忘れられない競走馬シリーズ 第3弾後編 | 大穴一転勝負の収支報告的ブログ

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初めてブログ的なものをしています。まだやり始めたばかりなので、味気ないテキストとキャプチャーだけの事務連絡チックなしあがりですが、悪しからずご了承下さい。カラフルなものとかにするのとか難しそうですねぇ。ま、徐々に徐々に^_^

「トシおじさんと
ツクバシンフォニー2」

いよいよ後編です。




土曜日の府中競馬、メインレースが終わってから、トシおじさんのお通夜会場へと向かった僕。


道すがら
府中競馬場を出てから、ふと思った。
「明日の馬券買えるかな?時間なかったら買えないカモ」

急いで、今来た道をもどり、馬券売り場の自動発券機に現金投入。買い目は決まっていた。土曜日の勝ち資金から明日の買い目も買えるんじゃね?



明日の買い目はツクバシンフォニーから。

1番人気  ファビラスラフィ
2番人気  ツクバシンフォニー
3番人気  スギノハヤカゼ
4番人気  タイキフォーチュン
5番人気  エイシンガイモン
....
9番人気  セイントリファール

この当時、競馬最強の法則という月刊誌に書いてあったサイン馬券術をよく読んでたこともあって、サイン馬券に凝っていた。職場でもサインを読むのが流行っていたのだ。今なら絶対こんな買い方しないだろうなぁと我ながら思います笑

ファ、フィ、フォのボックス1000円ずつと、
ツクバシンフォニーからの流し馬券を2000円ずつ合計12000円分
ささっと買い

会場へ足先を向けた。







さーーっと音もなく降る霧雨の中会場へ着くとかぁちゃんが僕のことを見つけた。


「あんた。どこ行ってたの!怒」



いや、べつに、、、、


「早く行きなさい」


とまぁ、よくある通夜の風景になって、その日の夜は、トシおじさんの昔話から亡くなった経緯など親戚の会話が続いた。トシおじさんが昔ラスベガスで4000ドル負けた話なんかの笑い話もはじめてきいた。


雨は、その夜止むことはなく、天気もトシおじさんを見送っているようだった。




じつは、トシおじさんは亡くなる前日、
深酒をして階段踏み外して転倒したとのことだった。救急病院へいっても酔っ払いという事でほとんど検査もしてくれずに、傷の処置だけして帰されたらしい。翌朝には布団で返事が無くなってたとのことだ。頭の出血だったらしい。今なら訴訟ものの事件になるようなエピソードだが、昔はそれじゃぁしょうがないね、という雰囲気だった。



トシおじさん、最後の日までお酒飲めたんだから幸せだったじゃん。



そう、思い込むように自分を追いやり寂しさを誤魔化した。




前夜の親戚トークで目が腫れぼったくなってたのをよく覚えている。翌日も、朝からゴタゴタして葬式の重苦しい雰囲気の中、葬儀も終わり、ひと段落している時に、NHKマイルカップの発走時刻が近づいて来た。



かぁちゃん
「あんた、何さっきから時計チラチラ気にしてるの?」


僕「いや、べつに。ちょっとテレビでも見るか」


ソッコーNHKにチャンネルを合わせる。



ミュージシャンのいとこが、いきなり
「おさむ、昨日競馬やってたんやろー。そんなに気になるなんて。おかしいと思ったわ。」


まさに図星。

「いや、まぁ」照れ笑い。

NHKマイルカップは、NHK杯の頃から完全中継してくれていたので、全国どこでもNHKならこのレースを見られることは知っていた。

テレビでは
解説が、競馬の神様、大川慶次郎さん。(スゲェな)
パドックを一頭一頭診断してくれていた。
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バカによく見える馬としてツクバシンフォニーを挙げてくれていた
ので、胸が小躍りしていたのを必死で隠して平静を装った。

よもやかぁちゃんに「あんた、競馬しにきてるのと違うわよ!」と怒られるのが目に見えてたから。うちのかぁちゃん。怒ると怖ぇえんだよなー笑。




さぁ、いよいよ発走時刻。
僕のファ、フィ、フォ馬、たのむぞ!

僕の軸馬ツクバシンフォニー、好位につけた、ゴール前、差し来~い(心の叫び)



ゴール前
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キターーーーーー!



♪───O(≧∇≦)O────♪

(2着やけど)


思わず声が出た。
親戚が一斉にテレビと僕を見る。
なんだ競馬か、という目がほとんどだったが、かぁちゃんといとこは、
お前、昨日馬券買ってやろ 的なことを言われたのは今でも覚えている。



僕はしどろもどろになりながら、
「いや、これはトシおじさんが取らせてくれた馬券やから。トシおじさんからのお小遣いだから。」

みんなは
そうか、そうゆう考え方もあるなぁ
などと妙に関心してくれた。

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藤田伸二騎手のファビラスラフィンは、直線で伸びそうな位置から伸びずに馬群に飲まれていった。人気を吸って飛んでくれたからこそ、この組み合わせで2950円もついたのは美味しい馬券だった。


馬単もワイドもない時代の第1回マイルカップ。



馬連を3000円持っていたので、8万いくらになった。家計のピンチを救ってくれたツクバシンフォニーに感謝。



このレースとツクバシンフォニーのことを思い出すたびにトシおじさんのことを思い出す


トシおじさんが取らせてくれた馬券。



いいお小遣いになりました。

最後に、直接言うことができなかったけれど、

おじさん、ありがとう


葬式の日、雨は上がって良馬場になっていた。

トシおじさんは、酔った顔で、「おさむちゃん~、来てくれてありがとうな」
天国で多分こう言ってくれている


はず。笑

不謹慎極まりない話でしたが、競馬好きの僕の人生にはこんな記憶に残るレースもあった、ということを皆さんにお話ししたかった、それだけです。


終わり。


さしてオチはなかった話ですが、どうしても残しておきたかった、おじさんの思い出です。

いまだに、タイキ、ツクバ、フォーチュン、シンフォニーとかの馬名に反応してしまう自分が愛おしい。笑

21年前のヨタ話ですた。お粗末。
^_^