砂漠はアジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリア大陸など、地球上の三分の一の地域に存在しており、近年、砂漠地が急速度に拡大してきている。
砂漠とは、降水量の不足から一時的に植物が生えても、長い年月植物遷移の成立しない土地を指す。一時的に降雨量の違いから「極乾燥砂漠」「砂漠」「半砂漠」の3分類している。
地球上の砂漠は、森林面積とほぼ同じ35億ヘクタール存在するといわれており、中国の砂漠面積は全土17.6パーセント(1995年)を占め、毎年早いスピードで拡大してきている。
中国の砂漠は歴史的には森林伐採、過放牧、過開墾により発生し拡大してきた。秦の時代に万里の長城を築く燃料確保のため森を伐り拓いたのが砂漠化の端緒を作ったと言い伝えられている。当時は、城周辺の森林被覆率は5割を越え、攻めて来る敵の姿を発見しやすくするのにも伐りはらいの意図があったようだ。
中国の西北部に拡がる黄土地帯は雨が少なく、さらに地形や土壌は崩壊、劣化しやすい組成と構造をもっている。北方民族の土地に、時代を経るにつれて漢民族が北上、移住し人口が増加、これにつれて食糧確保のため開墾や放牧頭数が増えた。これによって砂漠化が加速され、新中国が建設された直後の森林被覆率は4パーセントに低下した。
現在、中国では、「国民一人毎年5本の木を植える」運動が展開されており、筆者が技術協力に加わった、“緑の長城建設”計画をはじめ全国的に緑化事業に取り組まれている。