「驚異の部屋」の書棚から
「驚異の部屋」関連書籍の紹介、第二弾。今回は、エンターテインメント・バージョン。
まずは、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』とその漫画化版。
ジュール・ヴェルヌ 『地底旅行』, 朝比奈弘治(訳), (岩波文庫, 1997)
倉薗紀彦 『地底旅行』, 1~4巻, (KADOKAWA/エンターブレイン, 2016-2017)
岩波文庫版『地底旅行』では、エドゥアール・リウーによる原書の挿絵が掲載されている。
巨大キノコの森。
漫画化版の巨大キノコの森の場面。
岩波文庫に掲載された「骨の大平原」。
漫画化版。この絵などは、まさしくオマージュだ。
ちなみに、ベルギーのシュルレアリスム画家ポール・デルヴォーはジュール・ヴェルヌの大ファンで、エドゥアール・リウーが描いたリーデンブロック教授の姿をいくつかの絵に登場させている。
・Cocosse | Journal: Phases of the Moon | Paul Delvaux (1939-1942)
次もコミックス。
『C.M.B.森羅博物館の事件目録』の第10巻。
加藤元浩 『C.M.B.森羅博物館の事件目録』(10), (講談社コミックス, 2009)
主人公の榊森羅は、大英博物館により強大な調査権限を与えられた三人の調査官(『三賢者』)が継承してきたそれぞれの証である指輪(「C」「M」「B」)を全て受け継いだ少年という設定。 これらの文字は聖書に登場する東方の三博士の頭文字に由来する。
「Op.22 その差6千万年」の1シーン。恐竜の化石の下に人類の化石が埋まっている。
ちなみに、森羅が謎の答えを明かすときの決め台詞は、「“驚異の部屋(ヴァンダー・カンマー)”をご案内します」。本来のドイツ語読みと英語読みがごっちゃになっているのだが、大英博物館の三賢者から教育を受けたということなので、それもありなのかな?
『水晶山脈』。鉱物絵本という感じ。
たむらしげる 『水晶山脈』, (中央出版アノニマスタジオ, 2005)
この風景には癒やされる。
「幻想標本作家」江本創の本。
江本 創 『幻獣標本箱 (幻獣コレクション)』, (風濤社, 2014) 【新装版】 初版は2011年刊
江本 創 『幻獣大発見!』, (風濤社, 2016)
『幻獣標本箱』は架空生物<幻獣>の「標本」を紹介する造型作品集の第三弾。
2004年のことだから15年も前になるが、銀座の青木画廊で開かれていた展覧会で直に作品を見たことがある(「幻獣標本博物記 江本創展」)。
第一作品集『幻獣標本博物記』(パロル舎刊)の出版記念展で、比較的初期の展覧会ということになるが、この頃から既に作風は確立していた。
かつてのヴンダーカンマーでは日本産の「人魚のミイラ」なんてものが収集されていたが、その隣にあっても不自然ではない高精度の造型だ。
『幻獣大発見!』は、探検隊を結成して謎の生物を探索する<幻獣シリーズ探検篇のスピンオフ>。
昔の「少年画報」を思わせるキッチュなテイストの奇書だ。
YouTube:
・発掘!アーティスト こんな生き物がどこかにいるかも? 幻想的な標本アート - YouTube
・ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~ #21 江本創(Hajime Emoto) - YouTube












