「神戸ニニンガ日誌」(第3,186号)
○映画「あまろっく」。私は尼崎の閘門を知らなかった。大阪には毛馬閘門がある。閘門とは【水位の異なる河川や運河に設けられる船を通航させるための施設】という。
○尼崎で鉄工所を営む鶴瓶の元に京大出で、東京の企業をリストラになった39歳の娘・江口のりこが戻ってくる。厭世的なモードで一日中スエットでの怠惰な生活の中に、父の後妻・二十歳の中条あやみがきた。
○39歳の娘の「母」が二十歳。社長の仕事は、地域の人達との雑談。帝王学というか社長業の見本である。
○舞台はJRでも阪急でもない、阪神尼崎駅前だ。兵庫県尼崎市の市外局番は大阪と同じ06である。シュッとした神戸とベタな大阪のハザマで、混沌としたオモロい世間がある。
○鶴瓶の青年時代の松尾諭、屋台を営む駿河太郎、鉄工所の長老・佐川満男などの関西人が佳い味を出す。佐川満男の最後の仕事となった。
○人間関係にも「水位」の違いがある。鶴瓶はそれらの閘門(調節弁)役になっていた。口癖「食うて寝たら大概なんとかなる!」は哲学的真理である。
ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。