イタリアでは今なんでもコリアン・ブームらしい。

私は全くよく分からないが、イタリアの女の子たちが憧れるアイドルが色々いるということで、アジアの血が流れている子たちはラッキーである。

なんとか彼らの容姿に似せようと努力をする子もいるらしいが、うちの子はそれはともかく、韓国コスメには興味津々である。

 

日本に行くついでに韓国に行こうよ、と散々言っていたが、この複雑なご時世、それはちょっと無理と言う話。

その代わりコリアン・タウンには連れて行ってあげる、と約束をし、新大久保駅に降り立った。

 

降りた時、あれ、新大久保ってこんな場所だっけ、というのが最初の感想。まるで竹下通りの様である。まあ最後に訪れたのが、かれこれ30年も前である。違って当たり前だが、とにかく人が多い。日曜日だったというのもあったかもしれないが、若者が溢れかえっていた。

 

お店は子供の願い通り、コスメのお店が何軒も並ぶ。入るたびに彼女が買ったのはマスクだった。マスクはマスクでも美容マスク。

イタリアではたいして効果ないマスクが3ユーロぐらいするのである。そもそもこの年代にマスクが必要なのかは大いに疑問。だけど、美容に興味がないよりある方が人生楽しいんだろうな、と黙認する。

 

2件目で、美容販売員に捕まってしまった。もちろん私が。

あなた、今から努力しないと大変なことになります、土台が大事、この基礎化粧品はすごいですから、化粧水、美容液、クリームの三点セットでここからさらに御値引!これ3か月持ちます、いや、もっと持ちます、ひと月3000円、高いですか?高くないでしょ。ほら、私の肌見て!

見れば、本当にびっくりするほどしっとりしている。そうか、私は努力が足りないんだな。

分かりました、買います。

 

子供曰く、あの肌、おかしい、不自然!あんなにベトベトしてるの、きれいって言わないでしょ。お母さんのほうがまし。

 

・・・・まし。

 

褒めてはいないけど、けなしてはいない・・・よね。


あの押しで断るの難しいよね、と言うと、「アハハ、お母さんの負けだね」と笑われた。

そっか、やられちゃったか。

 

だけど、その三点セットは本当に悪くなかった。このぐらいの手入れはしたほうが良いんだなー。それにおまけのハンドクリームもとても良かった。こんなにいいなら買ってくれば良かった。

 

まあ、予想外の出費だったけど、結果オーライである。

あ、あとついでにマスクも買った。

さすが日本、色が微妙でオシャレだな、と思った。形も大分工夫してあって良い。これももっと買って来たかったが、でも今のところ、イタリアではマスクは用なしなのだった。

 

 

夫は日本語は覚えないし、別に日本の文化に精通している人でもないのに、なぜか日本の食べ物はよく食べる。
苦手なものもあるけれども、大抵の物は大丈夫。

特に緑茶が大好きで、朝は必ず緑茶。この習慣をもう結婚してからずっと続けている。

 

昔は新茶の頃、母から届いていた。

ところがコロナがきっかけになっているのか、それとも前からの流れなのか、発送業務がとても煩雑になった。それで年寄りにはとても手に負えなくなって、実家からサプライズの小包は届かなくなった。

 

加えて、戦争がはじまり、飛行機の数がさらに減ってしまった。ヨーロッパから日本には送れるのに、日本からヨーロッパには届かなくなった。お茶は好きなので、自分でも取り寄せていたのだが、それも不可能になり、我が家の緑茶在庫は危機的な状況になった。

 

ヨーロッパは今緑茶ブームなので、スーパーに行くとある。だが緑茶とは名ばかり、黄色く色がつくだけである。

ならば、お茶専門店で買ってみたらどうか、と探してみた。日本人が直接日本から輸入しているというお店、有機茶専門店を試してみたが、満足できるものはほぼ皆無。

 

ようやく飛行機の運送が復活し、取り寄せようと思えばできるようになったが、日本に帰国するまで我慢をした。

 

我が家は祖父、母、私とおずっと同じお茶園さんからお茶を買っている。どうしてもそこが一番好き、という結論に夫ともなっている。

サイトを見ると業務用のお茶があって、夫はそれがいい、というので、それを買った。大量仕入れである。夫にこれもあれもと指示されるままにカートに入れたら、なんと4キロ近い量になった。よっぽどお茶に飢えてと見える。スーツケースの中に4キロのお茶を入れて持って帰るとなると、重さのせいで他の物が入らなくなるのかもしれない。でもお土産にもなるし、これでお土産の心配をしないで済むからまあいいか、と思った。

 

最初に実家に行ったら、なんと母もお土産に、とお茶を買っていた。もちろん同じお茶園。私達が購入したものより、良いお茶を1キロ購入していた。つまり合計5キロ。まさかお茶がこんなに凄い量になるとは思っていなかった。

 

帰ってきてから、色々義理がある人たちにお土産を用意した。義姉にもお茶を用意したら、夫が「姉貴にお茶の味は分からない。もったいないから入れるな」と横やりが入る。そんな、他に大したお土産を用意していなかったんだから入れていいでしょ、と言うと、もったいない、と聞かないので、お茶は抜いた。確かに義姉は弟と違って、欲しがるくせに日本の食材はいい加減に扱って捨てているのかもしれない、とは思っている。でもとりあえず欲しい、と必ず言う。だからお茶でいいだろう、と思ったのに、予定が狂って残念なお土産になってしまった。どこでフォローを入れようか。

なぜ夫がこんなにお茶に取りつかれているのか、分からない。そもそもなぜこういう普通の緑茶がヨーロッパには来ないのだろう?これを美味しいと思う人が少ないのか。
そのうち私が輸入業者をやってみるかな。

 

 

最初に実家を訪れた時、母はすき焼きを用意してくれていた。

食卓の上に電気鍋を置いて作ったのだが、そういえば4年前焼肉を焼いた時も使ったもののようだ。

前から自分の家にもほしいと思っていたのだが、今回は本気で検討してみようと思った。いつも日本に帰ってくると、我が家には一つ電気製品が増える。前回はハンド掃除機だった。

 

実家ですき焼きを食べた後、小学校時代の友人と会ってちゃんこ鍋をつついた。

そこで今度は卓上のガスコンロがお出ましである。

友人曰く、やっぱりこういうものはガスが一番いいよ、避難グッズにもなるから、という。

なるほど、と思った。


さて、イタリアに戻ってきて、いざ購入してみようと考え始め、実家では一度もガスは買ったことはないので、使い勝手がどんなものか悩んだ。

例えば、地震があったり、いやなかったとしても電気が来なかったとして(そういうことは実際普段からいくらでもある)、でもガスコンロって使えるよな、と思った。だとしたら卓上ガスコンロは、あまり避難グッズとしての役割はなさそう。

 

もし家の中に入れなくなったとしても、外で使える大型のガスコンロがある。確かにちょっとお茶を沸かすのには卓上のほうが良いけれども、一本のガス缶がそんなに持たないこともどうかなぁ、と思った理由の一つ。さらに、イタリアのガス缶、高い。日本の3,4倍する。なくなったら買わないといけない不便さと、不便ばっかり目について、友人が言うほどでもないかも、と思い、最終的に電気鍋を選んだ。

 

さて、電気で早速鍋を作ってみた。が、湧き始めるのに時間がかかるのだ。

こんなものなのか?

 

そう言えば何年も前にこちらの日本人の友人宅で鍋をやったことがあった。その時彼女の家では電気だったか、ガスだったか。今度確認してみよう。これじゃなくて別のタイプにすればよかった、と言っていた気がする。だから、多分電気だったのかもしれない。

ちなみにまだすき焼きはチャレンジしていない。来週末にはやってみようかと思って肉だけは買っている。ネギが足りないな。あとお豆腐とシラタキ、白菜は手に入らなそうなので、キャベツでいいかな。キノコも欲しいぁ。しいたけはなさそうなので、エリンギにしますか。


などと考えていたら、昨夜すき焼きをやっている夢を見た。

子供が膝宛てを新調したい、と言ってきた。
何でも一組しか持っていないのは彼女だけで、みんないくつも買ってもらっているんだそう。

バレーボールを始めてまだ1年経っていないが、どうやら続きそうだし、OKを出した。

 

最初ネットで買おうか、と言っていたのだが、デガトロンでいい、と言うので出かけることにする。

ついでに母の誕生日プレゼントを探した。普段買い物をしないので、適当なお店が見つかるのか心配だったが、

たまたまデガトロンのそばにこれならいいだろう、というお店があったので、そこで見繕う。

あとは送るだけだが、母の入院前には着かない。誕生日には間に合うだろうが、母が誕生日前に自宅に戻れそうもない。

いつも「そろそろ誕生日プレゼントを」と思った頃に買い物に出れず、それでネットで買い物をして届けるパターンが多い。だが、それで何度も怒られている。こんなもの、もらっても嬉しくないから送らないでほしい、とまで言われたこともある。確かに、目で確かめて買っていないのだから、どんなものが届くか分からない。手に取ってみたら買わなかった物なのかもしれず、どんなものが届いたのか、確かめることもできない。だからと言って誕生日を無視するわけにもいかない。

最近は、日本では大人気のイタリアのブランド、サンタマリアノヴェッラのクリームを送っていた。それは間違いなく喜んでくれる。それは今回お土産で持って行っているので、送るわけにはいかなかった。
選んだのは、淡いリラ色のセーターと淡いブラウンとピンクのセーターで、もう少し春が近づいたころに着るのに良いと思う。あと娘がグリーンのアクセサリーをチョイスした。子供と一緒に選んで責任は半分ずつだ。

それと夫のセーターとワイシャツ。一枚は他の色を入れたほうがよかったのに、夫に選ばせたら青ばかり選んでいた。母のことに気を取られて私がちゃんと見て上げなかったのは失敗だった。

 

その後H&Mに行く。子供のお気に入りのお店である。私はあまり買うことはないが、今回はカーキ色のジャケットを一枚購入した。これとユニクロのオレンジのヒートテックを合わせてみよう。

今回は子供には自分の物は自分のお小遣いで買うように言う。家の手伝いをすると小遣いをあげるのだが、買い物時にこちらが出してしまうと、そのお小遣いは紙切れ同然で、「お小遣いはいらないから手伝わない」と最近言うことがある。今年から少し厳しく自分で稼いだお金で買わせ、働かせようと思う。

最後に夕飯。

外食を控えようと言いつつ、食べてしまう。だが、レストランではなくファーストフードである。イタリアのチェーン店らしく、かなりボリュームのあるハンバーガーだった。お肉は美味しいが、もうちょっとよく焼いてほしい、と思った。

前に座っている子供を見て、きれいになって来たな、と思う。

ハーフだがうちの子はかなり日本人よりの顔立ちなので、日本にいても日本人としてしか扱われない。だけれど、どことなく西洋人的な部分も無きにしも非ず、そこが最近いい感じに味を出しててきている気がする。
もちろん本人には言わないで、私一人で眺めて自分の感想を楽しんでいる。

昨日の夜は、バレーボール、今シーズン最後の試合だった。試合会場は相手方の体育館でうちから車で1時間半ほど。平日だというのに夕方6時半から試合で、帰ってきたのは9時半ぐらいだっただろうか。思ったより早かった。

 

私は家で待っているので、ライブで見ているのだが、1セット終わったところで突然ビデオが切れた。

夫からメッセージが入って、ビデオを撮らせてもらえない、と言う。どういうことだろうか?説明がないまま試合は3対0のうちのチームの圧勝、との連絡。勝ったのに、ほぼ何も見ないで終わってしまった。

 

帰ってきて説明するのには、相手方のチームが「撮影禁止です」と言ってきたんだそう。今の今までそんなことなかったのに。

「そんなこと言ったからには、お前ら負けるぞ!」

と、こちらは叫んだそうで、その通り、うちのチームの大勝利。相手は負け知らずで今まで来ていたらしいから、これで勝たなかったら、言わなければよかった、と後悔したかもしれない。

だが、その悔しさから出た言葉に至るまで、結構相手チームの親から意地悪されていたらしく、

「どいて!そこ邪魔!」

とどつかれたり、まあ色々あったんだそうな。

 

アウェイに行くと、相手方のヤジも結構きつい。うちの一番活躍している子の体格が結構良くて、この間はそれに対して、

「デブ!セルライトだらけ!出てけ!」

とヤジが飛んだらしい。が、本人は全然動じていなかったそう。日本ではどうなんだろう。私は若い時スポーツをしなかったので、ちょっと想像がつかない。

 

サッカー・ファンの様子を見ても、日本のサポーターのように会場の掃除どころではなく、乱闘になりそうなほど激しいので、「負けてたまるか」と言う負けん気だけは鍛えられそう。

多分、昨日うちのチームが勝ったのはその負けん気と大いに関係している。

最後と思ったら、勝ったせいでまだ試合が続くんだそうだ。

とうとう自分の掟を破って買い物に出かけた。月曜日のことである。最後に家の外に出た日から数えて19日目。

なんて言うのはまあ冗談半分、どこまで家の外に出ないでいられるかやってみただけで、永遠に出ないわけにはいかないし、必要なものだけ夫に買ってきてもらうやり方でいると、料理の創作意欲が減ってくる。たまにはお店で直に物と対面する日もないとリフレッシュが難しい。

とはいえ、一瞬買い物をして帰ってきただけでは、まだ自分の中で足りないものがあったのかもしれない。

1月、2月は特に来客がほとんどないのも一つ原因していると思う。

 

私がほぼ外に出ないのに対し、子供は学校に毎日通うし、夫は普段は家で仕事をしていても、子供のバレーボールの送り迎えで常に外との接点があり、学校が終わると週三回、夕方子供を送り迎えする。今は割と仕事に追われていないこともあって、熱心に連れて行く。試合は地元でやることもあるが、車で2時間かかる場所に行く場合もあるが、文句ひとつ言わないし、学校の勉強が忙しくて休みたいとでも言うものなら、「そんなのでうまくなれると思っているのか」と叱咤激励して連れて行く。子供も好きなので最終的には逆らわない。

それは良い事として、私は週三日、子供も夫もいない家にポツンと夜遅くまで待っている。相手にしてくれるのは動物たちだけだ。確かに3日も自由な時間があるのは良いのだが、3日ぐらいで十分で、それ以外の日はちゃんと夕飯は早く食べてもらいたい。

ちなみに私も一緒に試合に行けばよいかと言うと、そういうわけにはいかない。この家は暖炉に薪をくべる人がいないと、お風呂のお湯も沸かない。もちろん部屋も寒いままだ。動物たち世話も考えないといけないから、冬場は特に誰かが一人家に残ったほうが良い。日本のように気軽に外食する場所もないので、やはり私が家で夕飯を作って待つことにしている。

 

昨日は練習も試合もなかったのに、他のチームの試合を見に行こう、と急に言い出したので、なんだか腹が立った。昨日は鍋をしようと思って用意していたので余計である。夜遅く帰ってきて鍋どころではないので、メニューの変更である。でもお腹の中で割り切れず、また私家で待つの?それ、見なくちゃいけない試合?とブチ切れた。
結局試合は見に行かなかった。行かせなかった。子供も夫もシブシブ諦めて鍋をつついていた。

 

今日は今シーズン最後の試合で、学校が終わって3時に二人とも家を飛び出した。今日は遠方の会場なので、帰ってくるのは10時頃だろう。

今朝は揚げパンを作って、おやつに持たせた。

 

 

 

 

 

帰国した日、両親は必ず回転寿司に連れて行ってくれたので、初めて祖父母のいない帰国初日、やはり子供は夕飯に回転寿司を所望した。

近くの回転ずしを探していったのだが、夕方6時過ぎ、えらい並んでいてびっくりした。

イタリアでは夕飯は8時からが通例なので、レストランは開いても7時ぐらいから。6時は自分達的にはすごく早い夕飯なのに、すでに並んでいるとは。こんな事でびっくりするのは、日本的感覚がまだ完全には戻っていない証拠。

 

考えてみたら週末の夜だったのもあるのかもしれない。でも日本はどこも並ぶよな―。並ぶぐらい美味しいということなのか。

 

待っている間にもどんどん人が来る。店の前にわんさと人がいると気持ちが焦ってくるし、お腹もすいた。待たされ慣れていない故、余計に「本当に食べられるのか」という気持ちになる。もうこれ以上待たされたら、子供がブチ切れるかも、というところでようやく入店。

利用時間の制限あるので、回転しないということはないらしい。回転寿司だけに。

 

客は回転しているが、寿司は回転していなかった。回っているのは広告の写真のみ。ワサビも回っていたかな?あらー、である。
後々近隣の美容院でのおしゃべりで、コろナのせいで最近の回転寿司は寿司を回さないだ、ということだった。そもそもコろナ関係なく、美味しい物を食べたい人は開店した寿司を取らないで注文する、とも言っていた。それは確かに正しい、と思った。

ここのお寿司は本当に美味しかった。回転寿司にしてはちょっと高めだと思うが、帰ってきてユーロで計算してみて大したことなかったんだ、と思った。ヨーロッパの寿司はまずいのに高すぎる。それと比べたら日本のお寿司は嘘みたいに美味しくてお手頃だと思う。

私は色々珍しいネタをチャレンジしたが、子供はまずサーモン。イタリアの寿司はサーモンしかないんか、というぐらいサーモンばっかりであるので、まず食べ慣れたものを頼んだ。そしてアナゴ。前回アナゴが美味しくて食べるのが楽しみだったのだが、ここのお店のアナゴは彼女的には外れ。その代わり、ウナギが美味しかったんだそう。
あとクエが珍しくて美味しかった。子供も私も大絶賛だった。

一昨日スーパーでクエが手に入った。刺身は無理だが、焼いて食べようと思う。こちらでもクエはご馳走だ。

 

 

 

 

 

 

前回まで父に空港まで迎えに来てもらっていた。

成田のほうが遠くて羽田のほうが近いとはいえ、もう高齢の父に家と空港の往復はさせたくなかったので、リムジンバスを利用した。ついでに実家に泊まるのも、今回はやめた。
私もいい年だけれども、それでも親元にいると自然と子供に戻ってしまう。親も昔と同じように世話を焼こうとしてくれる。それが負担になっていることは間違いない。数日ならばいいかもしれないが、一時帰国者は数日で帰れないのである。
だから、まず自分たちの寝床を確保し、そこから実家に通うことにした。

もし日本に住んでいたら。

日本で結婚して、たまに実家に顔を出すような、そんな暮らしをしていたら。

そんなことを想定して、宿を決めた。

親の協力がないとなると、何より問題は荷物なのだった。

さて、どうやって運ぼう。
とりあえず、リムジンバスが発着する駅の近くに泊まることにした。たまたまいい場所が見つかったというのもある。


今回の宿は、いい点も不便だった点もあった。リムジンバスにすぐ乗れる場所というのは大正解だった。不便だったのは、ちょっと実家から遠かったこと。次回、もう少し実家に近い所に宿を取ったとすると、リムジンバスの発着駅近くではなくなる。そうだとしたら、荷物の運搬の苦労は今回の比ではない。一番良い解決策はタクシーを使うことだろうか。タクシーを使ってリムジンバス発着場所、そこから空港。
要するにお金で解決する問題なんだわ。

実家に泊まらないならせめて迎えに行かせて、と親には何度も言われたが、気持ちだけで十分、と断った。自分が高齢の親だったら、無理しでても迎えに行きたいと思うだろうな。でも間違いなく「無理してでも」なのだから、無理をさせるわけにはいかない。高齢であるとはどういうことなのか、アラフィフというのは想像の中ではあったとしてもイメージできるお年頃な気がする。

せめてそのくらいは、と決めたことだが、同時に親が弱くなっている現実を噛み締める、切ない一時帰国でもあった。

羽田からリムジンバスは首都高速を走る。
高層ビルの間を縫っ見る景色を眺めていると、戻ってきたのを実感する。自分の中の様々な感覚がイタリアから日本へ、あっという間にシフトしていく。意外にもまだ銀杏が全部は落葉していないのに驚いた。秋を楽しむ感覚もまた戻ってくる。

うちの銀杏もそろそろ東京の街路樹みたいに剪定しても良いな、など、イタリアに戻った後のことも考えて眺めていた。