暑い。珍しく全身汗でびっしょりになって目が覚めた。寝間着が湿っぽい。明け方これまた珍しく足がつる。完全に水分不足。そして寝不足。
日本のニュースは今「ビックモーター」の話が一番の注目だろうか。私も見てびっくりのニュースだった。そういえばこのBIGと大きく書いた看板、実家のそばで見ている気がする。
まず保険詐欺の件。
これはどうやらここだけの話ではないのではないか、と言う気がする。と言うのも、夫が以前町の小さな整備会社で、「これじゃ保険が出ない」と整備工と保険会社が話をして傷を大きくしていた場面に出くわしたことがあるそうだ。これはイタリアでの話だが、日本でもビックモーター以外の整備士のインタビューを見ていても、はっきり言わない、言えない裏を読んでしまう。
ただ、ビックモーターのやり方はそれとは別次元だ。組織的、計画的、犯罪的。明らかにやらなくても良いことをやって保険をだまし取っていた、と言う話なのだろう。
会社は利益を追求するものだ。だがそれが一番の目的だと、必ずゆがみが生じ、いずれ立ち行かなくなる。理由は簡単だ。協力者がいなくなる。顧客の心も離れていく。
利益を経営者が吸い上げるだけ吸い上げ、顧客の不利益になってもかまわない。社員は社長の考えのみに従えばよく、自分の考えを持つことを許さない、と言うのは社員は奴隷だ、と言っているのと同じことだ。社長と違う考えなら辞めろ、と言い、社員が自腹を切って利益補填をする。恋愛の自由にも口を出す。随分すごい「いじめ」世界だが、この経営者はそれでいいと思っていたんだな。
社員に毎年配られるという「経営計画書」から、経営者の理念、人柄が見える。「経営の原点12か条」を見ると、まあなんとも言えない気分になる。これは今私が興味深く毎日聞いているスマナサーラ長老の説法で「決してやってはならないこと」が見事に並んでいる。
「強烈な願望を心に抱く」
願望や期待を捨てなさい。
「燃える闘魂」
激しい闘争心で回りを打ち負かして、あなたは幸せなの?自分がやられて嫌なことは他人に決してやってはならない。
そして何より腰抜かすのは「生殺与奪権」だろう。それを聞いて多くの日本人が「お前は富岡義勇か!」とツッコミを入れたに違いない。しかも義勇は「自分の命は自分で守れ」と言うために使った言葉なのに、この会社の経営者は幹部に「社員を好きなように殺していい」という意味で言っている。もちろんこの場合の「殺す」は「精神的にいたぶって、いじめていい。何なら辞めさせてもいい」という意味だろうから、恐ろしく傲慢だ。誰に他人をいじめたりいたぶったりする権利があるというのだろう。この経営者の心は相当荒んでいる。
でもこの恐ろしく独裁的で自分勝手な経営方針を罰せられることはない。法律が関与するとしたら詐欺と器物損壊のほうだけだろうし、奴隷にされて仕方なく上司に従って実行に移した従業員の罪も問われるのだろう。考える自由も発言も行動も制限されていた奴隷のようだとしても、本当に「やってはならないこと」から逃げられなかったわけではないから。
本当は罪に問われなければならないのは、正さなければならないのは、経営者の根本的な考え方だと思うのだが、世の中「勝つためには手段を択ばないぐらいのつもりじゃないと」信じている人はいくらでもいる。何もこの会社の経営者が特別ではない。
