いつもお読みいただきありがとうございます😊



 


私は良い人間ではありません。

 

口は悪いし、動物虐待する人や、セクハラ、モラハラ、DVする輩に対しては、すぐに、放送禁止用語を連発します😨

 

夫はそれを聞いて、息を吐くようにすさまじい悪口がでてくるな…と呆れてます。

 

ただ

 

いつも、目の前で泣いている、苦しんでいる人や、動物の力になりたい、笑顔になってほしい。


 

そう思っています。

 

今日、ここで、わずかな時間だけど、出会って話ができたなら、そのご縁を大事にしたい。

 

人間ドックの外来でも、脳神経内科の外来でも、そう思っています。

 

だから、人間ドックの診察では、何でも話してくださいね、て言います。

 

ドックの受診くらいでしか、医療機関に来られない人もいるからです。

 

毎回、気持ちを込めて仕事します。

 

そんな気持ちが通じるのでしょうか。


初対面の受診者さんが、誰にも話せなかったという、心の悩みを打ち明けてくださることがよくあります。

 



先日も、”何か気になることはありますか?”といつものようにききましたら、ある女性受診者さんが人間ドックの診察室で話し始められました。

 

”いま、ちょっと・・・胃が痛くて。頭痛もあって。気持ちも乱高下していて、眠れないんです”と言われました。

 

”そうなんですね・・・それは辛いですよね。何か思い当たる要因はありますか?”と聴くと…

 

”夫がモラハラ、DVがひどくて何年も我慢してきたんですけど、別れようと思って、いま離婚の準備しているんです。”とのことでした。

 

最近、人間ドックの初対面の外来でも、心の悩みを打ち開けられる方、増加傾向です。

 

そして、心の悩みが、身体化しているのです。

 

DV夫に苦しめられているという女性Mさんは、ぽつりぽつりと話はじめられました。

 

聞いていると、Mさんは、なんでもかんでも”自分のせいでこうなっている”と思っているようでした。

 

「自分が思ったことをうまくいえないから夫がイライラして怒るんです」とか。

 

全然違います。

 

夫君が未熟だから、つまらないことで怒るわけで、Mさんが悪いわけではないのです。

 

ただ、暴言暴力を毎日受けていると


”こんなに怒鳴られるということは、それだけ自分が悪いことをしているんだ”と洗脳されてしまうように思います。

 

小さい頃、私はよく、親に投げ飛ばされたり、外にだされたりしていました。

 

本当に自分が悪かったときもあれば、理不尽なときもありました。

 

その時、”今回、お母さんにひどく怒られたが、これは自分が悪かったんじゃない。筋が通らない”と考えているような、子供でした。

 

Mさんは、きっと、そういう風に考えられなくなっているのだと思いました。

 

しばらく話をきいて、一緒に怒ったりしていると、Mさんが少し笑顔になられてきました。(私があまりに口が悪いので😂)

 

でも、Mさんは、続けて


 ”親も病気だし、そんな親にまた心配かけているし”と言われました。

 

私は


”Mさん、親がご病気なのは、あなたのせいではないです。夫君があなたにひどいことを言ったり暴力ふるうのも、あなたのせいではないのです”と話しました。

 

”ごめんなさい!”といって、Mさんは診察室で泣き出してしまいました。

 

15分くらい、話を聴いていたと思います。

 

人間ドックの診察でこの時間は、本来長すぎます。

 

人間ドックの外来では、受診者さんに快適に過ごしていただくためにも、待ち時間は少ないほうがよいので、診察も、次々に行わないといけません。

 

ただ、こういった、精神的に追い詰められてしまっている方は、”ちゃんと話を聴く”という時間が大切だと思っています。

 

しばらく泣いたMさんは


”話せてすっきりしました。人間ドックの外来なのに心のこと相談してすみません”と言われていました。

 

いいんですよ!と見送りながら、”普通に生活していて、自分が悪いことなんて、少ないと思います。ご自分を責めないでくださいね”と声をかけました。

 

これからも私は、「形だけの診察」をせず、自分がそのときできることを精一杯したいと思います。


それが私に出来る精一杯のことで、わずかながらでも、社会の役に立てることだと思います。