Tosca, Metlicovitz, and Hohenstein | Je Veux Vivre

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フランスの大女優サラ・ベルナールのために書き下ろされた戯曲『La Tosca』のポスターを手掛けたのがアール・ヌーヴォーの旗手アルフォンス・ミュシャであったのに対し、オペラ化されたジャコモ・プッチーニによる『トスカ』が1900年にローマのコンスタンツィ劇場において初演された際にポスターを手掛けたのはレオポルド・メトリコヴィッツ(Leopoldo Metlicovitz)とアドルフ・ホーエンシュタイン (Adolf Hohenstein)だ。共にイタリアを代表するポスター・デザイナーとして知られている。

 

こちらはメトリコヴィッツの手による『トスカ』初演のポスター。アール・ヌーヴォー様式で、サラ・ベルナールをモデルとしたミュシャのLa Toscaのポスターと同じく聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会にカヴァラドッシを訪ねるシーンのトスカ姿を描いている。

 

 

 


同じくローマ初演のホーエンシュタインによるポスターは、第二幕でトスカが宿敵である警視総監スカルピアを殺めた直後、トスカがスカルピアの胸に十字架を置くドラマチックなシーンを描いたものだ。

 

 

こちらはマクヴィカー演出の『トスカ』、トスカ(ヨンチェヴァ)がスカルピアの亡骸の脇に蝋燭を置くシーン。

 

 

 

 

 

劇場で観劇する際に買い求めるパンフレットはこれらのポスターが表紙になったり挿絵として挿入されたりすることもよくあるので、鑑賞後に歌手の方たちからその上にオートグラフを頂戴することもあり、大切に保管している。

 

アール・ヌーヴォー様式やベル・エポックの時代のアートを好む私にとってこれらの表装を眺めているだけでもとても幸せな気分になり、歌手の方々から頂いたオートグラフ入りのパンフレットを手元にアリアやデュエットを聴いていると『トスカ』への思いが募り、すぐさま劇場に足を運びたい衝動に駆られてくる。