湯あがりの襟足に
サンダルウッドの香粉
白いパフ滑らせ
袖をとおした 着おろしの浴衣
秘色に百合の大輪咲いて
代官屋敷の白壁に映る
逃げた蛍の仄かな光
ふわりと飛んで
この胸に瞬き
PHOTO 山本てつや
次々と梅雨明けの知らせが届きます。
あなたの場所はいかがでしょうか。
東京も梅雨明け間近との予報のようですが
今夜もまた、しっとりとした雨が降り出しました。
少し涼やかな気分をと蛍祭りの記事を取り出しました。
過去記事に少し手を入れての掲載です。
山本くんの撮った金魚が気持ち良さそうです。
私の住む地域は世田谷ボロ市で有名な地ですが、
毎年7月半ばには代官屋敷の蛍まつりと
道向かいの神社で同時開催のさぎ草市で賑わいます。
コロナ禍の影響でここ2年連続で中止となり…
こういう小さな楽しみが失われる寂しさを思いますね。
なぜ「さぎ草市」かと申しますと世田谷区の花はさぎ草なのです。
さぎ草は3cmくらいの白い花を咲かせる蘭科の多年生草木で、
その花は白鷺の飛ぶ姿に似て、たいへん繊細で美しいものです。
では、さぎ草が世田谷区の花とされた由来をお話しましょう。
《さぎ草伝説 》
今から400年以上も昔、世田谷城主 吉良頼康には常盤という美しい側室がいた。
常盤姫は頼康の愛を一身に集めていたが、
それを妬んだ側妾たちが作り話によって頼康に告げ口をした。
度重なる告げ口から頼康もそれを本気にしてしまい、常盤姫に冷たくあたるようになった。
愛情を疑われ、悲しみにくれた姫は死を決意し、
幼い頃からかわいがってい た白鷺の足に遺書を結びつけ、自分の育った奥沢城へ向けて放す。
白鷺は奥沢城の近くで狩をしていた頼康の目にとまり、矢で射落とされる。
白鷺の足に結んであった遺書を読み、常盤姫の無実を知った頼康は急ぎ世田谷城に帰るが、
すでに時遅く、姫は息をひきとっていた。
その時、白鷺の血のあとから一本の草が生え、鷺に似た白い可憐な花を咲かせた。
その花は、いつしか「さぎ草」と呼ばれるようになった。
・・・という、哀しいお話。
(3年前の投稿時には吉良頼康への非難ごうごうでしたネ~笑)
知ってか知らずか、毎年多くの都民がこのお祭りに集まっておりました。
来年にはまた、浴衣姿の人々で代官屋敷前に蛍見の行列ができるでしょうか。
ずっと続いてきた日々がいつか戻って来ますように*
★追記
こんばんは☆
蒸し暑い東京です(笑)
ジョッキにクラッシュアイスをぎっしり投入し、
クラフトビールを注いでゴクゴクしました!
おつまみは熟れた湯剥きトマトの出汁浸しを
みょうがとセロリとシソで夏の薬味まみれにして。
それから珍しく手に入った「亀の手」という名の
亀の手ではない甲殻類の一種。
塩茹でして、たいへん美味しいです。
それからマグロとホタテのお刺身。
トビウオの素揚げはおろしポン酢で。
おろしに檸檬をひと絞り&ピールのみじん切りを散らして
苦味と色をアクセントに加えます。
焼きトウモロコシも用意しましたよ。
夏の夜のテーブルに喜びを探して💙
さて、ご質問をいただきました。
《 詩中にある「秘色(ひそく)」とはどのような色? 》
それは焼き物の青磁の肌の色のような浅い緑色を意味します。
青磁は釉薬に含まれる鉄分が導き出す独特の灰味を帯びた青緑を持っています。
その神秘的な美しさから「秘色」との名がついたとのことです。
今年は浴衣で外出が憚られる緊急宣言の夏です。
家でのお風呂上りに浴衣とビールなどいかがでしょう?
ワクワクするようなおつまみをサッと用意して。
今夜もあなたに心地よい夜がありますように☆彡
2021年7月15日 スノウ