エゾシカ
「ニホンエゾシカ」のグループに属し、北海道のエゾシカ・本州のホンシュウシカやキュウシュウシカ・屋久島に生息するヤクシカなど亜種名で呼ばれている。近年、エゾシカが増え農作物・牧草・樹木に大害をあたえるので、捕獲したり、畑をフェンスで囲って被害を防いでいる。
エゾシカが増えた原因は、エゾマツ・トドマツなど天然の暗い針葉樹林が広く伐採され、その後の造林地にシカが好んで食べる植物が繁茂したり、また、開発された農地には餌となる作物や牧草などが大量に生産されるようになったからである。
また、シカ足が埋まるので積雪が1m以下の道東にこれまでの住み場が限られていたが、近年の暖冬、少雪によって分布域を広げたことも理由の一つと言われている。
エゾシカは生まれてすぐ、子鹿の体毛に白班(鹿の子模様)が見られる。成長につれ雄じかの角が枝分かれするので、この数で年齢がわかる。
エゾシカの生息数(個体数密度)を推定するために次の方法がある。
(1)夜間、森の中を車で走り、ライトでシカの数(雌雄・年齢なども)を数え、調査面積当たりの密度を計算する。
(2)一定面積の地面に落下しているシカの糞粒を、一定時間に毎日数える。これに、飼育したシカから得ていた1日の排泄糞量を参考にして計算し、生息数の推定をする。
(3)シカの姿を見つけやすい冬期間に、上空のヘリコプターから、シカを茂みから追い出して数える。
上の絵はいずれも「歩々会」展への出品作(1998~2000)