「神戸ニニンガ日誌」(第2,645号)
○田口ランディ「逆さに吊るされた男」。荷物を整理していたら4年前の神戸新聞切り抜きが出てきた。この本を紹介した記事だった。
○すでに文庫化されていて、本屋に走った。1995年の地下鉄サリン事件実行犯の一人、林泰男との交流の日々を描く。
○2004年、著者は森達也監督に誘われ、東京拘置所へ行く。以来、文通や面会が続く。
○著者の疑問は「なぜこんな罪を犯したのか」である。しかし、その疑問を簡単に解くことはできない。2008年、死刑確定後の外部交流者五人の中に著者も入った。著者には徐々に「責任感も生じた」。
○疑念解明のために松本サリン事件被害者で、加害者扱いされた河野義行氏や、関連する裁判をすべて傍聴してきた作家の佐木隆三氏に会いに行く。
○単行本上梓は2017年11月、翌年7月死刑執行。文庫版のあとがきには「罪と罰」という題がついている。
○死刑制度には賛否あるが、罪の解明という観点からも私は反対である。
まだいまだ。