帰国後3日目の午前中は病院で診察を受ける、という、予定外の予定が入ってしまった。

さてどこに行こうか。

診断書を出してもらえればそれでいいんじゃないの、と親。

ANAにちゃんと請求しなさい、と言うことである。
そりゃもう、何かあったら航空会社のせいですから!

 

でもどうもそこでテンションが下がるのである。

大体何が原因か私にもはっきり分からない。

分かっているのは、ヘッドホンをかけた後に起こった。

痛みとしては毒虫に刺された感じがする。

 

その二点のみで、証拠がない。

 

父が「まあクレーマーになるのも嫌だけどさ、はっきり請求できるケースじゃない?」

クレーマーになる人は大騒ぎするだろうね、お宅の会社の管理体制が悪い、そんなものを客に使わせるのか、と言って帰りはビジネスクラスに変えてもらうぐらいするかもよ、と言うのだが、、、たまたまコードシェアしていただけで帰りのルフトには何の罪もない。帰りもANAだったら言うかも・・・でもそれを言うのって結構エネルギーいるよね。大事な帰国の時間をそのエネルギーで消費して自分を消耗したくない。怒りで染まった2週間になってしまう。

ああ、でも痛い。

これで他の場所にしびれでも出てきたらどうしよう。

頭の近くだもんね、怖いよね、と妹が畳み掛けるように言う。

 

だよね。頭を刺されたんだよね・・・・。

 

取りあえず病院。

時間を取られないでさっさと終わってくれるところ。

朝一番行けば、近隣の総合病院の皮膚科の方が早く終わるかな、と思って行ってみて、意外な事実にびっくりポン!となってしまうのであった。

つづく。

 

 

帰国から二日目の夜。

やはり寝れないのである。

お酒を控えてもズキズキと痛む。

前の晩と同じく冷えピタを張り、何度も寝返りを打つ。

出発から3日、普通に寝ていない、と言うのは結構きつい。

寝れない訳ないだろ!と自分に言い聞かせるが寝れない。

 

一体この毒虫何物?

ヨーロッパにいる毒虫ではないかもしれない。
飛行機から飛行機から渡り歩いた、何処からやってきたかもわからない南国の虫、なのかもしれない。

 

もしどうにもならない程悪化したらどうしよう?

取りあえず明日は病院に行こう、と決めた。

 

あーあ、こんなことで折角の貴重な帰国の日程がつぶれるとは。

海外に住んでいると、一時帰国で国民保険に入るのか入らないのか、結構悩む。

長く滞在するのであれば入った方が良いし、私の今回のような帰国だったら入らない人が多いのではないかと思う。

その代り海外旅行の医療保険に入ってきた。

それでも病院に行くのはなるべく避けたい、と思う。

 

たかが虫刺されだし、もう一日様子を見ることにした。

 

本当に虫刺されなのか?それは分からない。

 

念のため、耳の後ろを証拠写真を撮っておく。

写真を見てびっくり、真っ赤に腫れていた。

 

まずネットで調べてみる。

蜂などに刺された場合、イタリアで使う塗り薬はステロイド系の物なので、それで調べてみるとムヒがあった。

薬局に行くとそれ以外のメーカーもある。

どうやら最近気候が変化して毒虫に刺されるケースが増加しているんだそうな。
それで通常ムヒではなく特別ムヒが出たらしく、それがステロイド系の薬であった。

取りあえずそれを塗って様子見。

 

あー、それにしても、こんな時差ぼけのフラフラ状態、初めてである。

 

空港に降りたらそこの病院で診察してもらえ、と言われても、である。

年老いた親が空港までわざわざ一目でも早く孫のかを見たいと待っている。

そもそも疲れた、早く休みたいのにもう一つ何かしろ、と言うのはキツイ。

 

上空から降りてきたらどうやら痛みも治まった気がした。

気圧の差がいけなかったのか。

 

降りる際アテンダントの人たちが大丈夫ですか大丈夫ですか、と皆さん声をかけてくる。

大丈夫です、だいぶ良くなりました、と言ったのだが、

それは本当に気のせいだったのである。

 

実家に着いた後、帰国の祝いの杯を交わしたら、ズキズキまた痛む。

やっぱり腫れは引いていないらしい。

 

早く床に就いたものの、痛い。

本来なら時差ぼけを治す為に一番寝なくてはいけない最初の夜なのに、

ズキズキズキズキ、ずーーーーっとしていて、

キンカンを塗ってもだめで、冷えピタを位置を動かしながら冷やしてようやく朝方ウトウトした。

 

しかし、ほとんど寝れなかったという・・・・帰国早々災難開始であった。

2本目の中盤か、3本目に映画を見ることから、右耳の後ろがなんだか痛い、と思い始めていた。

きっとヘッドホンのかけ方が悪いのだろう、と思って、色々かけかえてみたのだが、痛みがどんどん増していく。

最後には、ちょっと耐え難い程痛くなり、やっとこさ映画を見終えた。

薄明りなので娘に聞いても良く分からないし、耳の後ろなので自分でもどうなっているのか分からないが、

どうやら腫れているらしい。

 

自分の50年近い経験から考えるに、一番近い痛みは虫刺され、それも蜂、アブ、ムカデの類である。

 

しかし、それだったら刺された瞬間分かるはずなのである。

映画に夢中になっていて気付かなかったんだろうか。

 

そもそも飛行機の中にそんなものがいるのか?

飛んでいたら音が聞こえるはずだ・・・。

 

自分では確信がなく、しかし痛みはどんどん増して耐え難くなっていくので、後部まで行きアテンダントの女性に氷か何か冷やすものはないか、と聞いてみた。冷えピタみたいなものでもあればいい、と思ったのだが、どうやらそう言う類の物はないらしく、氷を持ってきてもらうまですごく手間取った。

最終的にゲロバック(だと思う)の中に氷を入れて持ってきてもらったが、非常に不便である。

それでも冷やさないではいられない痛みなので、ゲロバックを耳後ろに押し付けて、最後の数時間をなんとか過ごした。

 

と言うことは全く寝ないフライトだったのであった。

私にしてはそう言うケースはすごく珍しい・・・。

 

途中熱を測ってほしい、と体温計を持ってきてもらったが、熱はないらしい。

降りたら空港に病院があるのでそちられ診察を受けたほうが良い、機長も心配しています、と、言われたが、

そんなに大袈裟なものではないと思ったのである。

 

蜂?何?一体何だったんだろう。
原因はヘッドホンだったんだろうか。

しかしヘッドホンをかけて頭痛がするほど痛みが走るってどういうことなんだろう。

今思えば、ヘッドホンを穴が開くほど見つめておくべきだった。

ヨーロッパ・日本間ぐらい長い時間飛んでいたら、3本映画を見るのがちょうどいいのかもしれない。

実際こんなにたくさん映画を見たのは初めてのことである。

 

最後に見たのが「万引き家族」だった。これは話題作なのでぜひ見たいと思っていた作品だった。

巷で一部がワイワイ騒いでいたように、犯罪礼賛映画ではないし、貧困に焦点を当てた作品でもない、と私は思った。

もしこの映画が今の政権、あるいは与党を批判している、としたら、それは家族の在り方を問うた作品だからだと思う。
ここに出てくる家族一人一人が深くそれぞれ関わりお互いを思っているのに、実は血の繋がりがどこにもない、と言うところに、作品が言わんとしているところがあるように感じた。少なくとも私にはそこが衝撃だった。

いずれにせよAが良くてBがダメ、という話ではなく、それぞれ見た人が色々感じることがあるに違いない。


これ以上書くとネタバレなので、是非皆さん見てください。

深い映画です。

・・・・、と、この映画を見ている頃にははっきりおかしい、と思い始めていた。

 

なんだこれは・・・・・。

2番目に見たのがクマのプーさんを実写化してちょっと広告を目にしたことがある映画だった。
最近なんでも実写化するんだなぁ、と言う感じがする。

面白いかどうかわからないけど時間を潰すのにはちょうどいいか・・・ぐらいの選択。

 

題名が印象に残らない。

どうやら邦題だけが違うらしく、他の国は「クリストファー・ロビン」だそう。

クマのプーさんに子供時代お世話になった人は、クリストファー・ロビンと言われたらすぐにピンとくるが、きっとそれではプーさんの映画だと分からないと思ったおせっかいな命名なんだと思う。

 

人形達の印象がちょっと気持ちが悪い、というのが最初の印象だが、見ていると気にならなくなる。

話もファンタジーな展開で進んでいくものの、大人になるってどういうことなんだろうか、と自分を振り返らされて、ファンタジーな展開もそれはそれでいい、と思える、そんな話だった。

ところで、字幕は目が疲れるので吹き替えで見た。そもそも字幕があったかもよく分からないが。
吹き替えが堺雅人だということは後で知ったのだが、あっていない、と言われればそうかもしれない。

この映画を観終わる頃にはもしかしたら、すでにあのことは始まっていたのだろうか。
なぜ映画にばかり集中していたのだろうか・・・・。

 

普段なかなか映画を見る時間がないこともあって、まじめに映画を見てしまった。

いや、普段も見ることはみるが、公開中に映画館に行って見ることがない。

ここに自分が選んだ映画を並べると、自分がどういう傾向の人間かばれると思うけど、

でも書いてみる。

一本目は「マンマ・ミーア!」だった。
が、それが続編であることを知らずに見て、最初は全く話が見えなかった。

自分はメリル・ストリープを見るつもりで再生ボタンを押したはずが、なかなか彼女が出てこない。

亡くなったことになっているが、突然「実は生きてました!」と派手に登場するのだろう、と待っているうちに、
なんだか思っているのと違う、と言うことに途中で気が付いた。
そしてかなり話が進んでから、これは過去と今を行ったり来たりしていることにも気が付いた。
メリル・ストリープの若き日を演じる女優と、娘が区別つかなかったのである。

 

もっと派手な音楽劇なんだと思っていたら、まじめな母娘のストーリーなのだ、というのが意外だった。

 

それにしても、続編が出ていたとは。話が見えなかったので、なんだかあまり味わえないで終わってしまった。

これは是非最初の作品を見ねば、と思った次第であるが、これは思わず早めに叶った。

ちなみに、映画の充実度であるが、ANAと帰りのルフトと比べて、ルフトの方が良かった。
それと日本語が苦手なうちの子には、ANAの映画はイタリア語の充実度が低かったので、彼女も3本ほどチャレンジしたが、
結局すべての映画を途中で投げてしまったのが、残念であった。

この映画を見ているときには、まだ悲劇は始まっていなかった。

多分。

 

さて、ローマからミュンヘンまではルフトハンザ、そしてミュンヘンからもルフトハンザを取ったのだが、

提携会社のANAであった。

 

久々に日本の飛行機。

ラッキー。

 

と思ったら、思いもしなかったトラブルに巻き込まれてしまった。

それは今も引きずっている。

本当に人生、一瞬先は何が起こるか分からないものである。

 

それを抜かせばANAは快適。

シートが広い。空間がゆったりしている。

窓にシェードがない。ボタンを押すと窓の色が変わる。カッコイイ。
キレイ。清潔。

日本人のフライトアテンダントの対応がとても気持ちがいい。

食事が美味しい。


そしてアリタリアとの最大の差が、
「映画が見れる」。

アリタリア、モニターが壊れていることが多いのである。

 

もちろん不服を言っても無駄である。

壊れてるんだから、仕方がありません。

 

それで終わり。

実はアリタリアに乗っているときは映画を見たことがない。

見ようとしたことがない。

もちろん子供が小さかったこともあった。

とにかく「自分は荷物、貨物飛行機に乗っている」と思って過ごした。

それはそれでいいのであるが、時間がなかなか過ぎてくれないのがキツイ。

 

よし、ANAに乗ったんだし、人並みに映画でも見るか!

 

これが災難の始まりであった。

 

欧州を出る場合、シェンゲン圏を出るときにパスポートチェックを受けるのだが、

私のように外国人でイタリア在住、うちの子のように二重国籍でイタリア在住・・・・なかなかこれが複雑なのである。

 

イタリアから直接出てと日本に行くと何もないのに、なぜか他の国に行くとトラブル人のうわさが絶えない。その話を聞いてビビっていた。

 

ここには詳しく書かないが、一つはイタリア側の問題で、持っている書類が旧式だ、今どきあり得ない、と言って通してもらえない。

が、私が思うにこれは単にイジワルだと思う。

一体何人のイタリア在住の外国人が他のシェンゲン国を通っているのか考えたら、イタリアの書類を知らない訳がない。旧式だってイタリアだからしょうがないでしょ、である。

 

旧式書類は忘れずに鞄に入れた。

どんなことがあっても良いように、娘には二つパスポートを持たせた。

パスポートはダブルで取るとダブルに費用がかかるので、出費を惜しんで取らない人もいる。

私も「イタリア―日本」で行くときは取っていなかったが、今回は用心した。

本来は両方持つべきものらしい。

ドイツを通るときはイタリアのパスポートを見せればいい、と聞いていたが、

チケットが日本名になっているので、娘のパスポートは二つとも出した。

私の滞在許可書も言われる前にさっさと出した。あり得ない旧式、といちゃもんつけられるかと思ったら言われなかった。

それと用心のために持って行け、と知人に勧められたのが、

私が人さらいでないことを証明する夫のサイン。これは出さないですんだ。

どうやらそこでももめる人が居るらしい。

これは私の想像だが、時々人種の違う両親の間に生まれた子で、どちらかに極端に偏って似ていることがある。
いや、人種が同じでもそう言うことは多々あるわけだが、人種が違うとまるで他人に見える。多分そこで疑われるのかもしれない。

本来は「ハーグ条約」とかいう法律のせいだとは思う。
が、チェックを入れる人、入れない人がいるのは、そんなつまらない主観でやっている気がする。


お陰様で娘は日本人顔のイタリア娘なので、あっけない程簡単にパスした。

どんだけドイツでイジワルされるのか、ドキドキしていたのになんとも肩すかしだった。