人を虜にしてやまないラーメンとワインは本当に似ていると思う。
香りで余韻を引っ張るのか、旨味で引っ張るのか。
その旨味に香りが乗っかってないと、とても不自然な点も。
香りが無いのに旨味だけまったりと感じるのは化学調味料のおかげだ。昆布でもカツオでもその素材の旨味と一緒に香りもくっ付いてくるでしょ。
ある意味でグルタミン酸を効かせたいけど、昆布の香りとかトロミは要らないって時に旨味調味料は便利である。
ただ嫌いじゃないけど疲れちゃう。
旨さと香り。
香りが旨い。
香りもまた旨味。
どの香りを前面に出したいのか。
どの香りで余韻を引っ張りたいのか。
まったりとした旨味で引っ張るのでは無くて、キレが有るのに香りがいつまでも残っているもの。
バランスが大切です。
一杯食べても食べ飽きないラーメンであること。
一本飲んでも飲み飽きないワインであること。
しつこくないのに、後を引く。
味の変化を楽しめること。
ワインやラーメンから学ぶことはとても多い。
ワインとラーメンの違いは。
ワインが高くても許されるけど、ラーメンが高いと許されない雰囲気、かな。

ワインが一杯2,000円でも許されるけど、日本酒だと「何で?」ってなる。
ラーメンが一杯2,000円だと「何で?」ってなるけど、蕎麦だと許される。
文化の違いは面白い。
それでも文化というものは常に変化していくものなので。
これから焼鳥も鮨に並んで「おまかせ20,000円」のコースとかが許されるのかもしれない。
許されないかもしれない。
自然派ワインの反対の言葉は何だろうか。
「人工的ワイン」?
いや、自然派ワインもメッチャ人工的だしなぁ。
「不自然派ワイン」は論外だし。
有機栽培の反対を無機栽培とはわざわざ言わない。
モルツにプレミアムって言葉を足したぐらいの意味かな。
僕はプレミアムモルツの甘さより、モルツの方が好きだし。

化学調味料を使わなかったら「自然派ラーメン」になるのかな。


自然派ワインじゃないと飲みたくない!って人もいらっしゃる。
話を聞くと、別に健康的なイメージがどうとかじゃなくて、味わいが好きみたいですね。
最近、意識して飲むようになって僕の中でも自然派ワインのイメージは変わってきてます。
何も足さない。
補糖しない、補酸しない、亜硫酸添加しない(少しする場合もあり)。

その条件の中だからこそ、実は醸造家の腕の見せ所みたいなものがあるんだろうなと最近は感じてます。
本当に「嗚呼、美味しいなぁ」としみじみ思うのと、「おいこら、ふざけんな。お前のとこが農家で葡萄と林檎が元々獲れるからそれ単に潰しただけだろ。格好付けて瓶内二次元発酵とか書くな。」みたいなワインありますから。
ハロウィンと一緒です。
ちゃんと楽しめる人と、渋谷で暴れているだけの人もいます。ワインが悪いんじゃない。ハロウィンが悪いんじゃない。扱う人の問題だ。

自然派ワイン?であまり感じないのが、エレガントさ。なんですよね。
旨味はとても感じるんですが。

例外として師匠が飲ませて下さったブルゴーニュのプリューレ・ロックさんはエレガントで堪らなかったです。あれ自然派ワインだと思いませんでした。
僕は結構、ワインにエレガントさを求めてしまうのです。特に赤ワインには。多分、僕の焼鳥がエレガントだからかなと。いや妻がエレガントだからなのか。僕の顔がエレガントだからなのか。

アクエリアスみたいな白ワインも好きですけど。

ま、あれこれ答えのない事を語るにも疲れましたので、今日は日本酒飲んで魚を食べます。

「ねぎま」の会。の打ち合わせ的な。
12月16日。来て下さいね。