「神戸ニニンガ日誌」(第3,337号)
○筒井康隆原作のモノクロ映画「敵」。大変にスリリングだ。元教授の渡辺儀助(長塚京三)は77歳。妻は先立ち、古民家に暮らす。
○貯金が尽きたら自分も終わりにしよう。遺言書も書いた。米を研ぎ、魚を焼き、珈琲を挽き、夜には酒。何事にも丹念でほぼ完璧な生活。
○元教え子の靖子を自宅に招く。バー「夜間飛行」に来る学生の歩美と逢う。亡き妻のことも忘れてはいない。そこに「敵」がやって来る。
○敵とは誰か。敵とは何か。敵はいつ来るのか。敵は本当に敵なのか。敵にとっては私が敵か。敵はもう来ているのではないか。そんなとき、亡くなったはずの妻が現れ「なぜパリに連れていってくれなかったのか」と言う。怖い。
○「男は外に七人の敵」と云う。そうだ、夢かウツツか幻か知らぬが亡き妻に慄いている場合ではない。
○人の眼はカラーに映る。なのでモノクロ映像は「不自然」だ。その映像を自然に見ている俺は不自然の塊だ。不自然×不自然=自然になる。この映画には、何の不思議も一切ない。
ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。