『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』 (評価:★★☆) | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。





1.評価

和久さんならこう言うだろう「ダメだりゃ」と

★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)


2.基本情報

そんなことより恋をしろ-踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 



(2010年/日本映画/141分)

製作:亀山千広
   永田芳男
監督:本広克行
出演:織田裕二
   深津絵里
   ユースケ・サンタマリア
   伊藤淳史
   内田有紀
   小泉孝太郎
   小栗旬
   小泉今日子
   柳葉敏郎
   

湾岸署が新庁舎へ引越しとなり、それを一任された青島は
3日後の開署式に間に合わせるべく、てんてこ舞いの日々を送っていた。
そんな折、新庁舎から拳銃が3丁盗まれる事件が発生、
しかもその拳銃の中には青島の所持するものも含まれていた。
やがて、その拳銃を使った殺人事件が発生し、
犯人は、かつて青島が捕まえた犯罪者たちを解放するよう要求する―


3.コメント

かつて、知り合いと「踊る大捜査線」派か?「あぶない刑事」派か?で争ったことがある。
そもそも単に“刑事”繋がりってだけで比べられるようなもんじゃないし
毛並みそのものが全然異なる作品なわけだが、
少数派の立ち位置だった俺は、ちょっとムキになった記憶がある。
因みに、どっち派かと言えば「あぶない刑事」派だ。

思い出話はさておいて、「あぶない刑事」派な俺は
TVドラマも特に観てはいなかったため、それほど「踊る~」のファンではない。
しかしながら第1作のあの面白さは、ファンならずとも認めるところだと思う。

前に『TRICK』で「おなじみのメンバーがまた観られればそれでいいんじゃボケ!」
といった感想文を書いたが、本作でもそれは十分に言えると思う。
7年ぶりとなる続編にもかかわらず、青島もすみれも真下もスリーアミーゴズも全然変わってない。
いい味だしてた和久さんだけは残念な結果となってしまったが、
それでも、ファンなら久々の面々に心躍らせたことだと思う。

ただ残念だ。
これまでの映画版は、TVドラマの知識がなくても面白かったストーリーが
今回はどちらかといえばコアなファン向けに仕上がっていること。
まあでもそれは長年待ち望んでいたファンへのサービスと考えればいい。
『TRICK』なんかコア中のコアなファン向けだからな。

次に、キャラ出しすぎ。
和久さんの甥っ子や管理補佐官の鳥飼という新キャラに加え、
内田の篠原、SATの草壁、小泉の小池、寺島の木島や、
これまでの犯罪者も1カットながら総登場。
サービスとはいえ、こんなにキャラを出す必要性はあまり感じられない。
それゆえなのか、これまでにあった湾岸署と本庁との確執や
青島の仲間を思う熱い思いが全体的に希薄に感じられた。

そして特に言いたいことは、本作の核心部分、
“なぜ、日向真奈美を出しちゃったのか?”
もうね、コレに尽きる。
若者にいとも簡単に破られるセキュリティと
それに翻弄される大人たちと政治の世界。
これだけで十分「踊る~」の世界観は満たしているはずなのに
なぜそこに日向真奈美を絡ませてしまったのか?

日向真奈美という“猟奇殺人者”がネットを通じて
信者が出現するまでのカリスマ的存在になっている、という設定。
あまり言いたくない言葉だが言ってしまう。これはリアリティがない。
分かった。百歩譲って許容範囲としよう。
信者までできちゃう猟奇殺人者は生半可な存在ではないわけで、
その真理に迫り、かつ警察の立場として優勢に持っていくくらいの説得力が
果たして本作、特に青島のセリフにあっただろうか?

猟奇殺人を題材にした映画はごまんとあるが、
「踊る~」でこんな異常犯罪者を取り扱うには、世界観が違いすぎるのではないか?
はっきり言っちゃう。日向真奈美は余計なキャスティングだったと思う。

織田裕二が本気かリップサービスか、パート4について言及したが、
これはマジメにパート4作ったほうがいいよ。
正直、映画版3作の中でいちばんテキトーに脚本書いたんじゃね?って出来だもん。
天国の和久さんなら「ダメだこりゃ」って言っちゃうよ、ほんと。
ファンのためにも、本作が『踊る大捜査線』のネクスト・ステージであり
新たな物語がスタートすることを切に願ってやまない。


4.2010年度ランキング(7/3時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

(1)ベスト10

  ① 告白
  ② アウトレイジ
  ③ ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ
  ④ クロッシング
  ⑤ 劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
  ⑥ パラノーマル・アクティビティ
  ⑦ 時をかける少女
  ⑧ 第9地区
  ⑨ ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲
  ⑩ パレード 
  (次点)
    ゴールデンスランバー
    劇場版 銀魂 新訳紅桜篇
    マイレージ、マイライフ 
        
(2)ワースト3

  ① 彼岸島
  ② シャーロック・ホームズ
  ③ ダブル・ミッション


<その他ランク外一覧>
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