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ポタジェで冬中採れた水菜

可愛い花が咲きました


先日、”ちゃんと聞けばわかるんじゃない?”という記事を書きました。

 



その記事の中で


”診察結果では、脳や脊髄の病気ではないとおもったので画像は必要ないと判断した”とか書いてましたが・・・

 

あとから


”やっぱり頭のMRIは必要かも”と不安になり、患者さんに連絡し、別の日に頭部MRIを行っていただきました。

 

結果・・・

 

なんと、慢性硬膜下血腫が見つかりました・・・

 

しかもかなりの血腫で、左の頭頂部から側脳室を圧迫していました。


すぐに脳神経外科の先生に診察をしていただき、入院されることになりました。

 

紹介状には


”半年前からふらつきが出現して、その後昨年の12月に転倒し頭をぶつけましたが、頭部CTでは異常なかったため経過をみていました”


と書いてありました。

 

私の初診外来にこられたとき、その時の頭部CTは持参されていませんでした。


後日取り寄せてもらい、放射線科の先生にみていただいたところ・・・

 

実はその時点で、すでに、わずかですが硬膜下血腫があったのでした!

 

前の病院では、その診断がされておらず、私の初診のときにもその画像は確認できなかったのですが、MRIを今回行ったことで、はっきりしたのでした。

 

今回の患者さんのケースを整理すると…


慢性的な栄養障害から、ビタミンB12欠乏をおこし、末梢神経が障害された。

 

結果、足の感覚がわからなくなり、ふらついて、転倒し頭をぶつけた。

 

その後、ゆっくり血腫が拡大してきたため、症状が次第に悪化した。

 

ということでした。

 

よって、病名はビタミンB12欠乏による神経障害と、慢性硬膜下血腫という2つとなりました。

 

どちらの病気も見逃してはいけない病気です。

 

慢性硬膜下血腫は、頭をぶつけてすぐには症状はでず、1〜3ヶ月後に症状がでることがあります。

 

今回のことで、また、改めて

 

患者さんの病気は1つとは限らない!と痛感しました。

 

78歳という年齢も考慮すると、基礎疾患も多く、その分、他の病気の合併も考える必要がありました。

 

仕事というのは一瞬の気の緩みも、これに違いない!という決めつけや固定観念も許されない。

 

どんな仕事でもそうだと思いますが、自分の仕事は命に直結してしまう。

 

やはり、心配性と言われようと、完璧主義だから疲れるんだと言われようと

 

”何回もカルテを見直す。納得できるまで診察し、考えること”をしないといけないと思いました。

 

先日、出勤したときカルテをみたら、患者さんの手術は無事成功し、しばらくリハビリをされて退院するとのことです。

 

丁寧に、慎重に、日々仕事と向き合うことが、私にとって、結果的に仕事のストレスを減らすことになります。

 


大学病院時代、時間がなくて、場当たり的な対応をしたときほど、家にかえって、あれこれ考えました。

 

結局、不安になって、夜また病院に行って、カルテを見直して、看護師さんに、ごめんなさい、と謝って点滴指示を変えたことがありました。

 

夜勤の時間帯は、看護師さんが3人と少ないので、そんな時間に、患者さんの点滴の指示を変えられたらものすごく迷惑なのです。

 

そんな迷惑をかけたときは、自分でも嫌になりました。

 

申し訳ないので、自分が変更した点滴を薬剤部に取りにいって、看護師さんに、すみません、と点滴をお願いしながら

 

”もう絶対に、こんなことはしない。自分が納得できるまで考えよう”と思いました。

 

それ以来、”夕ご飯の支度が遅くなって夫が怒るかもしれないから”などと、焦ってもやもやするのはやめました。

 

LINEで”今日は遅くなるから、なんか食べておいて”と連絡しました。

 

女医のストレスについては、先日記事にいたしました。

 

仕事がストレスになる場合もありますが、私にとっては、自分が納得するまで仕事ができなかったときのほうがストレスでした。

 

丁寧に仕事をしたいと思います