こうなれば恍惚の人だらけだぞ@足りない人はツッコミの人 | まだ?いまだ!神戸ニニンガ日誌

まだ?いまだ!神戸ニニンガ日誌

何の役にも立たないが、特段面白い訳でもない。ましてや間違っても何かの為になど毛頭ならぬこと十全に請合う。勿論誰がどうみても上品であるはずもなく、履歴書に読者と書けば間違いなく不利となる。有閑男が白昼夢で口走る400字の戯言寝言放談放屁。それが神戸ニニンガ日誌

「神戸ニニンガ日誌」(第3,262号)
 

有吉佐和子「恍惚の人」。84歳の茂造がボケる。舞台である1972年の平均寿命は女性74歳、男性69歳。

 

○今は65歳以上が3割居るが、茂造の息子・信利は「今から何十年後は60歳以上が全人口の80%を占める」という。そして「そうなるまでにはなんとか死んでいたい」と。

 

○茂造は「オルゴール入りガラガラ」を振り鳴らし「ひやぁ、ふやぁ」と言い不気味な体操をする。孫の敏は「パパもママもこんなに長生きしないでね」と信利と昭子にいう。

 

○茂造はかなり遠くまで徘徊する事もある。有吉佐和子「青い壺」では、50年勤続し会社を辞めて半年経つ68歳の山田寅三が、副社長に挨拶に行く。その後自分が居た庶務課の席に座り、捺印作業をした後に社員食堂で食べ、屋上で体操をする。

 

○「恍惚の人」文庫解説の森幹郎は、痴呆老人より寝たきり老人への施策が優先される実態に「政策はまだ本書の問題提起に答えていない」と記す。「恍惚の人」から半世紀以上経った今はどうか。

 

○昭子は「必要とされていない状態というのが老人の状況なのか」と考える。

ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。