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まだ?いまだ!神戸ニニンガ日誌

何の役にも立たないが、特段面白い訳でもない。ましてや間違っても何かの為になど毛頭ならぬこと十全に請合う。勿論誰がどうみても上品であるはずもなく、履歴書に読者と書けば間違いなく不利となる。有閑男が白昼夢で口走る400字の戯言寝言放談放屁。それが神戸ニニンガ日誌

「神戸ニニンガ日誌」(第3,376号)

大阪市立科学館に行く。昔、電気科学館でプラネタリウムを見た。場所も建物も新しくなり35年以上経つ。

 

○「万博で夢見たサイエンス」展が目的だが、常設展も面白い。春休み中で子供が大勢いた。多くの隕石があり、幾つかは触る事ができる。これは貴重だ。各時代の先端数理によって作られたもの。例えば電卓はギアを回す式から巨大な電卓第一号などの現物もある。

 

○東京には「日本科学未来館」があるが、流石にあちらはシュっとしている。自慢ではないが、私は科学未来館の館長室で前館長の毛利衛さんと打ち合わせたことがある。自慢ではないが、私は毛利さんの家(筑波の積水ハウス)に3回行ったことがある(内2回は謝りに)。毛利さん本人がデリカのマニュアル車で駅までお迎えに来てくださった事もある。

 

○閑話休題、万博展には70年万博の目玉だった「月の石」がある。55年前は死ぬほど行列してチラと見えたものが、目の前にドカンと置いてあるが、子供達は見向きもせずにさぁーっと通り過ぎる。おいっ!學天則が泣いてるぞ。
 

ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。
 

「神戸ニニンガ日誌」(第3,375号)
 

○東京都現代美術館「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」。季節外れの吹雪の中、最寄駅から歩く。館内は暗く映像と音が流れる。本展のテーマは「時間」「ピアノ」「音の立体化」「水」「テクノロジー」等。

 

○『音を視る 時を聴く』は、1982年に上梓された坂本龍一と大森荘蔵との対談集タイトル。私は初版で購読した。

 

○昨春、東大・広報課のTさんに会った。私が『なぜ東大は男だらけなのか』の書評を見、「評者の野矢さんも気になります」とメールした。Tさんは野矢茂樹先生の授業を受けていた。

 

○Tさんが野矢教授を取材した記録を読ませていただいたら、そこに大森荘蔵の名が出てきた。で、私が『音を視る 時を聴く』を読んだと書いたらTさんは「なんと!『音を視る~』をご存じとは!」と返信があった。Tさんの卒論テーマは大森荘蔵だった。

 

○音楽は時間芸術とされるが、その知覚されたものはどのように存在するのか。美術館のインスタレーションでは答えは得られなかった。Tさん推薦の『流れとよどみ』(大森荘蔵)を読んでみよう。

ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。

「神戸ニニンガ日誌」(第3,374号)

○「町のご自慢さん」のコーナーです。どの町にも凄い人がいる。そんな凄い人に聞きます。月6千円の食費生活しているご自慢さんです。こんにちは。

 

○Nです。食費? 1日2百円でやってます。主食はロバの耳です。嘘です、パンの耳とオカラです。パン屋と豆腐屋からロハで貰う。ロハは只の専門用語や。

 

○パンの耳は万能や。パン粉にもなるしラスクにもなる。グラム70円のミンチにパン粉とオカラで旨いハンバーグになるで。他のおかずは、試食のおばちゃんと仲良くなって、タッパーに入れてもらう。最近では崩れ明太子とか、アメリカンビーフとか。

 

○野菜は主にモヤシ。1袋10円の時に買う。そしてベランダ菜園。ネギ三つ葉バジル小松菜レタストマト茄子ピーマン枝豆オクラ。子西瓜は酒粕に漬けて奈良漬にする。ロハで貰う大根の葉は肉の横にある牛脂で炒める。牛脂はリップにもなるで。

 

○スーパーのおばちゃんと仲良くなる方法? そりゃそれはもう何といっても色仕掛よ。ぐふ。こっから先はモザイク入れてや。何? あぁ、これラジオか。

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「神戸ニニンガ日誌」(第3,373号)
 

○「へい、お待ち」「流石に時価の寿司屋は一貫ずつだな。これはイカかな。おぉ!芳醇な食感だ。しかも柔らかい。これは何イカ?」「カマボコ」

 

○「珍しいな。次はマグロか。どう見てもマグロや。おぉ!この独特の噛み応え。これは何マグロ?」「赤コンニャク」「そんなんもあるんか。次は箸休めの白子のアテか。旨い!これはタラの?」「豆腐」

 

○「寿司屋には珍しいクリームコロッケか。熱い!けど旨い。このソースには時間かかってるね」「ハンペン。袋でぐちゃぐちゃにするので一瞬」「ハンペンか。旨かったらええねん」

 

○「次は玉子か。おわっ。これパリパリするで」「タクアンやで。誰が玉子や言うた」「いや、玉子に見える切り方やんか。まぁ、ええわ」


○「おっ、次はカニか。ほぼカニということはないやんな」「新鮮なほぼカニ」「オレはいつもカネテツ食べてるからな。おぉ!最後はアワビの握りが来た!ぱくっ。うわっ、何やこれ!」「消しゴムやで。へへ」「へへ、やないで!駄目だこりゃ」(効果音)

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「神戸ニニンガ日誌」(第3,372号)
 

○代官山の蔦屋で書籍『土木遺産さんぽ』の刊行記念イベント。著者は日大教授の阿部貴弘さん、対談者は「鉄道遺産」研究の小野田滋さん。拙著も理工図書から刊行させていただいた関係で参加した。

 

○この本は2012年開始のNHKカルチャー現地講座が基になっている。13年間で78コースを巡ったという。

 

○テーマを設けて歩く。町の履歴や暮らしの記憶を辿り、そこに観光資源や景観的要素も加え、町を「ひも解く」と仰る。

 

○これまでのまち歩きなどでは建築物がメインになることが多いが、土木遺産はそうしたものの土台にあるインフラ的要素を見る。地元の鉄道や橋、土地の歴史を辿ることでより興味が深まるという。阿部さんは「歩くと興味が増し、顔見知りが増える」という。

 

○小野田さんは「実物を見ること」が大事だという。そして最初は少し努力して勉強し、参加することで面白くなり、その結果徐々に深まっていく。そこまでいくと楽しめるという。

 

○普段見ている日常の景色が新たな発見によって景色が変わる。そうか、面白い!

ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。

「神戸ニニンガ日誌」(第3,371号)
 

○地下鉄サリン事件から20日で30年。14人が亡くなり、6千人以上が負傷。前年に松本サリン事件があり、教団施設の一斉捜査の準備中だった。教団は、警察や検察、裁判所関係者は霞が関駅で降りるだろうと、丸ノ内、日比谷、千代田各線の月曜日ラッシュアワーを狙った。

 

○教団は、死亡した信者を焼却した1988年頃から非合法活動に手を染める。

 

○負傷した人は30年経った今も「目が疲れる・焦点が合わない」「全身痛がひどい」「駅に近づけない」などの症が残る。上九一色村で保護された53人の子供は、日誌に「はやくオウムに返せ」「でっち上げもいい加減にしろ」と書いた。

 

○作家の帚木蓬生は「実生活に裏打ちされていない知性は弱々しくカルトに惑わされやすい」という。

 

○教団関連の192人が起訴され、2018年に13名に死刑執行。当時の真理教構成員は全国に1万人。後継のアフレやひかりの輪などでは30拠点、現在も1600人の信者がいるという。真理教の「真理」とは何だったのか。

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「神戸ニニンガ日誌」(第3,370号)

○去年の11月、オーストラリアでは青少年保護を徹底するため、16歳未満のSNS利用を全面禁止した。

 

○SNSは自分と他者とを比較し、自己肯定感低下や不安を招く。あまつさえ、ネット上のいじめ、中傷、フェイクな情報、睡眠や学業への悪影響などにつながる。米国では保護者同意でSNS利用が出来(一部の州)、英国では13歳未満のアカウント取得を禁止している。

 

○それはそうだとしても悪影響の原因は本当にSNSか。技術決定論的に原因を技術に求めるが、いじめはSNS以前からある。

 

○日本では保護者が危険性を理解せず、放任しているケースが多い。気づいたときには後の祭りで、いじめや有害情報の接触が深刻化している。

 

○ユニセフは、禁止をすれば子供をオンライン上の暗部に追いやる、としている。安全に利用するにはどうすればいいのか。

 

○嗚呼、昭和はよかったなぁ。SNSがなくて。後のまつり祭り。

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「神戸ニニンガ日誌」(第3,369号)
 

村山由佳『PRIZE』。人気作家の天羽カインは幾度も直木賞候補にあがるが、受賞できない。編集者は、それだけ売れていたらもうよいのではというが、本人は確かな評価が欲しい。

 

○どれだけ売れているか。「(直木賞の)他の候補作家と選考委員を全員合わせてもかなわないくらい」と凄まじい。気難しいが、南十字書房の緒沢千紘のみが理解者で、受賞の為の共闘者となる。「全部教えて。何が足りてないか、どこがまずいのか、遠慮なんかしないで言って」と。

 

○著者は2003年に『星々の舟』で直木賞。同賞の表も裏も酸いも甘いも全てをここに曝け出す。『PRIZE』が実質主催者の文藝春秋から上梓されていることも寛容というか、面白い。

 

○作家と編集者の関係や確執についても深く切り込んでいる。同様に桜木紫乃の『砂上』も読まねばならぬ。

 

○直木賞に3度候補となり、未受賞の筒井康隆はその恨みを『大いなる助走』でぶちまけた。そしてその後の「文壇の内幕を鋭く描く」作品『巨船ベラス・レトラス』も未読だ。夜中に読むぞ。

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「神戸ニニンガ日誌」(第3,368号)
 

○観光家の陸奥賢さんは、筋金入りの読書家だ。「直観讀みブックマーカー」や「まわしよみ新聞」等のオモロ催事を事も無げに行う。どちらも本・新聞でしかできない。読むだけであれば電子書籍で済む。重くないし、物体が溜まらない。しかし私も気づくと本を買っている。

 

村山由佳の『PRIZE』の主人公・天羽カイン曰く「ネット空間をどこまでも流れてゆく散文がいくら大勢の目に触れたとしても、それだけでは充分ではない」

 

○「子どもの頃からどれだけ紙の本に救われてきたか」「涙でページがふやけた日も、読み終えた本を抱いて眠った夜もある。それは電子書籍では叶わない」。あまつさえ「古い紙の匂いを嗅ぐこともできないし、ざらりとした手触りや分厚い重みに励まされることもない」つまりはより五感で感じる読書か。

 

○「折々の自分が抱きしめていたのは、ページの中に広がる果てしない物語世界であったと同時に<本>という実体を伴った宝物だったのだ」

 

○この一文だけでも『PRIZE』には価値がある。

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「神戸ニニンガ日誌」(第3,367号)
 

ラジオに語り部の佐藤敏郎さん。宮城県女川町で中学教諭をしていた。14年前の今日、生徒と逃げ、流される女川市を子供達と見た。しかし、石巻市大川小6年の次女・みずほさんが犠牲になった。

 

○大川小には津波警報が出、裏に山があり、バスも待機し、避難指示も出ていた。佐藤さんは「時間も情報も手段も指示も想定も全てあった」という。

 

○佐藤さんは遺族であり、教員だ。「あの日、大川小の校庭に子供を座らせている先生の気持ち」になる。子供を救いたくない先生はいない。

 

○まず校庭に並びましょう、それからどうする? となったときに津波がきた。佐藤さんは「ちゃんと対策し、逃げれば誰も死ななかった」という。

 

○訪れる人は、辛いでしょう、悲しいでしょうという。佐藤さんは「悲しみは娘そのもの」だと思うようになった。学校は悲しい現場ではなく、子供達が笑い・走り回っていた場所だ。

 

○佐藤さんは今、語り部でありながら「語りたくないことは語らない」という。それでいいと思う。

ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。