暴力は収まることがないものか@津波のように押しては返し | まだ?いまだ!神戸ニニンガ日誌

まだ?いまだ!神戸ニニンガ日誌

何の役にも立たないが、特段面白い訳でもない。ましてや間違っても何かの為になど毛頭ならぬこと十全に請合う。勿論誰がどうみても上品であるはずもなく、履歴書に読者と書けば間違いなく不利となる。有閑男が白昼夢で口走る400字の戯言寝言放談放屁。それが神戸ニニンガ日誌

「神戸ニニンガ日誌」(第2,415号)
 

三浦しをん『光』。三浦作品は『まほろ駅前~』、『風が強く吹いている』そして『舟を編む』を読んだ。

 

○『光』には驚いた。強い、強靭だ。鋼(はがね)のように硬質で、刃金(はがね)のように黒く、そして刃(やいば)のように危険だ。

 

○信之、輔、美花。都内の離島の数少ない子供達だった。そして南海子。後に信之の妻となる。

 

○離島故に本土とは遮断されている。離島故に人間関係が濃い。離島故に噂や猜疑心やちょっとした差などが島民の大きな関心事となる。

 

○大きな津波が襲う。南米チリでの地震によるもの。東日本大震災の3年前に津波を印象的な象徴として描いている。

 

○深夜の出来事だ。訳あって神社に居た子供達と数人の大人だけが生き残った。この時点で「光」は何かを選別している。

 

○25年後、3人は東京で「再会」する。離島での事件を共有しているので或る意味共犯なのだが、夫々の事情で脅し合う。

 

○南海子の元には絶対に戻れない信之が帰ってくる。三浦しをんは「暴力は帰ってくる」と書く。芯から恐ろしい小説だ。

 

まだいまだ。