「幻の恐竜化石」のリベンジ
まずは三笠市立博物館の特別展の続き。
デイノニクスの骨格模型。
最近の復元では羽毛が生えていて鳥みたいだな。
ヘスペロルニス(最初の潜水鳥類)の骨格模型。
昨年の今頃、三笠産のヘスぺロルニス類の化石が新属新種(チュプカオルニス・ケラオルム)であると発表されたことは記憶に新しい。
ニッポンサイの骨格模型。
デスモスチルス。
ティタノティロプス(ラクダ類)。
で、ぼちぼち「幻の恐竜化石」の話。
「エゾミカサリュウ」は、学名「タニファサウルス・ミカサエンシス」というモササウルス類の新種(2008年)であるとともに、研究者や行政に様々な教訓をもたらした「幻の恐竜化石」という側面を持っている。
エゾミカサリュウのコーナー。
国の天然記念物(1977年)に指定されたエゾミカサリュウ化石。
最近寄贈されたエゾミカサリュウの全身復元模型。
海洋堂の造型師が制作したそうだ。
特別展のティロサウルス(モササウルス類)。
エゾミカサリュウの化石発見後、恐竜や化石爬虫類の専門家による十分な検討を経ないままティラノサウルス類の化石として学会で発表されたらしい。その場では必ずしも受け入れられなかった発表内容が報道によって拡散して一人歩きを始めるとともに、地元を熱狂させ、さらに全国に恐竜ブームをもたらし、ついには文化庁をも動かす結果となった。
その後、10年以上経ってからモササウルス類として訂正され、さらに専門家による本格的な研究を経て2008年に新種として記載された。
この経緯は、古生物学分野の研究者に大きな教訓を与えたように思われる。現代の研究者は、研究途中の内容に関する見解の公表には非常に慎重で、さらに成果公表にあたっては報道機関を上手くコントロールして「情報発信ツール」として見事に使いこなしている。
今年学会で発表された芦別産のティラノサウルス類の椎骨化石のコーナー(特別展の展示)。
研究グループの主張は、この化石が獣脚類の尾椎骨であり、さらに「ティラノサウルス上科の尾椎骨に類似している」ということらしい。慎重な言い回しだが、それなりの確信が無ければ発表に至らないだろう。
エゾミカサリュウ発見当時の地元の「恐竜」フィーバーの痕跡は、例えば桂沢湖畔のティラノ像に見ることができる。
「恐竜化石」の夢はいったんは湖水の藻屑となった。しかし、今回の発見はティラノらしき恐竜化石が実際に三笠近隣の地層にあったということを示した。言うなれば「幻の恐竜化石」のリベンジを果たしたと見ることもできる。












