お久しぶりです。M&A会計士の澤村です。
久しぶりにじっくりと商事法務を読んでいたら、フェアネスオピニオンの記事があったので興味深く読んでいたのだが、資料としてはよくまとまっているんだけど、なんか、事実を淡々と述べただけだったのがちょっと残念。
弁護士の方が書いた記事だったから、株価算定書とフェアネスオピニオンの対外的責任の差異とか解説してほしかったんだけどなあ
っていうか、個人的には差異はないんでないの?って思っているんで、算定書とってからフェアネスも取るってのが、正直意味がよくわかんない。
取締役の善感注意義務の一環とかいうのもあんまり説得力あるとも思えない。記事によると最近の取得率も15%程度にとどまっているそうだし。
だれか向こうの仕組みに詳しい人教えてほしいんだけど、向こうでも算定書+フェアネスっていうコンボでとるのだろうか?それとも算定の段階は、自社で検討したうえで相手と交渉して、交渉結果に対してフェアネスをとるという建てつけなのだろうか?
M&Aでの価格ってのは、両当事者の価格交渉の結果なわけで、第三者の算定書ってのは参考にはなるだろうが、算定書が前提とする以外の要素があるのならば、算定書に縛られる必要がなくて、投資意思決定の基準としては、経営判断の原則で考えればいいんじゃないだろうか?
ただ、それがあんまり経済合理性から外れているとか、株主との関係で利益相反になっているとかの問題があるとまずいから、その意思決定の結果自体がフェアかどうかの意見を第三者から取るという建てつけなら理解できるのだが、どうなんだろう?
一方で意見を出すほうの責任というのもよくわからないところであって、記事にも指摘があるように意見書はいわばディスクレーマーの塊なわけだし、そもそも第三者から見て算定書だろうが、意見書だろうが、専門家が書いているんだからそれなりの責任はあるだろうみたいな期待もあるわけだし。
まあ、そのあたりのリスクを考え出すと、出すほうは、取締役会には出すけど、対外的には名前を公表しないというパターンの契約も想定しうるわけだが、そうなるとそれはそれで外部から見てちゃんとしたとこから、算定書なり意見書なり取ったのかというのが不透明にもなる。
とまあ、フェアネスオピニオンっていう文字を見るたびに、なんかもやもやして気持ち悪いM&A会計士でした。