宇宙人の侵略 | 『もの想い』macoto

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「宇宙人なんていないと地球人は言う。

 

知らぬ間にそう信じるようになったのは、

 

実は宇宙人が長年かけて地球人を洗脳してきたからだ。」

 

 

真宙(まひろ)は真剣な眼差しで美宇(みう)に語りかける。

 

 

「アニメや映画で目が異様に大きなキャラクターが

 

主流になってきただろ?あれは宇宙人が自分たちの姿を

 

地球人に慣れさせるための戦略なんだ。」

 

 

ニヤリと右の口角を上げ真宙は冷めた紅茶を一口飲んだ。

 

いつも突拍子もないことを口走る真宙の癖は、

 

嘘をつくときに右の口角が上がることだと

 

長い付き合いの美宇は知っている。

 

その話に乗ることにした美宇は少し目を丸くすると

 

 

「えー!そうなんだー?

 

宇宙人はなんでそんなことするの?」

 

 

美宇は興味津々なフリして身を乗り出す。

 

 

「もちろん、侵略するためさ。

 

宇宙人だって人間と同じように増えすぎると

 

その星の資源だけでは足りなくなるから

 

他の住みやすい星に移住しようとするんだよ。」

 

 

真宙は冷めた紅茶の水面に映る自分の顔を眺めて続ける。

 

 

「人間が火星に移住しようとしてるのと同じで

 

宇宙人だって地球にこっそり移住してるし、

 

気付かないだけで、もう僕らの周りにも居るんだよ。」

 

 

美宇はほんとに驚いて頭に浮かんだことを

 

真宙に聞いてみた。

 

 

「え、それじゃあ、もしかして・・・

 

カラコンが流行ったのとか

 

アプリで目が大きくなる機能とかも

 

宇宙人の仕業なのかなぁ・・・?」

 

 

 

「もちろん、そうだよ。

 

目が大きい方が可愛いと思うようになれば

 

宇宙人のこと親近感が湧くからね。」

 

 

真宙の口角は相変わらず右が上がっている。

 

 

「でも、なんで、そんなまわりくどいこと

 

宇宙人はするんだろう・・・?」

 

 

首をかしげる美宇に真宙は真顔になって言う。

 

 

「君と仲良くなりたかったんだ。」

 

 

気がつくと真宙の顔が目の前にあって

 

真宙の広角はまっすぐになっていた。

 

 

「え?もしかして・・・うちゅ・・・」

 

 

言い切る前に真宙の唇が美宇の口を塞ぐ。

 

静寂のなか、時計の秒針の音だけが

 

8回刻むとそのぬくもりは余韻を残して離れた。

 

 

「なんてね」

 

 

真宙はおどけた顔をして

 

冷めた紅茶を飲み干した。

 

 

真宙が宇宙人なのかは分からないけど

 

美宇と仲良くなりたかったというのだけは

 

ほんとだとその右の口角でわかった。

 

たとえ真宙が宇宙人でも

 

お互いを尊重していれば

 

一緒に生きていけると美宇は思った。

 

 

「・・・紅茶、入れ直すね。」

 

 

fin.

 

 

 

 

 

※この作品(短編小説)はフィクションです。

 

この画像はピクト缶様からお借りしました🙇

 

最近はアプリで加工するのが当たり前になってきたのか

目を大きくしたり肌の色を変えたりする画像が増えましたね^^;

なんかそういう画像を見ると違和感をおぼえ

なんとなく宇宙人っぽいなぁ…と思った所から

久しぶりに短編小説というフィルターをかけて書いてみました(笑)

 

私は宇宙人の存在を信じています。

だって地球以外に生物が存在しないなんて

そっちの確率のほうがありえないと思うから…^^;

人と同じような形をしているかは分かりませんが、

ひょっとするともう何十年も前から

宇宙人は地球にいるのではないのでしょうか?

…なんてことを考えたりするわけですが、

たとえ宇宙人がいたとしても侵略する訳でもなければ

外国人と同じようなもので共存できれば

それはそれでいいんじゃないかと思います^^

 

…ちなみにmacotoは地球人です(笑)

 

最後まで読んでくれてありがとうございました^^

 

 

他の短編小説もよければ…

 

 

 

 

 

 

 

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