anotherLetters from Iwo Jima もう一つの硫黄島からの手紙 END | 海兵隊員AEGISの凸凹軍功記( ̄∀ ̄)

海兵隊員AEGISの凸凹軍功記( ̄∀ ̄)

萌えと燃えとミリタリーが好きなaegisのなんかようわからん奮闘記。
BF4の発売を控え、興奮しつつBF3の戦場を駆け巡る。
題名とは裏腹にロシア陸軍に配属されることが多い模様。
三流以下の同人系小説やイラストを気まぐれで上げたりして。
エロは至高だ!!ヾ(@゜▽゜@)ノ

これを読む前にパート01、02、03、04、05、06、07、08をお読み下さい。

2006ねん8がつ15日とある老人の一室―
「以上で終わりだよ。」
私は今年で83歳になる鈴木新一郎さんから第二次世界大戦の激戦地だった硫黄島戦についてを聞かせてもらっていた。
「君が私から硫黄島について聞くのはやっぱりあの映画かい?」
「まぁそんなとこです。そうとでも思ってて下さい。」
2006年公開の映画、『硫黄島からの手紙』を見てから硫黄島戦に興味が沸いたのは事実だがもう一つ理由はあった。だがまだ言わなくてもいいだろう。私はそう判断した。
「恵子さんとはその後もしばらく数回交流があったがもうあの人も居ない。サチも優子も死んでしまったよ。戦争で死ななかった人間が平和な世界でも死なずに自分より先に子供が死んでいく。虚しいよ。」
「そんな事言わないで下さいよ。あなたみたいな方は大切ですよ。戦争をゲームと勘違いしている者が出始めているこの世の中であなたみたいな経験者の方は大切です。」
「はははは。お世辞なんていいよ。」
「私はお世辞なんていいません。」
「ふふ。はははははは。」
鈴木さんはそう言うと大きな声で笑い出した。83と言う高齢な分顔にはしわがありそれをくしゃくしゃにして笑う鈴木さんは心から笑っているようだった。
「だが、硫黄島に行って生き残った者も今じゃ殆ど居ないね。」
「そうですね。ですがそれでも平和の尊さを知っているあなたのような方は大切ですよ。」
「そうかね。」
「はい。」
私はそう言うと一つ聞きたいことがあった。
「あの、鈴木さん、あなたは硫黄島から掘り出された手紙、どう思いましたか?」
「ああ、あれかあれが出てきたときは驚いたが同時に嬉しかった。あの中には私のものも一通は入っていたのではないかな。」
「やはり嬉しかったですか。そうでしょうね。仲間や上官の大切な物ですもんね。」
社交辞令のように聞こえないかと言う不安があったが鈴木さん社交辞令のつもりが無いのを感じてくれたのかやさしく微笑んでくれた。その後
「そろそろ時間ではないのかい?」
と聞いてきた。
「そうですね。じゃあそろそろ。」
「ああ、行きたまえ。」
「鈴木さん、ありがとうございました。」
「こちらこそ老いぼれの話を聞いてくれてありがとう。」
「では。」
そう言って部屋を出ようとしたとき。何かを思い出したように鈴木さんが言った。
「そう言えば隆二の名前も『伊波』だね。偶然ではないと思うのだが…。」
年を重ねれば勘が鋭くなるのかやはり聞いてきた。
「はい、私の名前は『伊波』ですよ。私はあなたの戦友だった『伊波勇』の曾孫です。」
「やはりそうか。あいつの目に何所となく似てると思ったよ。」
「最初から知ってたんじゃないですか?」
「ほんとはね。そうかもと思ってたんだ。」
「ふふ。そうですか。では。」
そう言うと私は部屋を出た。


『これより、終戦記念式典を始めます。』
彼が帰った後、私は式典に参加していた。終戦から62年。この式典には初めて参加していた。
『始めに、鈴木新一郎さんの開会セレモニーです。』
80になり、足腰は弱くなり杖がなくては歩くのも大変だ。ゆっくりゆっくりマイクのある祭壇に登る。
『では、御願します。』
『えー、私、鈴木新一郎は、硫黄島からの生き残りです―』
伊波、今、見ているか?お前の見たかった、残したかった空はしっかり続いてるぞ。
                          -END-
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