今回は、前回サイクリングの記事中で少し触れた、自作の車載ラックを紹介する。
これを作ったのはもうかれこれ10年近く前なのだが、仲間内にも大評判なので紹介することにした。
まず製作するまでの経緯を。
いつものように前置きが長いので、飛ばしてください。
そもそもなぜこんなものを作ろうと思ったのか。
自転車を始めた当初、まだ車が好きで、実用性皆無のスポーツカーに乗っていた。
レース等イベントに参加するようになったが、現地まで車に自転車を積んで行く必要がある。
私の車は自転車をバラしてどうにか1台積むのがやっと。
仲間も大きな車に乗っている人もいなかったので、各々車で1台積んで行くようなかたちだった。
そのうちに、車を所有しない仲間も出来てきて、レンタカーで行ったりしていた。
そうなってくると、交通費や駐車場料金を考えても、出来るだけ乗り合いで行く方が望ましいし、楽しい。
どうせレンタカーを借りるなら、大きい車を借りて、数人乗り合いで行った方がいいのでは。と荷台の大きなワンボックスなど借りて、乗り合いで行くようになった。
ワンボックスと言えど、自転車を互い違いに置いても3台がやっと。安定させるのも難しいし。
そのうちに、私もどっぷり自転車にハマってからは、殆ど車に乗らなくなってしまい、所有しているのが勿体なくなり、子供も小学生になるのもあり、思いきってファミリーカーに乗り換えた。
5ナンバーミニバンの日産セレナ8人乗りになった。
さぁこれなら自転車も積める!と思ったところ、市販の車載マウントでは2台しか積めない。
マウントを2つ用意して互い違いに置いても3台。
そして3列目シートは当然跳ね上げるが、2列目も最大限前に出して潰してしまわないと積めない。
そうなると、2台2人か、3台積んでも人は2人しか乗れない。
そもそも5ナンバーだろうが3ナンバーだろうが、乗用タイプでは2列目シートを潰さずに積むのは難しいようだ。
4ナンバーとかの貨物用ワンボックスなら積めるのだが。
屋根の上やリアハッチの後ろの車外に積むものもあるが、個人的に車外は出来るだけ避けたい。
どうにかならないか・・・といろいろ考えていると、思い付いた。
前輪を外し、床に置いたマウントに固定する場合、ハンドル部分が前に飛び出して長さが出てしまう。
自転車のフロント部分を持ち上げて、フロントフォーク先端と、ハンドル先端を同じラインに持って来た状態で固定出来れば、長さを最小限に抑えて、2列目シートを潰さなくても積めるのではないか?
そして自転車を車内に持ち込み、あーでもないこーでもないやっていると、ギリギリ詰めれば4台載せられるかも?
しっかり固定は出来ないから不安定ながら実際に4台載せてみると、ギリギリだけど載せられた。
しかもセカンドシートも、足元を広くは取れないが、座れる程度には出来そうだ。
4台積んで4人、無理すれば5人乗れれば相当便利になる。
そんなわけで自作してみることにした。
実際に製作するにあたって、フロントを持ち上げた状態でどう固定したらいいか。
レースなどに参加する際は時間がない事も多く、積み降ろしもスピーディーにしたい。
どうやったらスピーディーで確実に固定出来るのか。
またあーでもないこーでもないやりながら悩み、ヤザキのイレクターパイプでラックを作り、バーにブレーキレバーを引っかけるという方法を思い付いた。
イレクターパイプとは、好きな長さに切り、豊富な形状のジョイントでパイプを繋ぎ、さまざまな形を作り上げることが出来る、DIYお馴染みの素材である。
ざっと設計図を書き、必要なパイプの長さと本数、ジョイント類の種類と数をメモしてホームセンターへ。
そして製作に取りかかるが、車の中の構造は複雑で、なかなか正確にメジャーで寸法を出せない。
かなりカスカスに作らなければならないので、現物合わせで測りながら、作りながら仕上げていく。
そして構想ひと月くらい、製作丸一日かけてやっと完成した。
それではようやく本題。
使わない時はバラしてしまえるように、組み立て式にしている。
必要なところ以外は接着していない。
普段はこんな感じ。
ここだけは外してしまうと付けるのに5分程度かかり、少々面倒なので、特に必要な時以外は外さない。
アシストグリップ(手摺り)に縛って固定している。
この上にはホイールが4本置ける。
バーの間にハブの部分が来るから、急ブレーキを掛けても飛んでくることはない。
積む台数によって省略したりするが、基本はこんな感じで使う。
上に固定してある棚に嵌め込むかたちで組み立てる。
すぐ出来る。
4台積んだ時。
1台ずつ互い違いに、バーにブレーキレバーを掛ける。
巨大フレームでなければ大体大丈夫と思う。
この状態で4~5人乗車すると荷物を置くスペースがないから、自転車の間、フロントフォークの下とかに置く。
大きな荷物は厳しい。
足元はこのくらいのスペース。
広くはないが、普通に座れるくらいのスペースは取れている。
身長180cmとかの人だと、前に座っても後ろに座ってもかなり窮屈かも。
3台積んだ時。
3台なら全然余裕。
逆向きに両サイドを後ろ、真ん中を前向きにした方が、出し入れは楽かも。どちらでも良い。
3台積載、かつ荷物が多い時。
こうするとフロントフォーク下に大き目のスペースが出来るから、クーラーボックスなど大きいものが置ける。
ここにバッグなど荷物を置ける。
さらに、人は2人しか乗れないが、自転車を最大6台積む事が出来る。
私のフレームは小さいので、普通に平行に置いても大丈夫だが、大き目のフレームだとドアに当たってしまう。
そんなときは上の写真のように少し斜めにしてやると大丈夫。
さらに大きなフレームの場合は、逆側に斜めにして、後輪を少し落としてやればいい。
ホイールはその辺の隙間へ。
こんな感じで自由度も高くなっているから、イベントにサイクリングに大活躍している。
積み下ろしも市販の車載マウントに固定するより早いくらい。
これを作ってしまった為、車ももう古いのだけどなかなか買い替える事が出来なくなってしまった。
これを見て、便利じゃん。と思った方、全然参考にしてもらって大丈夫です。
但し、こういうDIYの好きな人で、そこそこ器用でないと厳しいかも。
かなりギリギリで作っているので、誤差1cmとかで作らないとならないし、そもそもこの車以外で可能かもわからないし。
私自身、もう1回作れと言われたらお断りします。
面倒で、もうそんな気力はありません(笑)