最愛フードとごめんねフード、&映画で見たあのフード・濃い味編(はちみつバード七夕企画) | シネマの万華鏡

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最愛フード

ブロ友の夏色インコさんのサイト『はちみつバード』で今年も七夕感謝企画を開催中!今回は「愛されフード」がお題です。

企画への参加方法は簡単、食べ物にまつわる記事を書いて、ハッシュタグに「#愛されフード」を入れるだけ。それだけでインコさんはじめ参加している方々が訪問してくださって、食べ物についてのおしゃべりができるという、素敵な企画です。

インコさんは時々ご紹介しているhaienaさんの映画製作ユニットJ&H filmsで撮影や編集を担当されているアクティブ・マダム。とっても素敵でいい方なので安心してご参加くださいね。

詳細は下のリンク先をご参照ください♪

 

 

そんなわけで今日は食べ物のお話です。

最近思うのは、映画の好みと食べ物の好みってもしかしたらつながってるかも・・・ということ。というのも、アクの強い映画が好きな私(わかるでしょ?)は、食べ物もアクの強いものが好きだから(笑) 

ネバネバ系は勿論、好き嫌い分かれる香味野菜とか珍味系、もれなく大好物なんですよ~。

ネバネバ系の最愛フードは納豆ね(非納豆文化圏の方、ごめんなさい) もう納豆なしに私の人生は語れないほど。ごはんに納豆は言うまでもなく、ミートソースに納豆、カレーに納豆、インスタントラーメンにも納豆入れちゃう!(チリトマトヌードルに納豆、個人的にはかなりイケてると思ってます・笑)

 

苦手な人が多いパクチーもだーい好き。フォーや炒め物などエスニック料理に使って、余ったら人参や柑橘系果物と一緒にジュースにしちゃいます。

 

ジュースと言えば、夏の最愛フードはこれ!なゴーヤですね。

 

 

沖縄県産 ゴーヤー2kg

 

ゴーヤって豚肉の脂とすごく相性がいいからゴーヤチャンプルーなど炒め料理が定番ですが、生で食べるにはジュース一択。

ゴーヤは中のワタを取って一度凍らせるのがポイント。その後、バナナとグレープフルーツなど柑橘系の果物・少量の水と一緒にミキサーにかけます。一旦凍らせると舌ざわりが滑らかになる上、ゴーヤの苦みが消えて、びっくりするくらいまろやかになるんです。ぜひお試しを。

以前は故岸朝子さんのゴーヤジュースのレシピで作ってたんですが、お酢を入れる作り方で、飲むのがそれはそれは苦行だったのね(笑) で、いろいろ試行錯誤した結果、今の作り方に到達しました。どちらが健康的かはともかく、おいしいのが一番かと。

今年はベランダでゴーヤ栽培に初挑戦。と言っても全然かまってあげてないせいか、3本小さいのがなったきり、すっかり打ち止めになってます(汗) 

ちゃんと肥料をあげなきゃですね。

 

ごめんねフード

さて、ゴーヤが好きな私が「どうやら私はコレが嫌いだったらしい」と最近自覚したのが、きゅうり。ゴーヤが好きできゅうりが嫌いって、今初めて気づいたけど、なんて分かりやすいの∼滝汗

私にとってお寿司のかっぱ巻きは、招かざるお寿司の従者たち。刺身で言えばツマ、サラダのパセリ。「サビ抜き」はあるのに「かっぱ抜き」はないから、呼んでないのにかっぱがぞろぞろついてくるんだな。

「え~? かっぱ巻きがおいしいんじゃない!」

と言われますが、どうしてもかっぱ巻きをお寿司本体とは認められない私がいます。納豆巻きはマグロを超えるくらい本命中の本命なんですけどね(笑)

 

そんなきゅうり嫌いの私が憧れを持ってる唯一のきゅうり料理が、きゅうりのサンドイッチ!

と言っても、母が運動会の時にいつも作ってくれていたきゅうりと卵のサンドイッチではなく、イギリス人がアフタヌーンティーでいただくというアレです。

 

https://www.honeywhatscooking.com/tea-party-sandwiches/

 

 

初めてきゅうりのサンドイッチなる存在を知ったのは、中学生くらいの時に読んだアガサ・クリスティの小説。あの時のカルチャーショックは忘れられません。そうね、言葉にしてみれば、

きゅうりのサンドイッチなんかお弁当に入ってても全然嬉しくない・・・

そんな感覚だったかもしれません。

でも、それだけに何故かきゅうりのサンドイッチのナゾの優美さに囚われてしまったんですよね。

そこらのスーパーで数百円も出せば揃う具材で作れてしまうものだけれど、いやいや、アフタヌーンティーのきゅうりのサンドイッチはお母さんの卵ときゅうりのサンドイッチから卵を抜いただけのものとは絶対違うはずだと。

パンは山崎のパンじゃないし、きゅうりだってイギリスのそれはもっと高貴な香りがするにちがいない・・・そんなキューカンバー・サンドイッチ幻想が私の中に生まれたんです。

 

今だに自分で作ったことはないし、たとえ家にきゅうりとパンとバターしかなくても絶対作らないと思いますが(笑)、銀色の優雅なアフタヌーンティー・スタンドにのっかった薄切りきゅうりのサンドイッチは、イギリスの伝統の輝きに燦然と照らされた別格の食べ物として私の中で幻想を掻き立て続けています。

(本当は「アフタヌーンティーにおけるかっぱ巻き」かもしれませんけれどね)

 

検索してみたら、きゅうりのサンドイッチ、映画では007シリーズの『ムーンレイカー』に出てくるそうです。他の映画にも出てきたと思うけれど、う~ん、思い出せない。ごめんなさい。

 

ムーンレイカー [Blu-ray]

 

映画で見たあのフード・濃い味編

やっと映画に話が行きついたところで、映画で見て忘れられなくなった食べ物をひとつ。

濃い味・濃い映画好きの私のことなので、勿論濃ゆ~い映画から。

 

 

ジャジャーン!! ミロス・フォアマンの『アマデウス』!

ご存知、モーツァルトって実はめっちゃ濃くてイカレた人だったんですっていう、あの映画です。ま、天才ですから多少イカレてるのは当たり前、驚くには値しないんですが、この映画のモーツァルトは予想のはるかナナメ上を行くはっちゃけっぷり。オナラまで音楽にしてしまうわ、自堕落だわ女ったらしだわの俗物。

モーツァルトの妻・コンスタンツェは世界三大悪妻に数えられる悪名高い女性ですが、はぁ~要は割れ鍋にとじ蓋夫婦だったのね、とこの映画を観ると納得してしまいます。

 

さて、この映画で最も記憶に焼き付いた食べ物と言えば、皆さんきっとあれを思い浮かべられるんじゃないでしょうか? むしろあれ以外にはないと断言できるくらいに、強烈な印象を残したあのお菓子・・・

そう、あれ! ヴィーナスの乳首です。

 

 

くだんのお菓子が登場するのは、モーツァルトともども派手好きなせいで金に困ったコンスタンツェが、モーツァルトのライバル・サリエリの元に夫の就職の斡旋を頼みに行く場面。こともあろうに、モーツァルトの才能に脅威を感じ、彼を追い落とそうとやっきになっているサリエリに・・・しかも、モーツァルトの未発表の楽譜を無断で持ち出してサリエリに見せてしまうんですよね。アホなコンスタンツェ。でも彼女は金のためなら何でもやるし、それでいて完全無自覚、イノセント。全く始末に負えないんです。

色仕掛けで頼み込もうという魂胆が見え見えのめかしこんだコンスタンツェを見て、サリエリはほくそえむ・・・というその場面で、サリエリがコンスタンツェの前に差し出すのが、このヴィーナスの乳首なんです。

甘いベビーフェイスに娼婦みたいな勝負ドレスを着こんだコンスタンツェと、意味深なこんもりシェイプの上にぽっちり干しブドウがのっかった菓子の卑猥なイメージが見事に重なって、なんとも濃い口なムードが画面いっぱいに広がります。

 

 

ヴィーナスの乳首って、実際にオーストリアの伝統菓子なんですってね。

まるで見ている側もコンスタンツェと一緒にヴィーナスのなんちゃらを頬張ったかのような甘くどい後味がまとわりついてくる一場面。秀逸かつ濃い味な演出という意味ではピカイチだと思います。

 

 

 

上にリンクしたNHKのレシピによると、このお菓子、ホワイトチョコのコーティングの中身はマロングラッセが入ったガナッシュクリームだとか。

うわ~超甘そう!! でも一度食べてみたい。

ちなみに数年前ウィーンに行った時にモーツァルトの博物館にも立ち寄りましたが、そこの説明ではコンスタンツェ悪妻説はガゼだとあって、ちょっと拍子抜けでした。空港にもモーツァルトとコンゥタンツェを仲睦まじげに並べたパッケージのチョコレート菓子がわんさか売られていましたね。

ヴィーナスの乳首は見かけませんでしたが、いつかもう一度ウィーンに行く機会があったら探してみたいもんです。