『父親たちの星条旗』 | 狂気と正気の狭間

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『yahoo!ブログ』にて活動して来ましたが、突然の〝サービス終了〟と言うテロに遭い、止む無く移転して来ました。

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平成18年12月2日[土]観て来ました。

アメリカ、ウィスコンシン州で葬儀社を営む1人の老人。
今、彼には最期の時が迫っていた。
彼の名は、ジョン・〝ドク〟・ブラッドリー。
彼は1945年、太平洋戦争の激戦地として名高い硫黄島に、海軍の衛生兵として出兵していた。
しかも、その時撮られた1枚の写真によって、米国中から〝英雄〟と讃えられた輝かしい過去が有った。
しかし彼は、その事に付いて決して語ろうとはしなかった・・・。
硫黄島で何を見たのか。父は何故沈黙を貫こうとするのか。
父の最期を見守る彼の息子が、硫黄島の真実を辿り始める・・・。
監督 クリント・イーストウッド
出演 ライアン・フィリップ(ジョン・“ドク”・ブラッドリー)
アダム・ビーチ(アイラ・ヘイズ)
ジェシー・ブラッドフォード(レイニー・ギャグノン)

観終わった後、重苦しく切ない気分になり、考えさせられる作品。
エンターテイメントを期待して観に行くと、手痛いカウンターを喰らうと思う。
戦争には大義(名分)は有っても、正義は無いと言う事か・・・。

硫黄島の激戦を、日本・アメリカ双方からの視点描いた2部作の内の1作で、今作はアメリカ側の視線を通して描かれている。
しかし、決してアメリカが善、旧大日本帝国が悪と言った、単純な描かれ方はしていないので、双方の扱いを公正に図る様配慮された所が感じられる。
勝ち負けにも触れられておらず、戦場に置かれた兵士達の状況や心理を、淡々と丁寧に再現している。

メイン・テーマは1枚の写真の真実と、そこに写ったが為に、当時の世相に人生を翻弄された兵士達の数奇な運命だが、そこに戦争の惨さ、悲惨さが加味され、物語の奥行を増している。
その写真は、太平洋戦争の勝敗を分けたと言われる程有名な写真らしいが、正直、私には『見た事が有るかな・・・?』程度の記憶しか無い。

少々、場面転換が細かく早く、登場人物が皆同じ格好なので見分けが付かなくなるかも知れない。
基本的場面は、硫黄島(戦時)、アメリカ本国(戦時)、アメリカ本国(終戦直ぐ)、アメリカ本国(現在)と、主に4パターンが入れ替わり立ち代りするので、分かり辛い所も有るのが難点。
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ストーリー
ベースはシンプルだが、運命の写真が撮られた経緯と、それに関わった人物の相関関係が展開が早過ぎて分かり辛いかも。
キャラクター
実在の人物で、エンド・ロールに映し出される本人と、とても良く似ているのには驚いた!
キャスティング
正直言って、知らない人ばかり・・・。因みに、イーストウッド監督は出演していません。
映像
結構惨い映像が有る為、遭えて押えた様な色調にしているのだろう。
音効
銃撃や爆撃音は臨場感万点・・・、と言うか、そんな状況実際知りませんが・・・。
音楽
エンド・ロールで流れるギター(?)の曲は悲しみを誘う。
期待感
そりゃ~、イーストウッド監督ですから・・・。
満足度
基本的に、映画は観終わった後にイイ気分になると言うのが心情なので、その部分では満足出来なかったと言う事が・・・。
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アクション

周りで爆発したり、急な山登ったりと・・・。

SF

該当無し

コメディ

該当無し

ホラー

該当無し

グロテスク

惨い死体の描写が数ヵ所有るが、ただ気持悪いと目を背けてはいけないと思った。

サスペンス

該当無し

謎解き

写真の真実は・・・?

不可思議

該当無し

ラヴ

主役格の結婚。

エロス

該当無し

悲劇

これ以外の何物でも無い!

感動

感動と言うかどうか分からないが、観終わって『観て良かった!』と思える作品。

ドキュメンタリー

そうでは無いが、ほぼそう言って良いと思う。実際の出来事を実在の人物で描いているし、本人も登場するから。

歴史

忘れてはならない重要な歴史。