こんにちは、M&A会計士の澤村です。

 

タバコというものが大嫌いということもあってJT関連のものは避けていたのですが、

たまたま寄った図書館で手に取ってみたら、タバコ嫌いの私ですら紹介したくなるほど面白い本でした!

 

それがこちら!

 

 

 

 

8年ほど前のちょっと古い本なのですが、事業会社でM&Aを担当していた側、しかもあの歴史に残るガラハーなどの買収を手掛けていた中の人の本でして、無茶苦茶面白かったです!

 

そもそもなぜJTが海外M&Aを目指すことになったのかからの背景から始まり、その相手探しの過程、価格交渉と買収後の統合に向けた計画、買収後のガバナンスの状況等の話が、RJRI(RJRナビスコ社 米国以外のたばこ事業)とギャラハーという二つの大型ディールを基に記載されていて、教科書と言うサブタイトルに過言はない内容です。

 

個人的に特に面白かったのが、バリュエーションとPMI計画のところですね。

 

まず、バリュエーション。自社で徹底的に計算しているんですよね。スタンドアローンの価値、シナジーを考慮した時の価値を出しているだけでなく、ライバルが買い手として参入してきた場合にライバル会社とのシナジーを考慮した時の価値まで計算に入れていたとか。

スプレッドシートを印刷したら厚さが4センチを超えるとのこと。

 

そのエクセルファイル欲しーーーい!

 

M&Aって当たり前ではあるのですが、買って終わりではなくて、買ってからの統合(PMI)が上手くいくかが非常に大きなポイントなのです。特にシナジーを上乗せして買っているのでそれを実現させないと失敗なのですよね。そのため統合計画を迅速にかつ全体を巻き込んだ形で作るのが大切なのですが、この大型ディールをベースにどう対応してきたかというバリバリの現場の生の話がふんだんに出てくるので、事業会社側での買い手経験がないアドバイザーにとって非常に勉強になる本だと思います。

 

バリュエーションについては、自社が一番わかっているから、外部の投資銀行の評価は取らなかったって書いてたり

PMIについてもいろんなコンサルが提案してきたけれど、自分たちで作らないとオーナーシップを持てないからと断ったりと

正直M&A業界のアドバザー泣かせなのですが、そこまでとことんやっているの痺れます(≧▽≦)

 

お久しぶりです。M&A会計士の澤村です。

 

ブログ再開したというのに、ほとんどアニメネタになっていたので、久しぶりにM&Aネタを

 

本日の話題は、こちら↓

 

 

 

 

リンク先の一部は会員登録しないと読めないので恐縮ですが、スプリントとTモバイルUSの合併に関連するDD費用を雑損失として損金にしていたのを株式の取得価格として資産計上すべきとして、税務調査の指摘で否認されたとのこと

 

このDD費用の損金算入可否の問題って、結構前からモヤモヤするところがありまして、

 

よく説明で

 

・株を取得することを決定する前→損金

・株を取得することを決定した後→取得原価

 

って解説されるのですが

 

DDした後に、やっぱM&Aしないってことも、あるやんけ!

 

って、言いたいんですよね。

 

そんなしょっちゅうあるわけじゃないですが(しょっちゅうだったら、それはアドバイザーの仕切りの問題?)、DDで価格調整でどうしようもないディールキラーが出てくることもあるわけですよ。

 

っていうか、取締役役会で決議したんだから、ディールキラーが出てこようがこまいが、このM&Aは何が何でもやるんじゃい!ってなっていたら、それこそ取締役の善管注意義務が問われる問題だと思うんですよね。

 

 

ただ、今回の問題となっていると言われているスプリントとTモバイルUSの合併って、なんか凄い(語彙力)スキームなんすよね。

当時のプレスがこちら

 

 

見に行っていただけるとわかると思いますが、背景等も含めて開設したら一冊くらい本がかけるんじゃね?みたいな、凝りに凝ったスキームなんですよね。(その後、ちょっとだけ変更されています。変更後プレスも張っておきます)

 

 

 

なんせ、ソフトバンクグループといえば、yahooとの再編の時、組織再編税制における行為計算の包括否認規定の初適用を受けたり、いろいろと税務的な話題を提供されるところなんで、もっといろんなテーマがあったのかもしれません。

 

ただ、DD費用だけで370億行く?

 

とも思うわけです。まあビックディールだし、アメリカだしってとこもありますが、それでも高くない?

 

って思って別の報道を探してみると朝日のほうでは

 

 

DD費用という表現ではなく、その際にかかった弁護士費用などっていう表現になってまして、いわゆるDD以外の費用も含まれているんだろうなという印象を持ちます。

なんせ、独禁法の問題でものすごくもめていたディールでしたから、もしかしてそっち対応コストのほうがメインだったりするの?とも思ってしまいます。

 

ただ、今回この金額税務否認してもほかの赤字があって追加の税金の発生もなく、ソフトバンク側もそのまま修正申告を受け入れたとのことなので、裁判等で表ざたになることはなさそうです。

 

詳しく知っている人がいれば、こそっと教えてください(笑)