3月中にこのエッセイを書き上げます。
号外とか予定外の作業したので少し遅れます。すいませーん
それでは、第3弾。
雪だるまのイナバウアー
笑
もとい、
「トシおじさんと、
ツクバシンフォニー」
始まり始まりー。(ちょっとフィクション入ってます。)
自分には、トシおじさんという気のいい叔父がいた。
トシおじさんは、僕のことを可愛がってくれてた。親戚の集まりで、いつも
「おーい、オサム(仮)、ちょっと来い」
って呼びつけてすぐに酒を注ぐ。
「オサムちゃん、お前はいいヤツだ。」
なぜだか分からないが、酔っ払うとすぐに僕を横に座らせたがった。そして、酒を飲む。
おじさんは、無類の酒好きだった。他の親戚はおじさんが飲むとやかましくなるので、煙たがっていた。
叔母ちゃんなんかは、お酒に付き合ってあげて?って笑うだけで、止めようとはしなかった。自分が相手しないでいいから、手頃な生け贄が来たくらいにしか思っていなかったのだろう。
実は、トシおじさんの家は、府中競馬場のすぐ近くで、昔3億円事件があった現場から歩いていける距離だった。府中刑務所のカベが印象に残っている。
そこが競走馬の聖地なんて全く知らない無垢な幼少時期だった。
しばらく会っていなかったトシおじさん、自分が大学が決まった時に、えらく喜んでくれて酒飲め~酒飲め~ってはしゃいでくれた。
その後僕はおじさんとは会わなくなった。大学生となった僕は、親戚の集まりにも行かずに競馬にのめり込んで行った。競馬の始まりは淀競馬場で武豊から買った馬券が当たってから。こんなにキレイな動物がすごい迫力で、ドドドドドドドドってターフを駆け抜ける。しかも、金を賭けかけてたらレースでの応援がアツイ。
そんな僕が当時、気になっていた馬の名前がツクバシンフォニーだ。シンフォニーって言うのが気に入っていた。交響曲なんて、いい響きだ。
しかも強い。弥生賞で、その年の皐月賞馬イシノサンデーに先着している。
1995/10/22 3歳新馬 3番人気 2着
1995/11/18 3歳未勝利 1番人気 1着
1995/12/24 ホープフルS(オープン)
3番人気 2着
1996/01/27 セントポーリア賞(500万下)
1番人気1着
1996/03/03 報知杯弥生賞(G2)
3番人気 2着
このレース
1着 ダンスインザダーク 2番人気
2着 ツクバシンフォニー 3番人気
3着 イシノサンデー 1番人気
そして、1996年の5月12日 第1回NHKマイルカップへの臨戦を決めていた。第1回ということは、それまでは?東京優駿のトライアル競走として施行されていたNHK杯が前身でG1昇格初っぱなが第1回NHKマイルカップだ。そりゃ、もうマスコミが煽って煽って煽りまくったのを覚えている。
開催週の新聞をよんで、買うならこの馬やろうなーと思っていた。馬名もキレイだし。
当時、就職して間もない頃だ。金もなく、まだ新婚の頃だ(恥ずかしいな)。仕事で遅くまでサービス残業させられてた僕の私生活はそりゃぁひどいものだった。朝早く、夜遅い。唯一の自己満足は週末の競馬を楽しむことだった。
そんな開催前の金曜日早朝に、一本の電話が。
プルルルル、
プルルルル。
かぁちゃんからだった。
母親の声。
「なぁ、大変なことがおこったのよ。
トシおじさんが亡くなったわよ」
僕
「えーーーーっ!そんなぁ
元気だったじゃん、病気なんて、、」
母
「いや、どうもお酒らしいのよ、、」
あの元気に酒飲んでたトシおじさんが、死んだ。可愛がってもらってた恩もある。
僕
「オレ、通夜、葬式行くよ。」
母
「じゃあ土曜日の夜にお通夜ね
そして日曜日がお葬式。あんた、可愛がってもらってたんだから来なきゃダメよ」
頭が混乱した。えーっと今日、職場に言って明日の仕事キャンセルして朝から飛行機だな。えーっと礼服礼服。黒ネクタイと。、、、
ハッ
まさかして⁉︎明日の競馬、府中の開催じゃね?
まさかして⁉︎ NHKマイルカップ、馬券買えるんじゃね?
注)まさかして:まさか?+もしかして?の韻を踏んだ大穴くんオリジナル造語 笑
今思うと、不謹慎だねー。すごい不謹慎。人として、どうかと思うぞ!大穴くん。
(大人の僕からのツッコミは、置いといて。)と、まぁ東京行きが決まった。
もちろん、夕方の通夜まで時間はあるな。
( ̄▽ ̄)
こんな時は早起きできるよねー。
やっぱし?( ^ω^ )
朝イチの羽田行きに乗って、行く先はモチロン 府中。
えっ?
通夜に向かってるんですけど何か?
( ̄ー ̄)
じゃ。なんで競馬ブック持ってんの?
たまたま、通夜まで時間が余ったからちょっと府中競馬場に寄ってみただけだよ。
そんだけのこと。。
誰しも、競馬好きなら一度くらいはこんな不謹慎な経験ありませんか?
えっない?
マジで?
マジかーー。
少しへこんだ。 _| ̄|○
リアルに葬式の時とかに暇すぎてレース結果とかスマホで見たことない??(まだ言うか?笑)
ともあれ、第1回NHKマイルカップの前日の府中競馬場に降り立った大穴くんであった。
「トシおじさんのことは、悲しい。それは、通夜で泣こう。」
府中の空は、曇天で小雨もパラついていた。「これは、トシおじさんの弔いの競馬だ。涙の雨だ」
「まずは、香典を稼ぐ!」
と、感傷的になりながらも超現実的に飛行機代往復、香典が家計にビッグなダメージを与えるのを見す見す許さないのが大穴くんの性だった。
詳しくは覚えてないのだが、5レースくらいやって、3レースくらい当たったと思う。おじさんが勝たせてくれたんだと今も信じてる。土曜日にプラス18000円くらい買ったのは記憶している。
メインとか終わってから、小雨の中、通夜の会場へと徒歩で向かった。
前編終わり。
後編につづく。
いかがでしたか?
続き読みたくなっていただけましたか?
それは、次回のお楽しみに~
^_^