ニューヨーク旅行カルチャーショック記①食の巻 | シネマの万華鏡

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映画記事は基本的にネタバレしていますので閲覧の際はご注意ください。

語学の勉強を兼ねて2週間ほどニューヨークに行ってまして、久しぶりの更新になりました。

ただでさえ国連総会開催中の上に中心街で爆破事件があったりしたせいか、街は警察官だらけでしたね。

アメリカの警察官は日本の警察官と違って躊躇なく発砲するので、側を通る時はちょっとドキドキでした。

 

国連ビルの側に部屋を借りている日本の留学生は、国連総会開催中は米国での住所が分かる身分証明書がないと自分の住んでいるビルに入れてもらえない(!)ので身分証明書を作ると言っていました。

空港での出入国検査も日本では考えられない厳しさ。

まず入国時には顔写真と指紋をとられるし、出国時にもホールドアップ姿勢で全身スキャンされ、その後検査員に命令口調で怒られながらボディチェックされます。

その際靴も脱がされるのですが、日本の空港ならサンダルを貸してくれるのに、JFK空港ではノーケア!!検査員たちが土足で歩くところを靴なしで歩かされるという。

靴も脱がされ情けないポーズ取らされた上、まるで容疑者か何かみたいに命令されて、なんだか刑務所にでも入るような惨めな気持ちになりました。

 

こんな厳重警戒体制の一方で、結構甘い部分も。

今回の爆破事件でも爆発物はゴミ箱から見つかってるんですが、ニューヨークにはゴミ箱がやたらと充実してるんですよねえ。

ただでさえテロの標的にされてる街なんだから、ゴミ箱は撤去した方がいいと思うんですが・・・

東京では地下鉄サリン事件以降しばらくゴミ箱というゴミ箱は街から姿を消したし、今でも昔ほどにはありません。不便だけど、街に危険な死角を作るよりはマシです。

でも、ニューヨークの場合、多種多様な人が集まってくる、共通の常識やモラルなんてない街だけに、ゴミ箱がなくなると街中ゴミだらけになっちゃうのかもしれませんけどね。

 

前置きが長くなってしまいました。

ニューヨークで観た映画のことを書こうと思ったんですが、久しぶりなのでうまく書けず・・・とりあえずウォーミングアップということで、食にまつわるお話からにしたいと思います。

 

◆ニューヨーク名物FOOD CART(フード・カート)◆

 

ニューヨークの街を歩いていて一番最初に目を引いたのが、フード・カートと呼ばれる屋台のファーストフード店。

 

(夕方6時過ぎのブライアント・パーク前のフード・カート。夕食代わり?おやつ?)

(朝のタイムズスクエア付近。フード・カートで食べ物を買っていく人は多い。)

 

フード・カートは多分、ニューヨーク名物と言ってもいいんじゃないでしょうか。

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を観た方なら、フード・トラックというものをイメージできると思いますが、ニューヨークの街角という街角で見かけるフード・カートは、歩道の隅で営業できるようなコンパクトサイズ

自動車ではなくまさに昔ながらの屋台のイメージです。

販売しているのはドーナツにベーグル、クロワッサン、ホットドッグ、プレッチェル、ジャイロ、クレープなど多種多様かつ多国籍なファースト・フード。

朝からたくさんの人がお気に入りのフード・カートで食べ物を買っていきます。

私が見た範囲では同じマークの店を見かけることはなかったので、大きなチェーンがあったりするわけではなく、車と営業権を借りて(あるいは買って)個人で商売している人が多いんじゃないかと思います。

ニューヨークのタクシー・ドライバーにはインド人が多いんですが(「レッド・プール」で俺ちゃんを乗せたタクシーも、思い切りインド人のタクシー・ドライバーでしたよね)、フード・カートの店主も何故かインドや中東系の人が多い感じ。

その理由にも興味があったのでニューヨーカーに聞いてみたんですが、彼も知らないようでした。

ニューヨークではフード・カードやフード・トラックなどストリート・ベンダー(路上(食品)販売者)の味比べコンテストも行われているようです。

グランプリを獲得したりするとまた人気が出るんでしょうね。

 

◆デリ(DELI)◆

 

「デリ」は、日本で言えばコンビニのような小さな店にブッフェ・スタイルで好きなものを好きなだけ取っていくテイクアウト惣菜コーナーがある感じのお店。

イート・イン・スペースがあるお店もありますが、安いのはテイクアウトのみの店。

 

(デリの店内。ゆうに20種類はある惣菜の中からパックに詰めたいだけ詰めて量り売りしてもらう。安いデリは男性客が多い。)

 

日本にはこういう店は稀で、去年行ったロンドンでも見かけなかったスタイルですが、ニューヨークではこのタイプの店がいたるところに。

これも、ニューヨーク名物と言えるスタイルの一つじゃないでしょうか。

 

味も良いけれどお値段もいいお店はたくさんあるようで、おいしいデリを紹介したサイトもあります。

でも、私が好きだったのはこういう↓外観の庶民的なお店。

 

(庶民的なデリの外観。このデリはアル・パチーノ主演の映画「クルージング」の舞台になったグリニッジビレッジにある店。)

 

店名に”DELI"という言葉が入っていて、店の表には切り花が並べられているのが目印。

中に入ると、飲み物やスナックなどを売っている中に惣菜コーナーがあり、ゆうに20種類はある中からパックに詰め放題。

惣菜の種類は中華風の炒め物からマカロニ料理やポトフ、フルーツまでさまざまで、何を詰めても重さだけで値段が決まります(1パックあたり定額の店もあるようです)。

こういうお店もアジア系や中東系の人が経営している店主のケースが多いんですよね。

上の写真のような感じのお店だと、ほぼ10ドル以内でお腹一杯の量を買えます。

これって物価の高いニューヨークではかなりリーズナブルなお値段なんですよ。

ただしこのテの店にはイートイン・スペースはないので、買ったらテーブルと椅子のある公園へ。

私はよくニューヨーク公立図書館の裏にあるブライアント・パークで食べてました。

 

(高層ビルの谷間にあるブライアント・パークはベンチやパラソルがたくさんあって、のんびりくつろげる最高の公園。右奥の平たい建物が図書館。)

 

ちなみにニューヨーク公立図書館は、「セックス・アンド・シティ」でキャリーが結婚式を挙げようとするけれど未遂に終わるあの場所です。実際に結婚式場として借りることもできるらしいですよ。

 

◆日本にも上陸した人気のファースト・フード店いろいろ◆

 

日本でも大人気で1時間待ちというハンバーガー店・SHAKE SHACK(シェイク・シャック)や、やはり日本に最近出店したらしいロブスター・サンドのお店LUKE'S LOBSTER(ルークスロブスター)にも行きました。

 

(シェイク・シャックのハンバーガー。※写真は公式サイトに掲載されているものです。)

(ルークスロブスターのロブスターサンド。右のセット(飲み物は別)で17ドル! ※写真は公式サイトに掲載されているものです。)

 

どちらもすごくおいしかった!! やっぱりアメリカはファーストフードですね。 

しかしあちらはファーストフードだって決して安くはありません。

ルークス・ロブスターのロブスター・サンドとコールスロー・ピクルスのセットに至ってはなんと17ドル!飲み物を付けると軽く20ドルは超えます。

アメリカ人は高給取りだから(みんなじゃないですけどね)ノープロブレムなんでしょうが、日本人の貧乏旅行者がしょっちゅう通えるような店じゃありません。

でも、とにかくロブスターた~っぷり! アメリカのいい思い出になりました。

シェイク・シャックも、たくさん店舗があるのに結構行列ができてましたね。

 

他のファースト・フード・チェーンでは、意外にダンキン・ドーナツの店舗が多いのが印象的でした。

スタバは東京やロンドンと同じくそこら中にあり、どこも混んでいます。

 

ファーストフード店でカルチャーショックだったのは、日本のファーストフード店ではテーブルまで持ってきてくれる時番号札を持たされるところ、アメリカでは名前を聞かれて名前で呼ばれること

これはアメリカ式のフレンドリー・サービス?

ただ、向こうのレジはファーストフード店に限らず凄く効率が悪くて結構イライラします。(ついでに言うと昔の共産圏の公務員か!と言いたくなるくらい客あしらいの悪い店員も多いです。)

少しでも効率を上げるために番号札方式にしたほうがいいんじゃないかと思うんですけどね。

 

◆唯一行った地元じゃちょっと有名な?レストラン◆

 

ニューヨークでちょっと贅沢な食事をする場合、ステーキというのが有力な選択肢のようです。

私の場合はアメリカンサイズのステーキはちょっと辛いのと、今回は黒人街のハーレムにステイすることになったのでどうせならハーレムのお店でということで、オバマ大統領がハーレムを視察した際に食事したということで有名らしいRED ROOSTER(レッド・ルースター)というレストランに行ってみました。

 

ハーレムって、行ってみるまではものすごく治安が悪いというイメージを持っていたんですが、実際は最近は治安もずいぶん改善されているようですね。

さすがに「ハーレムは安全だ」とは現地の人さえ思ってないとは言え、安全じゃないのはニューヨークのどこでも同じですから・・・

そんなわけで現在はハーレムにもスタバがあったりします。

 

(ハーレムのスタバ前はちょっとアフリカっぽい雰囲気。)

 

さて、こちらがレッド・ルースター。週末はジャズの生演奏もやってるようです。

(一番下はチキン・ロースト。無国籍料理風のアレンジが特徴。)

 

大統領が来たというだけでなく、ニューヨーク・タイムス推薦のレストランにも選ばれています。

オーナーシェフはエチオピア出身でフランスで修業したという人でメディア出演も多いとか・・・お店の雰囲気も良く、ここは本当にニューヨークか?と思うくらいフロアスタッフの応対も良かったですね。(お会計は間違ってたけど)

勿論、お料理もワインもおいしかった! 

有名店だけあって、お値段はまあ安くはなかったですが、トータル大満足でした。

お隣のテーブルの黒人さんグループの女性たちも、「このお店素敵ね」と言ってましたよ。

 

つい数日前には、ワシントンにアフリカ系アメリカ人歴史文化博物館がオープンしたことがニュースで大きく取り上げられていましたね。

黒人初の大統領出現の意義はやっぱり想像以上に大きかったのかなという気がします。

私自身が今回ハーレムに滞在していたせいもありますが、私のニューヨークの第一印象は、ここはアフリカ?と錯覚する瞬間があるくらいブラックが多いということ。

マンハッタンの地下鉄の125丁目より先は黒人の乗客が大半です。

大統領選に立候補しているトランプ氏が、あまりの黒人の支持率の低さに焦ったのか、急に「黒人のために働く」と言い出したそうですけれど、黒人はアメリカの無視できない一大勢力なんだということを肌で感じました。

 

(ちょうど滞在中にハーレムで行われていたアフリカン・アメリカン・デイのパレード。参加者が掲げているのは”STOP MURDER BY POLICE(警察官による殺人を止めろ)"と書かれた下に警官に射殺された犠牲者たちの写真を並べた横断幕。パレードの警戒に駆り出された警察官たちはシラッとした表情で目をそむけていた。)