上弦の半月 | 『もの想い』macoto

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「ねぇねぇ

 

今夜は外の空気でも吸いながら

 

一緒に月を見ようよ」

 

 

 

君はそう言って

 

電話越しにガラガラと窓を開け

 

ベランダに出たようだ

 

 

 

僕もベランダに出て夜空を見上げると

 

雲の隙間に上弦の半月が浮かんでいる

 

8月の終わりともなると

 

外は虫の音と蒸し蒸しした生ぬるい風で

 

夏の終わりを感じさせられる

 

 

 

いつものように君との会話に

 

リーンリーンと聴こえるBGM

 

生ぬるい風は浮かぶ雲を流して

 

半分の月を時折暗闇に溶かして

 

幻想的な幕間の静けさと

 

僕らの思い出に彩りを与えてくれる

 

 

 

こうして互いの声だけに耳を傾け

 

会えない距離を心で埋めていく

 

離れている距離間でも

 

心の距離感さえ寄り添っていれば

 

会えるまでの時間さえ愛に変わる

 

 

 

この想いを上弦の半月の暗い部分に

 

そっと微笑みながら置いて君の声を聴く

 

二人の満月が訪れたときに

 

君が隠れてたこの想いに気付くと信じて

 

いまはいつものように笑い合っている

 

 

 

「しばらく会えないけど

 

こうして同じ月を見てるだけで

 

一緒にいる気がするね」

 

 

 

彼女の優しい声が僕の心を溶かす

 

 

 

 

 

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202008262130短編小説

202008272000改稿修正

 

あとがき

詩を書くつもりがなんとなく

ストーリーっぽくなったので

ショートストーリーとして発表します

 

Nスタの天気コーナーで

ホラン千秋さんが

上弦の半月の映像を眺めてて

ちょうど雲が月を隠したときに

「暗闇に溶けましたね」という

素敵な表現をしていたので

作品に反映させて頂きました♪

 

ホラン千秋さんもきっと

仕事柄、会いたい人にも会えず

それでも視聴者のために

明るくユーモアたっぷりに

毎日笑顔を届けてくれています。

 

その笑顔に癒やされてる方が

どれだけいることでしょうか?

私もその一人です(//∇//)

 

月は雲で隠れていなければ

同じ半球に住んでいれば

どこからでも一緒に見られます🌓

 

いまは会えない人とも

ときには同じ月を眺めながら

お話しをするのもいいですね。

 

「月が綺麗ですね💕」

 

 

 

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