「神戸ニニンガ日誌」(第2,732号)
○大阪松竹座で「藤山寛美三十三回忌追善喜劇特別公演」を観た。子供時分に観た松竹新喜劇は松竹座ではなく、中座で行われていた。
○当時松竹座では映画をかけていて、洋画の幾つかをここで観た。藤山寛美は90年に60歳で他界した。
○「愛の設計図」では、寛美の役を孫の藤山扇治郎が演じ、「大阪ぎらい物語」では娘の藤山直美が寛美の役を女性に置き換えて演じた。
○松竹新喜劇が吉本新喜劇と違うところは「泣き笑い」というところだと思う。面白いのであるが、ほろっとさせる場面がある。
○言葉の速度も違う。大阪弁が一番きちんと伝わる速度というものがあるように思う。寛美は大阪の言葉にものすごくこだわっていた。
○「愛の設計図」では師弟愛を、「大阪ぎらい物語」では親子愛を描くが、そうした愛情に義理や人情や世情が絡むところにドラマが生じる。
○能楽が700年続いた理由のひとつに「天才に依存しない」ことがある。今は直美が居るが、今後どうするのかを考えなければならない。
まだいまだ。