助産師あこ【旅する産婆】寄り添ったり喝入れたり -18ページ目
ある壮絶なお産のお世話のお話を...
ってずっとこんな感じですが
いつも寄っていただき
嬉しいです。
遂に10まで来ちゃってるぅ(苦笑)
普通は、赤ちゃんの頭は
下にあります。
反対だと骨盤位といって
一般的に逆子って言います。
逆子だと今では予定をたてて
帝王切開になりますが
わたしはまだ骨盤位分娩を
行なっていた最後の頃に
助産師になったので
骨盤位分娩の介助もしてました。
骨盤位分娩はドクターの
特殊な技術を持ってお産となるので
今ではその技術を教えたり
見せて盗ませたりできるドクターも
減っているでしょう。皆無かも...
骨盤位の最大のリスクは
臍の緒が先に出てくる事。
臍の緒が先に出てきちゃうと
赤ちゃんの心拍が止まりかけますので
もうお産云々の騒ぎじゃなく
即帝王切開で赤ちゃんを
それこそ「可及的速やかに出す」
事が最大のポイントになるんです。
稀に臍の緒を戻せる事もあります。
そうできればいいんですが
陣痛があるとなかなか難しい。
今では骨盤位は陣痛にならないうちに
オペですので、そう言うリスクも
ほぼないでしょう。
ただ臍帯が先にって
これが頭が下であっても
あり得るんです。
その稀なケースに当たってしまった...
わたしの受け持ちだったGさんは
順調に陣痛が来ていました。
しかし子宮の入り口が
6cmから進みません。
しかもこのGさんNICUのナースで
お父さんは整形外科医でした。
分娩の流れはわからないにしても
専門用語やスタッフの動きなどで
ある程度の事は理解されていました。
相手がドクターだと
こっちのドクターもやりづらい面とか
あったようで、なーんか歯切れの悪い
いいかっこしぃにも取れる
態度や説明に
心底アホらしって思ってましたけど
あ、爆弾発言しちゃった(爆笑)
だって赤ちゃんに何も関係ないし!
Gさんはわたしのお世話が
とても安心だと信頼してくださり
赤ちゃんの誕生を一緒に迎えてほしい
わたしの勤務帯でお産になりますように
ってずっと微笑みながら
話してくれました。
わたしが付いている間
主治医は診察もしづらそうに
遠慮とはちょっと違って
Gさんの信頼がわたしにある
ヤキモチ?嫉妬?
今思えばそんなところのせいで
わたしがその日のリーダーに状況を
報告に行っているものの5分の間に
別のスタッフを連れて診察してました。
この時、物っっっっ凄い
嫌な予感がしたのを覚えています。
わたしは診察に行くのかと
横目で黙認できたので
すぐGさんのところへ走ったんですが
すでに診察していました。
多分、いや絶対主治医は
自分が勤務帯の時に無事に
お産になる様にという意図があったと思います。
なので、人工破膜と言って
お産を進めるために破水を起こす
それをやったんだろうと思います。
わたしがベッドに着くや否や
ドクターが
「全員集合!!!すぐオペだーーー!!!」
「小児科も呼べー!!!」
「器械出せーーー!!!」
と怒号のように叫ぶんです。
わたしは受け持ちだったので
破水してなかったのに
破水していること
主治医が馬乗り気味で
もう診察の手を動かせない事を
見て、急げ!!!
と頭フル回転。
フルも振り切ってた。
やっぱ脳ってすごいと
思い出しても思う...
Gさんのそばを離れず声をかけ続け
状況を説明し続け
腰を抜かしている診察についたスタッフに
しっかりして!
走れ!!
叫べ!!
人を呼んでこい!!
と叱咤し
ナースコールを押し
分娩室でオペです!!!
手の空いてる人分娩室へ
師長へ報告もお願い!
そんな色んな人の叫び声で
耳が変になる程の中、
静脈麻酔をし
オペしました。
どっばーーーっと
ドクターが外来ストップしてダッシュで
やってきて、診察した主治医は
医局長に「臍帯脱出です、すんません
すんません、助けてください」って
小声で言ってて
小児科の先生にも「すんません、
助けてください」って言ってた。
赤ちゃん出すまで診察の手は
動かせないので、主治医がものすごく
邪魔なんだけど、仕方ないので
消毒をぶちまけ、
赤ちゃんの蘇生の準備と確認を
他スタッフに指示しつつ
Gさんのモニター装着を指示し
手の余っているスタッフに
書類と記録時系列でと言い
オペ後の準備をお願いし
わたしは器械出してくれてるスタッフから
器械をオペしてるドクターにわたしつつ
大声でGさんに声をかけて...
全てがスローモーションの様に
記憶に残ってます(驚)。
そしてあれが同時になぜできたか
は、よくわからなーい
神のみぞ知るセカイに近いと思う。
とにかく口も動いたなぁ(苦笑)
メスが入った時の
Gさんの叫び声、耳に残ってます。
タオルを口に入れましたが
麻酔が浅いので痛いはず。
こっちが泣きそうになりました。
だんだん麻酔が効いて
Gさんが眠った頃
2分後くらいかなぁ
赤ちゃん生まれました。
ぐったりしてました。
でも、とーーーーいところででも良い
おめでとうという声を
届けたくて
赤ちゃん生まれたよ
おめでとう
頑張ったーーおめでとう!
って叫びつつ
小児科の先生の蘇生を見守りました。
心拍が止まっていたので
心臓マッサージをし
すぐ蘇生できたのですが
アプガースコア1分後1点
5分後6点
10分後8点
アプガースコアとは
生まれた時の赤ちゃんの
状態をスコア化したものです。
10点満点で評価します。
8-10点は問題ないという指標。
3分後には泣き
一気に戻ってきてくれた赤ちゃん
だけど、脳へのダメージも心配
ってのが正直心配なところでした。
お父さんと赤ちゃんは小児科へ。
Gさんのオペが終わって
静脈麻酔から覚めた頃
彼女はわたしにこう言ってくれた。
「すごい大変だったし
色んな人がいっぱいいて
声かけてくれたんだけど
あなたの声しか聞こえなかった。
あなたがわたしの担当でいてくれて
本当に良かった。
聞こえてないはずなのに
おめでとう〜って聞こえたのぉ
安心した〜」と。
届いてた...
よかったぁと心底思いました。
だけど、もう、申し訳ない思いで
張り裂けそうでした。
そんな有難い言葉を頂く資格なんかない
と猛烈に申し訳ない思いでした。
後に訴訟を起こしてもいいケース
という話も上がりましたが
お父さんと主治医は同じ大学という事と
赤ちゃんが奇跡的にダメージ無しで
普通に3日後には
Gさんのお部屋に戻って
すくすく
ぷくぷく育った事などから
普通に退院できました。
その後一ヶ月検診や
訪問もしました。
赤ちゃんはすっかり大きくなり
太鼓判の健康優良児。
本当に良かった...
お産に医療者のエゴが絡むと
本当に何一ついいことがない
という事と
赤ちゃんは
それすらも受け入れて
こちら側の経験を
見守って命かけて教えて下さる
そんな尊き存在である
という事。
また改めて感謝です。
今日は一つはものすごいリスキーだったそんなお話。
緊急に帝王切開となる場合は
促進剤を使っていると
予断を許さない事も
回避できない事が多々ありました。
夜中でも促進剤の余韻で
陣痛が過度に生じたり
やはりお薬なので
どう効いて
どう反応するかは
本当に個人差がありました。
ある日勤、微量だったにもかかわらず
陣痛が過度に生じ
過強といい
最悪は子宮破裂です。
赤ちゃんが急にしんどくなって
慌てまくっての帝王切開。
赤ちゃんはしんどいだけではなく
お母さんももちろん気が狂うほどだし
もう気が狂うを通り越し
気絶混じりなこともありました。
赤ちゃんは無事に産まれた後
お母さんの子宮からの出血がなかなか
止まりません。
陣痛が過度に生じると子宮筋も
疲弊します。
自然に戻るはずがなかなか戻れません。
子宮復古と言いますが
正常に子宮復古していかない。
ようやく減ってきて
病室に戻った後、しばらくして
また出血し始めて
輸血しないと危ないほどまでの
出血になり、点滴の針のあたりが
もう内出血気味...
この状態は
出血性ショックを起こしかねないので
またすぐオペ室管理にし
血管確保をどこからでもいから
しなければなりませんでした。
そんな状態なのに
ドクター達は搬送先ではなく
輸血だけを手配し
一応搬送もあるかという
のんびりしてた、
裏話というか...
こんな状態にしてから
搬送するのも恥っちゃ恥ですし
このままここで医療を続け
利益になるなら
という思惑もあった(怒)
私たちは血管確保
酸素吸入
書類作成
わたしは血管確保が比較的
上手い方だったので、
探してましたが
新米ドクターが下手なのに
そんなリスキーな患者さんの
血管を潰しまくってる、
邪魔!なレベルよ〜
で、腕を探してたドクターを尻目に
わたしは足背から血管確保し
もう1本は上腕から。
そしてその上腕の血管を
輸血用にし
ドクターからの指示で
ポンピングしろ!!!
と言われて
輸血をポタポタ点滴している場合では
なかったという事態。
患者さんは意識はありました。
ので、もう叫びました。
つべこべ言うな
モタモタすんな
今送らないと
お母さんになれない!!!
そして
主治医がわたしに
偉そうなことを言うなと
怒りましたが
院長が、そうですね
送りましょう、
命をすくいましょう
当たり前すぎて
顎外れるわっ
とサクサクと搬送になりまして
搬送先でより高度な医療を受け
無事だった、
という事もありました。
お産は究極の外科と言われたりもするぅ(冷汗)
新人の頃最後の砦だった大学病院で
瀕死のお母さんを受けて来たので
その時のことも踏まえ
この状況でモタモタっぷりに
人の命を
なんだと思っとんじゃボケー(激怒)
が爆発しました。
髪の毛逆立ってたろうなぁ(苦笑)
また別の話。
ある夜勤中
日勤で促進が有効ではなかったけど
余韻が残っていて、ずっと痛がって
でも黙って寡黙に耐えてたお母さんの
痛がり方が
なんとなーく気になって
様子を見守りつつも
なーんか気になって。
進んでなさそうだけど
一度診せてもらうねって
指1本の内診をしました。
3cm弱(指2本分開いてないくらい)
なんだけど、あれれ?
これ、頭じゃない!?
ボコボコしてる...指一本だから
自信ないけどでも
頭じゃぁぁぁぁぁ
なーーーーい!!!(心の中大慌て)
赤ちゃんの指。
頭の上に置いちゃった??
頭掻いてた??
破水してないから
進んできたら戻してくれるかもしれない、
けど、そのまま破水したら
もう手からは出てこられないから
...おぅ...(冷汗)
当直医に報告するのも
3cmだしまだ加速してはないし
陣痛治るかもしれないし...
そもそももう今戻ってるかもしれないし...
でも報告はしないといけない事態。
当直医もそんな経験僕はないし
そうはなかなかないから
あり得ないと思うけど
お前が言うんだから
超音波診てみるかって
診てくれて
はい、
左手頭に乗っけてて
しかも赤ちゃんの向きが逆向いて
さらにはどうやら臍の緒も
首に巻いてるし
手が戻る事の方が厳しいだろう
って事で
夜中に帝王切開となりました。
無事だったので何より。
翌日別のドクターに
器械でちょっと刺激してあげたら
びっくりして戻ったんじゃないの?
って嫌味も言われたんですが
いや、それ引っ込めないで
逆に出てきちゃったら
それこそ赤ちゃんにリスクですよ!!
って言い返したの、引かないわたし(苦笑)
その後日その嫌味を言ったドクターが
わたしのお休みの日
お産の診察で似たような
シチュエーションになって
わたしに言ったように
刺激したら
「出てきちゃった、もう慌てたよ」
すぐカイザー(帝王切開)したよ、
あはははは
と、苦笑いしながら
話してくれました。
あはははは、じゃねーぞ(怒)
オイオイ...でしょ。
今日はこの辺で。
今日も寄っていただきありがとうございます。
さて、続きですが、
一睡の仮眠なく
36時間も脳みそと身体フル回転で
お医者さんじゃあないんだからさぁ
みたいな忙しさでぇ...
ハゲなかったけど
気持ちはハゲそうだった...
日勤で促進剤をやめた6人のうち
3人は進んできていて
着々と順調に産まれました〜(喜)
お産後2時間は安静にというのが
大前提なので、そこまでお世話をして
確か真夜中だった、夕飯食べたいなぁ
お腹空いたなぁと思いながら
記録物を済ませて
もう帰れる〜と思った時
電話があって入院してる方が
3人来てるよ、NSTこんなだから、
帰る前に顔見てったら?
と申し送られ、...
え?ささ3にん??(驚)
ですよ、っっとに。
わたしの感覚では
NSTの所見と
前にもNSTとかさらっと書いたけど
これは赤ちゃんの心拍とお腹の張りを
モニタリングして
その波形を診断に利用します。
カルテをチェックした時点で
あーーーこの赤ちゃん生まれる...
帰れないなぁ
でした(苦笑)
そしてどうですか〜?
と診ておこうかなぁと思いながら
訪室した時には
もう加速してまして
お尻圧あるなぁ
診察して...
はーいお産になりまーす、って感じで。
ほかの2名も
診ておかないと、この方のお産中に
何か指示しなきゃだったらいけないしと
NSTを見て診察用手袋を持って
訪室し、内診して...
はい
絶句(爆笑)
この3人はうまれるねっ
みんな目が点になってた(笑)
って周りに報告して
先生にも報告して
入院時には先生が診察してくれてますから
その後の状況も兼ねて報告もすることも
もちろんありますが、
はぁ???はぁーお前ぇぇぇ(笑)と
ため息混じり
罵り混じりのお返事頂戴しました(笑)
最初に進んできていた方がお産になった頃
夜勤スタッフから
「もーーー勘弁、もう3人来てるよ」
と.....
な、なぬっ!!!でした(驚)
助産師は胎盤さんも計測するんですよねっ。
その胎盤さんにお礼も言えず
計測している余裕がなく
助手さんに
ビニール袋に入れて
名前書いて貼っておいてもらって(苦笑)
後からゆっくり計測しましたが
確か日付が変わってお産になった方の
胎盤さん、5個並んでました(冷汗)
翌日の日勤帯で記録物を終えた
その時間が正午だったなぁ
とぉーーー〜ぉい目になっちゃった(爆笑)
若かったからできた、間違いない!
日勤から夜勤明けまで丸っと24時間
で12人生まれましてですね...
お産後2時間待って
次が生まれるローテーション
ならまだしも...(汗)
でした。
汗まみれ
デロデロで
きっと臭かっただろうな(苦笑)
まぁ
とにかく夜勤メンバーに
勘弁しろーーーとぼやかれ
当直医には
お前ぇ内診の指から促進剤出すんじゃねー
と言われてみたり(苦笑)
みんな無事に産まれて
何よりな勤務でした、
チャンチャン...笑うしかない
チーム力のなせる技、
本当にみんなで半泣き
半笑いでやりきった夜勤でした。
この頃気づいていたんです
ものすごい事に。
もっともーーっと後に
気がついた時がそうだと思ってたけど
いやいや、待って
もうとっくのとっくに気がついてたんやん
って、思い出せて感動、わたしなりに、
わたし自身に、たった今、はい。
今では畳でのお産もあるし
いろんな研究も進んでるし
助産師学生でも
もう知ってるとか
見ててわかるとかあるかもだけど
当時はそんな事を口に出すなんて
まぁあり得なかったってとこもあるから
今思い出すと
より大事にしないといけないところ
もっとあると思っています。
陣痛って赤ちゃんのタイミングで
赤ちゃんが起こすものなんだけど
計画分娩はもちろんそこんとこ
丸っと無視だし
事情があって促進したり
誘発したりはあっても
予定日過ぎたから
とかの理由でのこっち側の都合を
押し付けてのお産と
自然に陣痛が来て
赤ちゃんの起こした陣痛や破水で
進んできたお産とでは
赤ちゃんの頭が出てきてね
わたしがご対面、はじめまして
宜しくお願いしますねって
みんなにご挨拶するんだけど
その時の
表情が、
ぜんっっっっっぜん
違うって事に...
促進剤を使って
お母さんや家族が望む日に生まれて来た
赤ちゃんの生まれた瞬間の顔は
怒ってたり
疲れてたり
信じて待って欲しかった〜
って思って悲しそうだったり。
そのあともずっと泣いて
怒ってる感じ。
訴えてる感じ。
赤ちゃんだって怒るんだって。
悲しいんだ、
辛いんだ、って。
自然な陣痛で赤ちゃんのタイミングで
産まれてくる赤ちゃんは
微笑みながら産まれてくる子も居るほど
穏やか。産声あげても
そのあとも穏やか。
満足なんだ、
嬉しいんだ
楽しかったんだ、って。
これに気がついて
あ、促進剤使ってお産選ぶお産のお世話は
わたしには向かないと
ハッとしました。
促進剤の是非を議論したいわけじゃ
決してないです。
まぁ、俄然反対ですけど(苦笑)。
ただ、わたしの心が
赤ちゃんと一緒に悲鳴を挙げた。
もっと話そうよ
もっと信じて〜って
って感じかな。
それでも頑張って産まれてきた
赤ちゃんに
よく頑張ったね〜
よく来たね〜
おめでとう〜
ありがとう〜って言いながら
綺麗にしてました。
次は9に行こかな

