思い草へ               -3ページ目

思い草へ              

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初春の野

淡い光の薄衣を纏って 

遥かを想う

冬花の匂い立つ

 

青々と細い葉脈

思いつめた水の透度に

流れる時さえも

立ち止まらせて

 

一輪の敬虔が野を伝いゆく

そこに在る命のすべてが

耳を澄まし

大きく沈黙する

 

そして 響き渡る

新しい生への希求

その瞬間

冬枯れの野は春を胚胎する

 

 

 


PHOTO 山本てつや

 

 

冬らしさが廻りつつあるこの頃、あなたはいかがお過ごしでしょうか。
今日13日の東京は初雪との予報で。雪偏愛者の私は密かに胸ときめかせております。

そんな中、駅へとつづく道に立つ白木蓮が固い蕾を育んでいるのを見ました。
「もう春が備えられている…。」

そう呟いた自分の心声に深く頷いた昨日でした。

2024年1月13日 スノウ

 

蒼褪めた月あかりが凍った空を貫いて
あなたを祈っている 

白い行間に貼りついた哀しみが夜の底を漂って
あなたを祈っている

 

夜明けまで祈りましょう

静けさの奥にある声を求めて

眠れぬ夜を幾つも越えて祈りましょう
幼な子を生んだ人の心で 

 

 

 

    PHOTO  山本てつや

 

 

 

2024年がはじまりました。
4日から仕事はじめの方も多かったかと思われます。
あなたはいかがお過ごしでしょうか。


本来であれば新年を祝うご挨拶の時ではございますが
年明けの華やいだ心持ちは能登半島地震の発生時に凍りついたまま。
更に羽田における被災地派遣の海上保安庁航空機の事故が重なり…。
愛する方を突然に失った方々を想います。

2024年のブログは祈りからはじめる事となりました。

あらゆる困難に耐えていらっしゃる方々の必要のために
皆さまと心合わせて、日々お祈りしてゆけたらと願っております。

現在5日へと
日付のかわる頃から

小低気圧が能登半島付近を通過するとの予報が出ています。
地震被災地の石川県能登地方を中心に雨脚が強まりそうです。
土砂災害が懸念され、停電の続く中で暖がとり難い生活環境。
北寄りの風も強まるため、雨に濡れると低体温症のリスクがあります。
更に3連休は強い寒気が流れ込んで雪となり、沿岸部でも積雪が予想されている状況下です。

すべての為政者の方々の迅速な対応が求められます。
国や行政にしかできない救済が一刻も早く被災者に届きますように。
私たちに出来る事を落ち着いて考えましょう。
SNSなどの偽情報を拡散してしまわぬよう慎重になれますように。
現地に思いを馳せ祈ることで一番良い方法が見えてくるはずです。

ご一緒にお祈りする事からはじめましょう。
長い道のりに友は不可欠です。

2024年1月5日 スノウ

バラ ご案内いたします  バラ

 

恒例となりました…年末年始にはこの記事を!

今年もまた、あなたにお読みいただきたく投稿いたします。

2016年掲載「星の王子さま」についての連続記事をまとめたものです。

「震災後5年」等の記述他、当時のままの数字であることをご容赦くださいませ。

少々長い記事になりますので、お時間がある時にどうぞ。

あなたの密かな愛の学びになれば幸いです。(笑)

 

 

12月31日がめぐりきました。
この2023年をあなたはどう生きたでしょうか。
報道やSNSを通して多くの戦禍を目撃した私たちでした。

終息を見ないままのウクライナとロシアの紛争。
昨年には想像もしなかったパレスチナとイスラエルの軍事衝突勃発など。
将来の歴史の教科書には激動の2023年と語られるはずです。

 

多くの命が失われた一年。

それでも多くの命が生まれ
多くの人々が互いの命を愛しんだことでしょう。

ああ、すべての命が耀きますように!
あなたの今が、

あなたの明日が、

あなたの新しい年が、

祝福に満ちたすばらしいものでありますように☆


2023年12月31日 一年の感謝をこめて*スノウ

 

 

《 薔薇のある庭からⅠ 》 

 

薔薇のある庭
家の中から 窓越しに見る その一輪と 
庭の外から 柵越しに見る その一輪とは
どこか違うものだろうか・・・。

HIDE氏撮影の薔薇の写真を見ながら、そんな他愛のないことを何となしに思っては頬づえつく午後。薔薇といえば…私にとっては『星の王子さま』、小さな王子さまとは17歳で出会いました。何度も何度も読み返してきた愛する友人です。

気難しい一輪の薔薇との恋に終止符を打って、本物の友人を探す旅に出た小さな星の王子さま。この人こそと思える人物とはなかなか出会えないけれど、星々を旅する過程でさまざまな人や動物やモノと知り合い、少しずつ大切なことが分かってゆく少年の心の物語です。
(…と、私は思っています。)

このブログを始めたばかりの頃、何を書いたら良いのか皆目わからず、『星の王子さまの哲学』と題したたどたどしい短文をシリーズで書きました。そこに書いたのはこんな文章です。

《 星の王子さまの哲学 2 》
あなたの そのバラの花が 
たったひとつの存在であることを
数十万もの美しいバラがそこに咲き
芳ばしい香りを放っていても
あなたのそのバラの花が
あなたにとって この世にたったひとつの
特別な存在であることを
痛むまで知ること

星の王子さまが語りかける愛の本質を今また深く思います。唯一無二の人として誰かを想うとき、その胸は喜びとともに必ず痛みを経験するものです。 私の胸だって、この世にたったひとつの特別な存在を想うときにはチクリと痛みます。この短文を書いた震災の年から、5年の月日が過ぎようとしています。一輪の薔薇の唯一性を痛むまで知ることが愛であるならば、突然の喪失は、その愛を絶頂のまま結晶化したでしょう。
一番いとしい姿のまま結晶した多くの一輪の薔薇たちを思います。

                                   Ⅱにつづく



                                                  PHOTO  HIDE

 

 

 

《 薔薇のある庭 Ⅱ 》

 



『 星の王子さま 』は・・・
著者のサン・テグジュぺりが親友のレオン・ウェルトに捧げた物語です。故国フランスがナチスドイツに侵され亡命者となった著者が、故郷でナチスの脅威に晒されているユダヤ人の親友レオンへ宛てた物語であることから政治色濃く解釈する向きも多いです。

たとえばサン・テグジュぺリの書いたバオバブの木の挿絵は小さな星を3本のバオバブの木根が突き刺し、手の施しようがなくなっています。この3本をヒットラー政権とムッソリーニ政権と東条政権の三本柱の暗喩と解釈する方もいます。

一番目の星: 体面を保つことしか考えない王=イングランド
二番目の星: 称賛しか耳に入らない自惚れ男=ドイツ
三番目の星: 酒に溺れる恥を忘れるために飲む男=フランス国民
四番目の星: 数勘定に明け暮れる実業家=アメリカ人
五番目の星: 一分毎にガス灯の点火と消火をする点灯夫=スペイン人
六番目の星: 机から離れた事がない地理学者=スイス人
・・・・・・・などなど。

混乱の時代の世界描写として読む訳です。

この解釈で読むのも、それはそれで面白いのですが、私はこの物語のもうひとつの核をより愛しています。唯一無二の絆を探し求める物語としての…。

一輪の薔薇との恋に失望した小さな王子さまは、理解し合える『誰か』を求めて星々を旅をしますが、なかなかこの人と思える『誰か』には出会えません。でも最後にたどり着いた地球で、賢く情深いキツネと出会い、愛への奥義を教えられながら温かな関係を築いてゆきます。私は、この箇所が大好きです。(内藤訳ですと、20章辺りからです。)

私が王子さまだったなら、このままキツネの傍で暮らしたいと願ったでしょう。キツネは孤独な王子さまをかけがえのない一人として、夢みるような眼差しで愛しました…。でも王子さまはキツネとも別れてゆきます。王子さまの唯一無二の『誰か』は、愛の本質を具現しているキツネでもなかったのでしょうか。キツネから受けた教えによって、却ってそれが誰であるのかを王子さまははっきり知ることになったのだと思います。

それは他でもない、あの薔薇。 王子さまの星に咲き、王子さまが想いを注ぎ それによって傷つき、王子さまが星に残してきた一輪の薔薇でした。そして、金色の髪をした小さな王子さまはご自分の星に帰ってゆきます・・・。今度こそ、本当に愛するために。

それにしても、この物語の全編に渡って漂う孤独感を思います。本当の孤独を知っている者だけが唯一無二の人を得ると、私に教えてくださった方がいます。私はその言葉を思うたびに、星に帰った小さな王子さまに頬笑みます。あなたはもう、かけがえのない一人に出会いましたか?
                                        
                                    Ⅲにつづく

 

 

 

《 薔薇の見える庭からⅢ 》
 

 

 

さて、今回は星の王子さまが愛した一輪の薔薇について・・・。

小さな王子さまがご自分の小さな星を旅立った理由は一輪の薔薇との関係にありました。 
その薔薇は自惚れの強いコケティッシュな美人で、棘があり、強がりで自意識過剰な寂しがり屋でした。 発芽に気づいた時からずっと花との出逢いを待ちわびていた王子さまは、開花した薔薇に一目で心を奪われます。

 

王子さまはプライド高い薔薇からの注文に懸命に応えますが、すっかり振りまわされ疲れ果ててしまいます。 そして、一緒に生きていける自信を失くした王子さまは、薔薇に別れを告げ、もう帰らないつもりでご自分の星を後にしたのでした。このふたりの別れの場面では、強がりな薔薇のいじらしさが見え隠れしてホロリとさせられます。少し抜粋いたしますね。 

「さよなら」と王子さまは花にいいました。
しかし、花はなんともいいません。
「さよなら」と、王子さまはくりかえしました。
「あたくし、ばかでした」と、花は、やっと王子さまにいいました。
「あたくし、あなたがすきなんです。 
あなたがそれを、ちっとも知らなかったのは、あたくしがわるかったんです。 
でも、そんなこと、どうでもいいことですわ。
あたくしもそうでしたけれど、あなたもやっぱり、おばかさんだったのよ。
おしあわせでね・・・」  (中略)
「そう、ぐずぐずなさるなんて、じれったいわ。
もうよそへいくことにおきめになったんだから、いっておしまいなさい、さっさと」 
花がそういったのは、泣いている顔を王子さまに見せたくなかったからでした。
(内藤訳P.46~7)

いかがでしょう。
大抵の女性が身に覚えのあるような薔薇の心理ではないでしょうか?
私など、読むたびにすっかり感情移入して涙ぐんでしまいます。(笑)
最近、ここの箇所について思いをめぐらしておりました。
『あたくしもそうでしたけれど、あなたもやっぱり、おばかさんだったのよ。』 
どのように二人はおばかさんだったのかと。

薔薇がいろいろな注文をして王子さまを困らせたのは、きっと王子さまの愛を試していたのでしょう。 王子さまに愛されているのかどうか…薔薇にはわからなかったのです。そして王子さまが自信を失い、薔薇と別れ、星を離れていったのも、薔薇の気持ちがわからなかったからです。

わからない…わからないに決まっています。わかるはずがありません・・・わかるはずのないものですもの。それでも「分からなさにとどまる力」とでもいう何かが次への扉だったのだと、そう薔薇は語っているのでしょうか。おばかさんだった二人は分からなさにとどまる力が足りなかったと。

或る方の声が蘇ります。
国際舞台芸術ミーティング in 横浜での特別鼎談。姜尚中氏、平田オリザ氏・岡田利規氏の語り合いの中で平田オリザ氏から発せられた静かでありながら熱い以下のような言葉です。
『 世界とは分からないものです。その、分からなさの存在を明確にしてゆくのが芸術の役割だと思っています。芸術とは分かったつもりになってしまった人間に分からなさを取り戻させるためのものです。』

もし薔薇と王子さまが 「分からなさにとどまる力」を持っていたなら、二人は分からないままに惹かれ合いながら、ずっと一緒にいられたのでしょうか。
そんなことを想う・・・今宵です。
                                     

 


                                                 PHOTO HIDE

 

時の花は咲き散り 咲き
いつしか ここで風にふかれている

たどり着いたここは
たおやかな諦めの気配漂う凪海で
最後に見たあなたの横顔に似ている

 


風は思いのままに吹き

人はその音を聞くが

それがどこから来てどこへ行くのかを知らない

古い書物の言葉が耳を掠めて過ぎゆく

気づかぬふりで 私は海を見ている

 


 

PHOTO  HIDE氏
(スノウ近影  横浜ハンマーヘッドにて )

 

 

 生まれた日に

 さて、12月28日を迎えるための儀式を始めましょう(笑)
例年通り、キーボードを打ちながらのカウントダウン。

ここ最近の思うところを語ります。お付き合いいただけますか?

 

詩人 滝本さんから恵贈いただいた詩集の表題である【エンプティチェア】という語。
エンプティチェア(空の椅子)とは心理学のゲシュタルト療法というセラピーで行われるテクニックで、椅子に座った自分の向かいに一脚の空の椅子を置き、そこに自分が話したい相手(自分自身でも良し)がいると想定して対話するものです。

この表題、詩を書く行為自体をエンプティチェアと呼んだものと読みました。

そんな観点になるほどと頷いておりましたところ…

以前、読者の方々から度々おなじ質問をいただいた事が思い浮かびました。

スノウの書く『あなた』や『青』とは誰のことなのか?

私も空の椅子に『あなた』や『青』を想定して書いてきたと云うことなのでしょう。


そして。

読み手の方々は『あなた』や『青』になって空の椅子に座ってくださったり、
『私』になって『あなた』や『青』に向き合ってくださったり…。
ここで展開されてきた美しい透明な椅子の物語に気付きます。
ああ、そうだったのだと。

そのようにして私は癒されてきたのだと。

感謝です☆
 

 

さあ、12月28日が来ます。

投稿の時間が近づきました。
私の日々をここで見つめてくださったあなたに心からの感謝を捧げます。

アクセス記事の中にあなたの存在を想いつつ、
遠く離れていても、逢えなくても、見守られていると信じてゆこうと思います。

今年も私の誕生日の願いは同じです。

またこれからの一年をご一緒に生きてゆきましょう!
それぞれの「それからの物語」を見つめ合い、祝福し合って。


2023.12.28 スノウより 感謝を込めて

 

 

 

☆おまけデスw

 

毎年、誕生日直前のお約束

HIDE氏が私を撮影する儀式もございまして(笑)
今年は横浜ハンマーヘッドでの撮影となりました。

 

PHOTO  HIDE氏

 


この儀式

今や継続十数年となり
いつ亡くなっても遺影には困りません(笑)

そんな友情に感謝しつつ…

またも公開のガハハ笑顔w

      42年前のHIDE氏との2ショットです(笑)
 

 

PHOTO EMIKO

 

お目汚し失礼いたしました♡

 

 

 

 

 

眠りはじめた夜の静寂にひとり

目を瞑り 愛するひとを想えば 

澄ました耳に聴こえそうな  

冬の星座の瞬く音  

 

 

凍った月が照らす この街にも 

きっと今  哀しみに耐えているひと 

喪失の痛み  背負った荷の重さ 

生きる意味の不在に耐えているひと

 

 

MERRY CHRISTMAS TO YOU 

小さき祈りの点在が聖夜の空に青く瞬く 
どこかで誰かが祈っている 

あなたのために そして私のために 

 

 

 

                   PHOTO  KAGAYA 

          *今年も聖夜の一枚はKAGAYAさんのこの写真を選びました。
           まだ知らない世界の奥にある、幻のような美しさを信じて。

 

 

クリスマスツリー流れ星 愛する皆さまへ

 

クリスマスおめでとうございます☆
2023年の聖夜が更けてゆきます。

 

世界のすべての方々にクリスマスの光が届きますように。

あなたが生きて、そこに居てくださることの素晴らしさを想います。
あなたゆえに誰かが感謝し、あなたゆえに誰かが祈っています*

 

そして、私も祈ります。

今宵いちばん辛い人に

いちばん恵み深いクリスマスがありますように☆

 

2023年12月25日 スノウ

 

 

凍った路面に青い星屑は瞬き 
ベッドを抜け出してきた あの子の夢が 
トウシューズの爪先で くるみ割り人形を踊る
今宵 聖夜の月は満ちて暗き世を照らし 
広げられた主の御翼のもとで囁くように謳うだろう


遠く渇いた空の下

失ったものを抱いて眠る心たち
あなたを慰められる言葉を人間は知らない 
あなたの祈りは悲嘆の涙に濡れて
4本目のロウソクの炎を揺らして天に昇り 
あなたの愛しい人の胸に届くだろう


愛する人よ 哀しみの人よ
安寧無き生を それぞれの翼でゆく空に
互いの孤独を慈しみ合う恵みありて
あなたに生る青い実を 私に生る赤い実を

互いの命の糧として 愛しく哀しく啄ばみ合おう

 



PHOTO  HIDE

 

 

 

🎄 いよいよクリスマスイヴですね☆彡

今年のイヴは日曜日とあって、お休みの方も多いことでしょう。

あなたはいかがお過ごしでしょうか。


クリスマスシーズンになると…

私は皆さまのブログをゆっくり巡る時間を持ちます。
あなたがどのように暮らしておられるのか
どんな祈りを必要としておられるのか
知りたいと思うからです。

今年のクリスマスを幸せいっぱいで迎えるアナタは良しとして(笑)
そうではない方のためにこそ
クリスマスがある事を私は知っているからです。

今年も私は魂を込めて祈ります。
いちばん哀しい人に
いちばん温かな本物のクリスマスが来ますように…。


2023年12月24日 スノウ

 

 

🎄今年も教会のクリスマス礼拝がライブ配信されます。
 ⇩宜しければご覧くださいませ。


★カトリック イグナチオ教会 今夜12月24日 夜19時より配信

 

★カトリック 関口教会 今夜12月24日19時より配信


★日本キリスト教団 東中野教会 今夜12月24日 17時より配信

 

★日本基督教団 神戸聖愛教会 今夜12月24日19時より配信

 

 

遥かな光を祈って  雪が舞う夜 
風のなか 行き先を探している迷い子たちは 
遠くで鳴く白猫の寒さを知っている 

 


青い闇に垂れこめる雲を縫うようにして

あなたから注がれる まなざしは 

隠している わたくしの憐れさを知っている 

 

 

星々は囁く 愛しなさいと 

月は詠う   時を待ちなさいと 

あなたは沈黙したまま わたくしのすべて包む

 

 

 

 

 

PHOTO  HIDE

 

 

🎄🎄🎄

 

 

 

アドベント第3週を迎えましたね☆
北国からは記録的な大雪の知らせが届きました。
東京も12月らしく冷たい夜です。
窓外から伝わる 眠った町のしんと凍った気配に包まれて
私はこの一年を振り返っております。

あなたはどんな時間を過ごしておられるでしょう。

 

さて。
ガラリと話題は変わりますが(笑)
12月15日と16日は地元で世田谷ボロ市が開催されました。

安土桃山時代(1578年)から続くこのイベント。
東京都の無形民俗文化財にも指定されていて例年たくさんの人で賑わいます。

コロナ禍によって3年間中止となりましたが、昨年から再開。


多種多様な骨董品(食器や着物やアクセサリーや古書など)や
植木市や日本茶の実演販売や神棚や…それに世界中の屋台の食べ物も。
名物はつきたて「代官餅」で屋台前は大行列となります。

 

私にとっては愛する地元の大イベントで。
息子の母校の中学PTAにはボロ市で讃岐うどん販売する伝統がありw
今年も若いお母さま達が売り声も可愛らしくハッピ姿でお店番(*^-^*)

年に4日のみの開催で、次回は2024年1月15日と16日です。

宜しければお出かけくださいませ。

 

↓こんな感じです!


(写真はネットからお借りいたしました)

 

2023年12月19日 スノウ

 

 

 

祝福あれ

空港片隅の喫煙所で
ひとつの火を分け合う 

言葉の通じぬ男たちの笑顔に

 

 

祝福あれ

皺刻まれた頬と頬を合わせ
互いの命の今を確かめ合う

年老いた二人の最期のくちづけに

 

 

祝福あれ
あらゆる苦悩を越えて

生きる それでも生きる 

あなたの真っすぐな背中に

 

 

 

思い草へ                                 今ここから思うこと

PHOTO HIDE

 

 

🎄🎄🎄

 

 

12月10日 アドベント第2週を迎えました。

カレンダーを眺めれば今年も残り20日余り。

歴史的には激動の2023年として記憶されるであろう今を
私たちは生きています。
そんな今をあなたはいかがお過ごしでしょうか。

 

今宵の私はというと…

詩人に教えられた美しい祈りの言葉を胸に眠ろうと思います。

『無数のひとびとの《今》と願いが、
 どうかひとつの平安のもとで集結してくれますように
 たったひとつの地球のために』

 

 

2023年12月10日 スノウ
 

 

  

新宿17時  

いっせいに点灯されるイルミネーション

金色の光で飾られた街が

アドベントの訪れを華やかに告げて

恋人たちはそっと距離を縮める


 

無数の星を模した瞬き
幾すじもの流れ星が人々に降り注いで

スマホの大群がとどめようとする《今》と
すれ違った少女がくちずさんでいた 

EARTH SONG


 

いろんなものが混在する世界で

誰もが小さな幸せを探している

かけがえのない命たちが

北風に襟を立てて家路をいそぐ

 

 

 

PHOTO  HIDE

 

 

 

2023年12月3日アドベント第一週をむかえました。
いくつもの紛争がある中での待降節。

クリスマスを待つ想いは心に愛を取り戻す時間だと信じています。
どうか世界中の為政者がすべての命への愛を取り戻しますように…。

さて、クリスマスと云えば贈り物。
大切な方々の笑顔を思いつつ、贈り物を選ぶ幸せ。

…とは云え、やはり贈られるのは格別なうれしさです♡

忘れもしない2021年のアドベント!

18年ぶりに重版された現代詩文庫「吉原幸子詩集」「続 吉原幸子詩集」 

吉原さんのご子息である純さんからご恵送いただき、私のクリスマスは燦然と耀きました(笑)

そして…一昨日!
今年も詩集の贈り物が届きました!
滝本政博さんが第一詩集【 エンプティチェア 】をご恵贈くださったのです。
アメブロで初めて作品を拝読し完全ノックアウトされて以来の長いお付き合い。
今年は多くの賞を受賞なさり、投稿者としてではなく雑誌に作品が載るようになりました。
64歳にして、まさに詩人として開花の時を迎えられておられます。

読み始めて2日目、まだ軽々に感想など言いたくない心境にございますが…。

 

Ⅰ部は恋愛詩群でしょうか。
滝本さんの恋愛詩は自己陶酔の甘ったるさが欠片もなく、深いです。
愛の儚い残像と性、切な想いと痛み…回想。
苦い青春の残滓を抱く男の生が美しいです。


Ⅱ部は「生きる」詩群と呼べます。
戦争・労働・病・家族・友・慰め・回復…etc.
生の様々な物語が匂うかのように描かれてゆきます。
特に希死願望を持つアルコール中毒患者M.Sに語りかける組詩は圧巻です。
題名であるゲシュタルト療法のエンプティチェアがそこにも在るのでしょうか。

 

以上が2日間で得た私の個人的な読後感です。
ご興味を持ってくださった方は↓こちらをご覧くださいませ。

 

 

 

 


蜜色に耀く 冬の斜日浴びて 
金の翅に化身した銀杏の葉が 
羽ばたきの時満ちるのを夢みる頃 

救い主の右手を求めて 
小さな祈りの言葉を重ねながら 
想いはあなたを求めて 冬空を舞う

 

 


PHOTO  HIDE 

 

 

 

イチョウイチョウイチョウ

 

 

12月をむかえた初めの日を
あなたはいかがお過ごしでしょうか


TVから流れてくる声が

神宮の銀杏並木の黄葉を知らせています

ライトアップされるなどして
人々で賑わっているとのこと

 

あの並木は伐採を免れ保存されるそうですが

再開発で建築される新神宮球場は
なんと、並木との間隔がたったの8m…
樹木への影響が懸念されます

 

永遠は無いとの理は認めつつも

開発という名の破壊は苦しいものです

そんな苦しさもそのうちに忘れてしまう…
私たちはキラキラの新品があまりにも好きだから

 

頬杖つく 12月1日のスノウです。

 

 

イチョウイチョウイチョウ

 

 

 

★追記

ご近所に1000坪はあると思われる邸宅がありました。
それはそれは豊かな林の中にその家はひっそりと佇んでおりました。
大人ふたりで手を繋いでも抱えきれないような大樹が幾本も天を仰ぎ
びっしりと連立する竹林の根はしっかりと世田谷の大地を掴み
春には染井吉野の大樹の列が駅への道を桜色に染めました。

この夏の或る日、近隣の者は邸宅の門に張り紙がされている事に気付きました。
持ち主が亡くなり、この土地に工事が入ること。
天に召された方は出来得る限り樹々を残すよう遺言されたこと。
開発の手は入るが、遺言を尊重し、樹々は他所に移植するよう努めること。

近隣に住む者たちはこの地を愛し守ってきた持ち主の想いを知りました。

私たちはいつかこのような日が来るであろうことは知っていたのです。
変化を止められないことにも気づいていたのです。

ですから、その張り紙は地域を愛する者たちを安堵させてくれました。

 

それからすぐに工事がはじまり、少しづつ樹々が伐採されてゆきました。

まずは竹林が消え、小ぶりな木々が姿を消しました。

それから次々に大樹が伐採され、広大な土地に断裁された幹が積み上げられました。

朝、駅へと向かう道で見た風景が帰りにはもう無いのでした。

その林には沢山の鳥たちや小動物が生息していました。
彼等は生活の場を完全に失い、どこかへと去ってゆきました。
私の歴代ピーちゃんたちもここの大樹のムロに住み、子育てをしました。
或る秋の日、最後の最後に残された特別に大きな染井吉野にしがみついて
一羽のヒヨドリが悲鳴のような声で必死に鳴き続けているのを見ました。
もう私の窓にヒヨドリのピーちゃんはやってきません。

私たちは相続した方々の苦悩を理解します。
莫大な税金を捻出する必要、そのためにも土地はお金を生まなければならない。
遺言の通りになど出来るはずもないのです。

 

今日12月1日、私が帰り道に見たのは土地全体が工事壁に覆われた姿でした。
そして…とうとう最後の染井吉野が伐採され、大きな切り株だけが根を張っておりました。
その切断面はまだ活き活きと水分を含んで、確かに確かに生きておりました。

2023年12月1日  スノウ