映画『コカイン・ベア』は、1985年のアメリカで起きた実際の事件に着想を得たパニックアドベンチャー作品です。
劇場公開は2023年9月29日で、監督はエリザベス・バンクス。物語は麻薬運び屋がセスナ機から大量のコカインを森に投下し、自身も落下死するという事故から始まります。
その後、その森に落ちたコカインを摂取したクマが凶暴化し、巻き起こる騒動が描かれます。地元の警察、麻薬組織、子どもたちとその家族など複数の視点が絡み合う展開で、
主演にはケリー・ラッセルやオシェア・ジャクソン・Jr、オールデン・エアエンライクなどが出演しています。
感想
まずこの映画の特徴はパニック映画としての予想外の展開が多く、定番の「次に誰が死ぬのか」が読めない楽しさがあることです。
コカインを摂取したクマの暴走はグロテスクな描写も含むため、食事中や子どもには向かない作品ですが、その分刺激的で目が離せません。
キャラクターたち一人ひとりにきちんとストーリーが与えられているので、犠牲者の背景なども丁寧に描かれているのが印象的でした。
登場人物の中では警察官や子どもたちの描写が特に豊かで、単なる動物パニックに留まらない群像劇の側面が強いです。
ストーリーはコカインをめぐる麻薬組織の暗躍、森の中で巻き起こる生存者たちの攻防、そしてクマの異常な暴力性がうまく絡み合い、緊張感とユーモアがバランスよくミックスされています。
特に13歳の少女ディーディーのキャラクターは親しみやすく、彼女の視点が物語に深みを与えています。服装や小物の描写にも細かいセンスが感じられ、カジュアルながらもこだわりを持って楽しめる映画です。
全体的に見て、『コカイン・ベア』は単なる動物パニック映画ではなく、実話ベースでありながらもユーモアとスリルを絶妙に融合させたエンターテインメント作品。パニック映画のファンはもちろん、ちょっと変わった刺激的な作品を観たい人にもおすすめできます。
もし心の準備ができていれば、グロテスクな描写も含めてかなり楽しめる、他にはない個性的な映画です。