欧州蹴球世界 -10ページ目

欧州蹴球世界

ヨーロッパ中心のサッカー記事の紹介

欧州選手権は絶え間なく動き続けている。
ファン・ペルシが1点差に追い上げた際には、ドイツ対オランダの試合は傾きかけたように見えたが、ドイツは十分に落ち着いていた。
グループBでオランダはポイントなしとなり、自力での準々決勝進出が難しくなった。ドイツの2勝に対し、オランダは価値がないものの、理論的には準々決勝進出のチャンスはのこっている。

原文はこちら
http://www.guardian.co.uk/football/2012/jun/13/euro-2012-holland-germany-report

やはり初戦での戦いぶりを見ると、ドイツの勝利は予想できたものの、オランダがグループリーグで敗退する可能性が高くなってきたことは、驚きといえます。
ドイツは準々決勝進出を決めましたが、残りのグループBはポルトガル対デンマークが3対2でポルトガルの勝利に終わったことから、これら2チームが勝ち点3得失点差0、オランダが勝ち点0得失点差-となっています。
オランダが準々決勝に進むには、ポルトガルに2点差をつけて勝ち、デンマークがドイツに負ける、といったシナリオが必要になります。

このドイツとオランダの試合ですが、ドイツの2得点を挙げたのは、マリオ・ゴメス。
もうお約束のように「スーパー・マリオが得点」みたいな書かれ方をしちゃいます。

このマリオの2得点は確かにすごかったです。1点目は足元に来たパスをくるりと
180度回転してシュート。2点目もキーパーを外して、ファーポストぎりぎりに
きちんと決めたシュートと、ヘッドでの得点が多い印象のあるゴメスですが、
しっかりとした足技があることを見せ付けました。

それに劣らずすごかったのが、両得点のアシストをしたシュヴァインシュタイガーです。
1点目はゴメスの足元にぴたりとパス。2点目はDFの間を通し、
ゴメスを走らせてシュートが打てる絶妙の強さのパスを供給しました。

この
シュヴァインシュタイガーというごつい名前の選手は、
私は昔は嫌いだったのですが(今になると理由がわからない)
最近は好きですね。
ゴメスと同じ所属のバイエルン・ミュンヘンですが、昨シーズンはけがで
ずいぶんと出場できませんでした。
ただし、シーズン終わりのチャンピオンズリーグでは
優勝こそ逃したものの、十分な活躍を見せてくれました。

ほかにもバイエルンのチームメートは、ミューラーやラーム、
キーパーのノイアーと揃っているので、チームのまとまりとしては
バルセロナの選手を中心とするスペインと同じくらい、もしくは
それ以上の質があるかもしれません。

現時点ではグループA2位のチェコと準々決勝の可能性が高くなってきています。
それに勝てば、準決勝の相手はフランス、イングランド、スペイン、イタリアなどの
可能性。
久しぶりにドイツがメジャーな大会で優勝しそうな気がするほどの
試合内容でした。


比較的容易な相手と思われたデンマーク戦を落としたことで、オランダは13日のドイツ戦に向けた準備が期待していたものとはかけ離れた状態になってしまった。
原文はこちら
http://www.guardian.co.uk/football/blog/2012/jun/12/euro-2012-holland-germany-rivalry

以前ほどではないが、スポーツに限らずオランダとドイツの関係は歴史を引きずっている。フランツ・ベッケンベウアーはこの関係を「質の高いサッカー、感情、これまでにない緊張をもたらす試合」と定義している。

その根源は第2次世界大戦中のナチスドイツによるオランダ占領にさかのぼる。オランダのMFは1974年ワールドカップの決勝で、あらわに嫌ドイツ感情を示した。この試合は大戦後初の真剣なものだった。このMFは父と兄弟を戦争で亡くし、「私はドイツが嫌いだ。戦争のせいで、ドイツと対戦する時はいつも問題がある」と語った。決勝に敗れると、このMFは涙ながらにピッチを去った。
西ドイツのDFだったフォクツ氏は、オランダのクライフが握手をしなかったことを覚えている。ただし、クライフは後にこのことを謝罪した。

オランダは1988年にドイツで開催された欧州選手権の準決勝でドイツを破るという最高の瞬間を迎えたが、その時にもナチスに押収された自転車に言及する垂れ幕があった。

次のドラマは1990年のワールドカップで、オランダのフランク・ライカードがドイツFWフェラーにつばを引っ掛け、コレがきっかけで両選手が退場となった。この時点までは、両チームの対戦にはこのような対立が不可欠のものだった。

最近ではこれほどのギスギスしておらず、ドイツチームもガーナやチュニジア、トルコ系の選手を代表に選ぶようになってきている。
また、ドイツのプレースタイルも以前のような保守一辺倒ではなく、オランダから尊敬されるほどにもなっている。

両国の政府レベルでの関係改善が進められる一方で、多くのオランダ選手がドイツリーグでプレーしていることも関係改善に寄与している。

ドイツ人記者は、1990年代から2006年のワールドカップまで、ドイツに結果が伴わず、ライバル関係は弱まったと分析している。
1970年代のドイツは、フランスやイングランド、どこでもナチスの悪いイメージに関連付けられていが、今ではプレースタイルも典型的な「ドイツ」ということはなく、ドイツ国外でも賞賛を浴びるほどだ、と述べている。

ただし、ことはそう簡単ではなく、オランダのカイト選手は「オランダ対ドイツの重要さを知りながら育ってきた。みんな1988年や1990年の試合を覚えていて、これは歴史の一部となっている。水曜日の試合もそうなると思う」と述べている。



イングランドは月曜日、フランスとの激戦を引き分けで終えて勢いづいている。ホジソン監督も選手たちは今後さらにいいプレーを見せてくれると確信を抱いた。
原文はこちら
http://www.guardian.co.uk/football/2012/jun/11/euro-2012-roy-hodgson-england-france

欧州選手権に楽なグループというものはありませんが、イングランドとフランスはグループDで一応有力と見られているチームです。その強豪同士が初戦で対戦となると、引き分けというのは妥当な結果ということになります。

ただし、試合内容を見ると
シュート数:フランス21本 イングランド5本
枠内に飛んだシュート:フランス7本 イングランド1本
ボールキープ率:フランス65% イングランド35%
などと、圧倒的にフランスが押していたことが分かります。


ジェラードからのクロスをレスコットが頭で合わせて先制したものの
ナスリのミドルシュートで同点に追いつかれ、結局守りきった形のイングランド。

欧州選手権の初戦で一度も勝利を飾ったことがなく、
対戦相手のフランスが2010年9月から21戦連続負けなしだったことを考えると
イングランドとしては上々の出来と言えるでしょう。

次の試合は15日金曜日にイングランド対スウェーデン、
フランスはシェフチェンコの復活劇で波に乗る地元ウクライナ。

まだどのチームにも勝ち抜きトーナメント進出の可能性が残されています。