作者によると、「富田で生マレテ、学こうヲデ」た股割れは、
シュンガノオモテノハンタイノ、パーラポウ ニツトめた
(シュンガノオモテノハンタイノ パーラボウ に勤めた)
ここで「パーラボウ」とは、一体何を意味するのだろうか?
厄介なことに、原文では、赤字の部分が「ボウ(bow)」なのか「ポウ(pow)」なのか、はっきりしない。
「パーラ」の「パ」の部分は、原文の画像を見れば明らかに「パ(pa)」だとわかるが、赤字の部分は画像を拡大してみても、丸(半濁点)が打たれているのか、濁点が打たれているのか判然としない。
この点、「ボウ(bow)」としているサイトもあり、「ポウ(pow)」としているサイトもある。
とりあえず、「ボウ(bow)」であるとして話を進めてみる。
シンプルな良い説がある。
それによると、「ボウ」を「ー」、つまり「横棒」と解することにより、「パーラボウ」を「パーラー」に変換する。
「パーラー」とは、日本ではお店の類に使われている言葉だと思うが、特に飲食をする場所、遊戯その他で娯楽・快適さを提供する場所の名称として用いられる傾向にあり、それは具体的には、喫茶店、果物屋、パチンコ屋、美容室などだろうか。
いずれにしても、「パーラボウ」=「パーラー」と解すると、
「富田で生まれて学校を出た股割れは、"シュンガノオモテノハンタイ"のパーラーに勤めた」
と読めることになる。
他の説としては、
① 「パーラ」を「パーラー」と解し、「ボウ」を「某」あるいは「望(ぼう・のぞみ)」と解することで、「パーラボウ」=「パーラー某(某パーラー)」あるいは「パーラー望(喫茶・望)=喫茶のぞみ」と解する説、
② 四日市市が紡績の盛んな土地だったことに着目し、「ボウ」は紡績会社の「紡」を意味すると解し、「パーラボウ」=「四日市市の紡績会社や、その工場」と解する説、
③ 「ボウ(bow)」ではなく「ポウ(pow)」であるとして、「パーラポウ」=「ポウ(POW)に似た音を含むパチンコ屋」ではないかとする説(パチンコPOPAI等々)、
などが存在する。
自分的には「パーラボウ」=「パーラー」とする説を推したいが、作者によると、その「パーラボウ」は
「シュンガノオモテノハンタイ」
にあるのだという。
では、「シュンガノオモテノハンタイ」とはどこかというと、これについても良い説があった。
それによると、「シュンガノオモテノハンタイ」とは、
「霞ヶ浦(かすみがうら)」
を意味しているのだという。
ここでいう「霞ヶ浦」とは、茨城県のそれではなく、三重県のそれとなる。
女児が失踪した四日市市富田から2キロと南下しない場所に「霞ヶ浦」という地区があり、近鉄名古屋線「富田駅」の一つ南側の駅が、近鉄名古屋線「霞ヶ浦駅」となっている。
付近には、霞ヶ浦緑地公園、霞ヶ浦第一野球場、霞ヶ浦体育館などが存在しており、ここでいう「霞ヶ浦」とは、その地区のことを指している。
この説曰く、
「霞(かすみ)」=「春の季語」
なのであり、確かに「春霞(はるがすみ)」などとも言い、「霞」と聞けば「春」を連想する人も少なくないかもしれない。
この説はその点に着目し、怪文書の作者が「霞ヶ浦」の「霞(かすみ)」の部分を、その季語である「春」に置き換えたのだと見る。
これにより、当初の「霞ヶ浦」は「春ヶ浦」に変換された。
「春ヶ浦」はさらに「春画浦(しゅんがうら)」と発想され、そこからさらに「春画裏」となり、最後に
「裏というのは、表の反対だ」
ということで、
「春画裏」=「春画の表の反対(「シュンガノオモテノハンタイ)」
となった、と読み解くのだった。
自分はこの、
「シュンガノオモテノハンタイ」=「霞ヶ浦」
という説を推したいが、念のため「霞ヶ浦」以外の候補地も捜してみると、四日市市富田から南にかなり離れた伊勢市に「二見浦(ふたみがうら)」という場所があった。
これは有名な景勝地だが、「●●がうら」というその名前から「シュンガノオモテノハンタイ」の候補地になりうるかと思い、試しに「二見浦(ふたみがうら)」の「二見」の部分を分解して再構成すると、「春」という字にできなくもない。
「二見」の部分を「春」に置き換えて、「二見浦(ふたみがうら)」=「春浦(はるがうら)」とし、この「春浦(はるがうら)」を「春画裏」に変換すれば、そこから、「春画の表の反対(しゅんがのおもてのはんたい)」という言葉を導くことも不可能ではない。
こう解すると、「富田で生まれて学校を出た股割れ」は、「伊勢市・二見浦(ふたみがうら)の"パーラボウ"に勤めた」と読めることになるが、伊勢市二見浦は四日市市富田からは遠く(80キロほど離れている)、これを怪文書の舞台の一つと解するのは、厳しいかもしれない。
ちなみに大分県大分市にも「春日浦(かすがうら)」という場所があり、これも、「シュンガノオモテノハンタイ」の候補にはなり得るが、大分市は四日市市から遠すぎることもあり、ここでは論じない。
「シュンガノオモテノハンタイ」・・・この言葉の解釈をめぐっては、他にも多くの説があるので、そのうちのいくつかを紹介してみたい。
まず「シュンガ」=「春画」と解する説がある。
これに「オモテノハンタイ」=「裏」という解釈を合体させ、「シュンガノオモテノハンタイ」=「春画の裏」だと解釈する。
では「春画の裏」とは何かということになると、まず「春画」を「エロい画」のことであるとし、今で言えばそれは「アダルト物の写真、ビデオ、映画の類」であるとし、だとすれば「春画の裏」とは、「アダルト専門ショップの裏手のほう」「アダルト専門の映画館の裏手のほう」という意味だろうと解釈し、そこから、「シュンガノオモテノハンタイ」=「かつて四日市市あたりに存在していたエロショップ~エロ映画館の裏手のほう」だろうと読み解く。
他にユニークな説としては、「シュンガノオモテ(春画の表)」=「エロビデオの表版(無修正ではないもの)」だと解し、そこから、「シュンガノオモテノハンタイ(春画の表の反対)」=「エロビデオの表版の反対」=「裏ビデオ(無修正モノ)」であると解する説がある。
この説の結論としては、「富田で生まれて学校を出た股割れ」は「裏ビデオショップの"パーラボウ"に勤めた」と解されることになる。
「シュンガ」をそれぞれ
「三重県桑名市の春日神社」
「愛知県蒲郡市形原町春日浦」
「駿河(するが←しゅんがと読める)」
これらの場所を指しているのではないかと推測し、「富田で生まれて学校を出た股割れ」は、これらの場所の裏手のほうにある"パーラボウ"という店(?)に勤めたのだろう、と読み解く説もある。
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