度がある事によって、1階のL字壁のフトコロが流れを受けとめ、場をつくっています.
さらにその囲いが二つ雁行する事によってうまれるヒエラルキー.
光、場所の階層.掛け算的に様々な居場所が生成されています.
(そして二つの間にも領域が生まれています)



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この特徴的なレンガ積の外壁も、恣意的なデザインではなく、屋根まで続くL字のコンクリートと、2階の四角ボリュームの相互を明確に分けて存在させるための解答です.
そして2階にあるボリュームが浮いた感じが存分に発揮されています.


構成、意匠、場所の生成・・・すべてが凝縮して結晶化されています.

記憶に残るすごいモノを見た、、、と思っています.


ここから車で走ること5分・・・のはずが、車がゴトゴト変な音をたてる。。。。


パ、パンクしている・・・!!


免許を取って、18年.

初めてパンクしました.

炎天下、、、車を寄せて車載道具を出して、ジャッキアップ・・・スペアタイヤに.

こっぱずかしかったです・・・.

気を取り直して車で数分.








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正面のない家H邸  1962年 坂倉準三建築研究所 西澤文隆 DOCOMOMO NO.148


都市にたつ、敷地をめいいっぱい使ったコートハウス形式の住居.

敷地のアウトラインに添ってたつ壁によって囲いとられた内側に室内と庭とが絡み合い、それに加えて屋根にある太陽を希求するさんかくの屋根で光、自然、生活環境を掬いとるプラン.

いわゆる、玄関、というモノがないようなファサード(正面)です. 






どちらの住宅も完成して約55~60年.

時を越えて今も現役で住まい手と共にある住宅を見て、とてつもなく大きな山を見上げた気がします.






つづく



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米田雅樹 三重県 建築設計事務所