奏光のストレイン(Numeri日記より) | ヌメラーのヌメラーによるヌメラーの為のNumeri日記

ヌメラーのヌメラーによるヌメラーの為のNumeri日記

おもにNumeriでお気に入りのブログ転載します。Numeri知らない人はゼヒ読んでヌメラーになりましょう。
※私が書いてるのではありませんので悪しからず(^^)/

何もかもがズレていやがる。

例えばこの世の中の事象が自分の思い通りであって10だとするならば、多くの事象は9から11あたりに点在する。9.5とか10.2とか、微妙にズレて存在する。人はそのズレに接するたびに違和感を覚える、そりゃあ誰だって自分の思い通りに全てが10になって欲しい、けれども世の中ってのは往々にして全てが少しづつズレているのだ。

多くの人は、その日常的なズレを許しながら生きている。いや、許さざるを得ないといったところか。いや、許すも何も、そもそもそこまで気にするものじゃないのかもしれない。例えば、自動販売機でジュースを買ったとしよう。2月も終わりに近付き、春が近いといえでもまだまだ肌寒い。温もりを求めて缶コーヒーを買ったとしよう。もちろん、そこで期待する10とはヌクヌクの缶コーヒーだ。懐に入れてカイロとして機能する十分に温かい缶コーヒーだ。

けれども、出てきた缶コーヒーが微妙にぬるかったらどうだろうか。補充したばかりとかで温まりきっていなかったらどうだろうか。たしかにちょっとムッとするだろうし、これじゃあ意味がないと一瞬憤ったりもするだろう。けれども、そこまで怒りはしないはずだ。まさか、販売機に向かって怒り狂い、ガンガンに蹴りを入れるような人はごくごく稀なはずだ。というか、そこまでやったら頭おかしい。出家を必要とするレベル。

これも、おそらく缶コーヒーがぬるい、なんてのは9.8くらいの取るに足らない事象なのだろう。そりゃあ熱々で10であるのが望ましいのだけど、まあ、ぬるいくらいは9.8、じゃあ10とほぼ一緒じゃん、と許してしまうのだ。そういった意味で、四捨五入なんてのは単なる算数的技術じゃなく、この世の中をストレスなく生きる知恵なのだろうと思う。

ズレ、いわゆる歪が発生すれば、それに伴ってストレス、応力が発生する。これは工学の世界では当たり前の話だ。問題は、そのズレをいかに四捨五入で吸収してストレスなく過ごすか、そこが工学的事象と人間の精神との大きな違いなのだ。

けれども、そうやって心の中でショックを低減していたとしても、やはり人間の心にも限界がある。そういった些細なズレが連続してれば我慢できなくなるし、一発でもそのズレが巨大ならば我慢できない。その時、人は壊れてしまうのだ。

試しにニュースを見てみるといい。ニュースからは不幸なニュースが沢山流れてくるだろう。そのほとんどの不幸の根底にあるのはおそらくズレだ。些細なズレの積み重ねだったり、明らかなズレだったり、全ての不幸の根底にズレがあり、人は怒れるのだ。そしてそれが更なる不幸を引き起こす。ズレこそ、人間の怒りと不幸の源流なのだ。

僕は普段は全く怒らない温厚な人間で、それこそ職場でバナナが配られるって時に僕だけ真っ黒になったものを渡されても微塵も怒らない。それこそ、バナナってのは黄色いもので甘くて美味しいものなのだけど、渡されるのは使い込んだヤリチンのブツみたいな黒物。そこに決定的なズレがあるのだけど、それだけじゃあ怒らない。ズレてて当たり前、いちいち怒っていては不幸しか招かないと知ってるからだ。

けれども、そんな職場でも菩薩と恐れられ、さらにはオナニー大好きだってことまでバレてしまい、オナニー菩薩などと、ちょっと僕の意図とはズレたニックネームで呼ばれてしまっている僕であっても、そのズレがあまりに度重なるとイライラすることがある。

あれは数日前のことだった。

その日、僕は職場でウンコをしていた。大便ブースに陣取り、もはやこのブースは僕専用という事実に身震いしながら、束の間の大便ライフを楽しんでいた。

皆様は何歳だか知りませんが、まあ僕は32歳なわけで、今まで30と2年生きてきたわけです。漠然と、今まで何回ウンコしてきたのだろうと考えると、例えば快便で1日に1回だとすると365日かけることの32年、つまり11680回のウンコをしてきたことになります。けれども、これは最低限で、実際には下痢気味の日には何回もウンコしますから、まあ単純に2.5回平均とすると四捨五入して30000回くらいのウンコを経験してきているわけなんですよ。これはもう今まで出たウンコをコンクリートを塗る時のコテみたいなので薄っすらと引き伸ばしたら香川県くらいなら塗りつぶせるレベルかもしれません。

そうやってね、沢山のウンコをしてきたわけなんですけど、その中でも特に会心のウンコってあるじゃないですか。出した本人もビックリ、みたいなスポンッ!って感じで、まるでこの世にウンコとして産み落とされる事が神によって定められてた、みたいな、ついでに紙で拭く必要もない、みたいな、今、微妙に上手いこと言えたね。

そんなウンコって3万回の中でも3回くらいしかないんですけど、その日、もう、本気で会心のウンコが出てしまったんですよ。もうスポン!って感じで、カニの身が物凄く綺麗に取れたときみたいな会心のウンコが出ちゃったんです。スポンッですよ、スポンッ!

で、困りましたよ。3万回に3回くらいの頻度のウンコですよ。言うまでもなくレアです。ビックリマンチョコ買ってヘッドロココが出る、なんて比較にならないくらいのレアですよ。これをこのまま流してしまうにはあまりにおしい。

便器から立ち上がって見ても、色といい形といい匂いといい、どれをとっても素晴らしいの一言。夜空に輝く綺羅星すべてを凝縮したみたいな、雲海から立ち上る壮大な朝日、みたいな美しさがそこにあったわけなんです。

僕が自治体の職員だったならば間違いなく観光資源として世界遺産申請を行なっているところですが、どんなに寵愛したとしてもそれはウンコなのです。いくら黄金に輝いているといってもウンコなのです。

けれども、それをウンコ、不浄なものと切り捨ててこのまま流してもいいものだろうか。今ココで流してしまったら、これほどの逸材にあと10年は出会えないだろう。惜しい、流してしまうにはあまりにも推しすぎる。

それこそ、このままブースを飛び出して、同僚やら女子社員やら上司やらを呼んできて見せてやりたい、できることならウンコを掲げて街中を練り歩きたい、そう思ったのですけど、さすがにそれをやったら人間的に終わりじゃないですか。

じゃあ、直接見せられないなら今ココで携帯電話のカメラ機能で撮影したらどうだろうか。厳かに君臨するこのウンコを撮影し、MixiなりNumeriトップに貼るなりして、皆でこの素晴らしさを分ち合ったらどうだろうか。

うんそうだ。さすがに同僚などはウンコに対する嫌悪が強いだろうけど、Numeri閲覧者ならきっとこのウンコの芸術性を理解してくれるはずだ。食事中になんてもの見せるんだ!などと野暮なことを言うやつなんているわけがない。

もう撮影するしかない。絶対に撮影するしかないのだ。ポケットから携帯電話を取り出した僕は、フレームいっぱいに自分の息子が入るように距離をとった。その瞬間だった。

カチッ!ジャジャー!

なんらかの音がした後、便器に流れた大量の水は僕のウンコを押し流してしまった。あれだけ美しかったウンコが、水の流れで狭苦しい場所に流され、押しつぶされ、苦しいよう、苦しいよう、と言っているかのようだった。一生物のトラウマだ。

このトイレには、便器の横にセンサーが装備されていた。そのセンサーが人の動きを感知し、流さずに便器から離れると自動で流してくれるというハイテク便器だった。確かに便利で、トイレ開けたら前の人のウンコがこんもり!という絶対に繰り返してはいけない悲劇を避ける事ができる便利ツールだ。

けれども、今はそんな便利ツールはいらない。なに、センサーって、バカにしてるの。便利なつもりでつけてるんだろうけど、その考えが一つの芸術を殺した。あんたらね、ミロのビーナスとかモナリザが、勝手につけたセンサーで便器に押し流されていったらどう思いますか。それと同じですよ。っていうか、Mixiとかにデカデカとウンコ画像貼って、今の時期は卒業進学新社会人の季節ですよ。この節目にMixiはじめたての女の子とかいてですね、まだ見ぬMixiワールドを堪能、「わー、patoさんのMixiだー」ってルンルン気分でアクセスしたらモロンとウンコ画像、そりゃ泣いちゃますよ、ってのができなくなって非常に心外だ。

結局、つけてるほうは良かれと思って、便利だと思ってやってるんですけど、そのおかげで貴重な文化資源が正しく水泡に帰す。その感覚のズレにいたくイライラしたんです。

まあ、確かにイライラするんですけど、そんなことに怒っていても仕方がない。とりあえず飯でも食いに行きますかってな感じでやりかけの仕事を放棄して吉野家にいったんです。

訳分からないトイレのシステムに腹を立て、イライラするけど飯を食えば勇気100倍、僕は特に吉野家の豚鮭定食が大好物でしてね、豚肉と鮭のコラボレーション、おまけにお新香まで美味いときたもんだ、こりゃあ食べないやつが頭おかしい、って感じで意気揚々と吉野家へと入店したんです。

まだ晩飯には早い時間なのか、店内にはホームレスみたいなオッサンが、豚丼なのか紅しょうが丼なのか分からない状態にして食ってるのみ。颯爽とホームレスの対面に座ります。

スススッとメガネのヒョロい店員がお茶を持って近付いてきます。

「豚鮭定食」

そう頼んだ瞬間でした。メガネがとんでもないこと言い出すんです。

「豚鮭定食ですね。お一つでよろしいでしょうか?」

あのね、別に僕はこんなこと言いたかないです。できれば言いたかないですよ。でもね、あえて言わせて貰う。僕がそんな食いしん坊に見せますかって話ですよ。

確かに、世の中にはよく食べる方がいまして、それこそ豚鮭定食1つじゃ足りないなんて御仁は山ほどいるわけですよ。ええ、2つ食う人だっているでしょうよ。でもな、当然のように食う人間ってそれこそ少ないじゃないですか。それこそ関取とかギャル曽根、ギャル糞根くらいのレベルですよ。最後のは違うけど。

なにか、あれか、僕が関取に見えるか。ギャル曽根に見えるか。ギャル糞根に見えるか。最後のは違うけど。とにかく、その感覚のズレにとにかくイラッときたんですよ。っていうか、食いしん坊なやつは最初から2個オーダーするわ。

とにかくまあ、その決定的なズレに腹立たしい思いしながら豚鮭定食を食べ、今日という日は何もかもがズレてダメだ。ここは一発逆転、素晴らしい何かをして今日一日を大逆転するしかない。そう決意したんです。そして、一つの考えに至りました。

「メイド喫茶行こう」

僕の住んでる町は、それこそ今時ミサンガとか流行している街ですので、メイド喫茶なんてブラウン管の向こうから流れてくる大都会のイメージでしかなかったわけなんです。しかしながら、何をトチ狂ったのか、この田舎町にもメイド喫茶ができた、なんてご機嫌なニュースが飛び込んできたんです。そりゃあ行くしかないでしょう。

繁華街の中心に出来たというメイド喫茶目指して車を走らせます。収集した情報によると、そのメイド喫茶はイメクラの近くにあるらしいのですが、近くに駐車場はありません。仕方ないのでちょっと離れた場所のコインパーキングに駐車します。


ヌメラーのヌメラーによるヌメラーの為のNumeri日記-奏光のストレイン


コインパーキングってこういうヤツなんですけど、駐車するとこのプレートがせりあがってきて車をロック、料金を払うまで捕まえて逃がさないわけなんですね。

大体、車を駐車して5分ほどすると勝手にせりあがってくるんですけど、なんかなかなかせりあがってこない。普通はまあ、確認する人もいないんでしょうけど、僕は性分としてこのプレートが上がってきたのを確認してから出ないとその場を離れられないんですよ。

大体15分は待ったでしょうか、待てど暮らせどプレートが上がってこない。駐車料金タダだ!と大喜びする場面なんでしょうが、これがドッキリとかだったらどうしようと考えて、ずっと待ってました。

「なんだこれ、壊れてるのか」

早くメイド喫茶に行きたいのにプレートが上がってこない。このズレにまたもやイライラしちゃいましてね、オナニー菩薩としては大変良くないんですけど、頭きてこのプレートをガンガン蹴ってました。

そしたらアンタ、思い出したかのようにプレートがウィーンと上がってくるじゃないですか。もう諦めて別の駐車場に行こうと思ってた矢先にこれですよ。もうズレすぎてどうしようもない。

イライラしながら駐車場を離れ、メイド喫茶に向かいます。このあたりは繁華街というか怪しげな通りですので、通りを歩いているだけで怪しげなオッサンが話しかけてきます。

「にいちゃん、若い子いるで、若い子」

風俗店の呼び込みのオッサン。もう、この呼び込みが既にズレてる。あのな、僕が若い子ならなんでも反応すると思ったら大間違いだぞ。確かに僕は大橋のぞみちゃんが好きだ。けろどもそれは大橋のぞみコンプレックスであって、決してロリータコンプレックスではない。そこいらの幼児好きと一緒にしないで頂きたい。

おまけに、この呼び込みって風俗店じゃないですか。となると、いくら若い子って言ったって限界があるわけっすよ。で、どうせ若いだけで、もうあとは墓場で運動会どころか、墓場で記録会やってるアスリートみたいなのが出てくるに決まってます。ズレてる、その呼び込みはズレてるよ、オッサン。

イライラしてるとまたも呼び込みですよ。

「シャチョ、オッパイもいもい」

何言ってるのか分からないんですけど、見ると黒々とした外国人がタキシード着て立ってるじゃないですか。で、つたない日本語で「オッパイもいもい」とか言ってるんです。

お前はアホかと。日本語覚えたのかもしれないけど、「オッパイモミモミ」なんて一番初めに覚えなきゃいけない日本語じゃねえか。外国人は「モミモミ」をバカにしすぎている。戦争に勝ったからって僕たち日本人を見くびってやがる。あのな、お前らは「モミモミ」に込められた圧倒的語感、存在、猥褻さ、小宇宙、が分からないのか。どんな世界広しといえども、ここまで意味を持った言葉ってのはないぞ。それがちゃんと言えないのに呼び込みとはどういったつもりだ。圧倒的にズレてやがんだよ。

でまあ、さらに腹が立つことに、この呼び込みの外国人、誰かに似てるんですけど、それが全く思い出せない。もう喉元まで出かかってるのに全然分からない。そのズレがなんとも許せなく、ムカムカしながらメイド喫茶に向かいました。

「本日定休日」

あのね、ここまでズレてると本当に笑いたくなってくる。おまけにこのメイド喫茶、思いっきり田舎にあるのに「メイド喫茶秋葉原」なんていうズレた店名がついてるし、もうどうしていいのか分からない。

とにかく、やってないものは仕方ないので、来た道を引き返してコインパーキングに向かいます。またもや先ほどの外国人が寄ってきて

「オニイサン、オッパイ吸い吸い、吸いまくり」

とかやけに流暢な日本語で言ってやがるし、ホント、こいつが誰に似てるのか思い出せない。

とにかく、ここに用はないとコインパーキングに到着し、料金を払って速やかに帰ろうと支払機に向かいました。



ヌメラーのヌメラーによるヌメラーの為のNumeri日記-奏光のストレイン



まあ、ここに料金を支払えばプレートが降りて車が解放されるわけなんですけど、「清算」ボタンを押しても一向に料金が表示されない。

「やっぱ壊れてるのか、これ」

ポンポンッと叩いてみると、何やら機械がウィーンとかいって料金の精算が始まったんですけど、そこでとんでもないズレが起こってしまったのです。

もう一度確認します、僕は40分くらい前にこのコインパーキングに到着し、まあ、数十分プレートが上がるのを待っていましたけど、駐車していた時間的には1時間に満たないものです。看板にもデカデカと「1時間100円」と、田舎らしい格安の料金が示されていました。つまり駐車料金は100円であるはずなのです。現に、僕はもう100円玉用意して今か今かと支払うのを待っていました。

100円の駐車料金を支払おうとする僕、そして壊れた機械とのズレはこうでした。


ヌメラーのヌメラーによるヌメラーの為のNumeri日記-奏光のストレイン


駐車料金 349300円

意味が、わから、ない。

何をどうしたらこんな駐車料金になるんですか。もしかして僕は1時間も立ってないと思っていたのに、実はトンネルの向こうは不思議の町で、何故か働かせてくださいととかいって「patoとは大そうな名前じゃないか、お前は今日からpaだよ」とか名前を奪われて、カエルとかオクサレ様とかカオナシとかいて、すったもんだの末、戻ったら物凄い時間が経過していてこんな駐車料金になったとかなのでしょうか。

もう頭きてですね、ここまで様々なズレに我慢してましたけど、さすがにコレはひどい、誤作動するにも限度ってもんがあるだろ、と頭にきて、金おろしに行ってゲーセンで両替して1000円札で全部料金入れてやろうかと思ったんですわ。でもまあ、1000円札50枚までしか入らなかった。なんか係員に連絡してください、とか出て、コインパーキングって基本無人じゃないですか。どこに係員がいるんだよって一人でキレてました。

とにかく、連絡して駐車場の係員が来るのを待つ間、今日一日を本当にズレていたと思い返し、車出せないし、メイド喫茶は閉まってるし、豚鮭定食一つですかとか聞かれるし、そもそもウンコが流れてしまったところからおかしかったんだ。とイライラしていたら、あの呼び込みの外国人が誰に似てるか思い出しました。

「そうだ、野球選手のズレータに似てるんだ」

やっぱりズレた。

待ってる間、あまりの寒さに耐えられなく、カイロ代わりに缶コーヒーで温まろうと購入したら、むっちゃ生ぬるいコーヒーが出てきました。さすがの僕も怒り狂って自動販売機を蹴った。