おはよう、フェルプス君。この男はアントン・ライズナー。横暴な政府と戦うレジスタンスのリーダーだ。3週間前、彼はトラスト刑務所に収監された。脱出不可能な牢獄だ。刑務所の所長であるニコラス・ゼリンコ少佐は、仲間の名を吐かせるべく彼を拷問している。今回の任務は、ライズナーを刑務所から救出することだ。
バーニーが用意したのは、相手のテープを消して録画できる装置だ。
バーニーとウィリーはレジスタンス集会で捕まり、トラスト刑務所に送られる。
暗号は97、17、43。
ローランが扮するブリノフ少佐は、ゼリンコとは5年会っていないからバレることはないだろう。
シナモンが扮するアンナ・ニラス刑務長官はブリノフ同様、任務で国外に行っており、1週間は戻らない。
ゼリンコは脱獄防止にこだわっている。
脱獄不可能ならば、彼のほうからライズナーを差し出すように仕向けるのだ。
ライズナーは、6角形のガラスの独房に入れられている。
ゼリンコは、仲間の名を告げろ、と迫りライズナーにつけたヘッドホンの音量を上げていく。
耳をつんざく高音がライズナーを苦しめる。
そこにドライガ大佐を名乗るジムが新しくライズナーの担当になった、と電話を入れてきた。
そして今からブリノフ少佐と一緒に行く、と告げて電話を切った。
念のためゼリンコはドライガ大佐を調べることにし、ライズナーへの拷問を取りやめる。
明日の朝、脳の手術をして廃人にしてやる、と脅して・・・。
シナモンがアンナ・ニラスとしてトラスト刑務所に来た。
刑務長官のニラス女史は誰も会ったことのない謎の人物。
やってきたのは本人なのか?
ゼリンコは検査して調べるように部下のグルカ大尉に命じた。
この男、相手の肩書に動じない用心深い男だ。
事務室に通されたニラス役のシナモンは、堂々とゼリンコに視察に来た、と訪問の目的を告げる。
ゼリンコには保安長官への昇進の話を向け、関心を引こうとする。
その時、ゼリンコに電話連絡が入った。
もう一人のニラスがやってきた、というのだ。
どちらがホンモノなのか?
部屋にニラスを名乗るもう一人のニラスがはいってきた。
シナモンに銃を向け、その正体を尋ねるゼリンコ。
だがシナモンは動じない。
臭い芝居はやめろ、とゼリンコをたしなめるのだ。
替え玉を使って試そうとしていたゼリンコの思惑は外れ、シナモンはホンモノのニラスとして迎え入れられる。
続いてジムがドライガ大佐として、ローランがブリノフ少佐として刑務所に乗り込んできた。
二人の到着を知らされたゼリンコは、監視カメラで顔見知りのブリノフの姿を確認すると事務室に通すように指示した。
ゼリンコとシナモンがいる事務室に入ってきたジムとローラン。
シナモンはローラン扮するブリノフ少佐と目を合わそうとしない。
どうやらニラスとブリノフは、過去に何らかの関係があったような感じである。
そしてローランはシナモンに、話があるから、と今夜、訪ねることを約束する。
そんな親しげに話しかけるローランから逃げるように、シナモンは所内の視察に行くことにする。
その時、ドライガ大佐のスーツケースと自分のスーツケースをすり替えて持っていく。
案内するグルカ大尉にゼリンコの印象を聞くシナモン。
そして思わせぶりにグルカにゼリンコの後任としての自信を問う。
ゼリンコの後を継げると期待したグルカに、シナモンはクルニエフ少佐の着任までの間のつなぎ役としてゼリンコが推薦した、と釘を刺す。
所長の後任のはずが単なるリリーフ役と聞かされたグルカは当てが外れ、ゼリンコに肩透かしを食らわされた気分になった。
そしてグルカが制御室に呼び出された隙に、シナモンはライズナーの収監記録を入れ替える。
ライズナーのガラスの独房に来たジムとローランは自白剤を試すが、効果はなかった。
制御室ではライズナーの独房の扉を閉めて、27回目の開閉記録をつける。
ジムは翌朝の脳手術の準備をゼリンコに命令し、独房を後にした。
その間、独房の制御室に入ったシナモンは催眠ガスの時限装置を仕掛けた。
ジム達が引き上げたため事務室に戻ったゼリンコにシナモンがブリノフも保安長官の座を狙っていることを告げる。
昇進のライバル出現に困惑するゼリンコにシナモンは、かつてブリノフと愛人関係にあったこと、ブリノフは人を利用するところがあること等告白し、今夕の食事に同席するように頼む。
ライバルのブリノフの旗色が悪そうな雰囲気にゼリンコは、同席を承知する。
所内の視察に戻ったシナモンは、14号房に来た。
14号房にはわざと捕まったバーニーとウィリーがいる。
この14号房も制御室で鍵の開閉が行われており、ゼリンコが開錠を命令しシナモンに中を視察させた。
中を調べる振りをしてシナモンはスーツケースから脱獄用の道具を包んだ毛布を密かにベットの上に残して出て行く。
シナモンの残した道具を使い14号房のカギをバーニーが開ける。
同じころ制御室にシナモンが仕掛けた催眠ガスの時限装置が働き、看守たちが次々と倒れていく。
独房から抜け出したバーニーとウィリーは、床に電流の流れる通路にさしかかった。
二人は床に触れずに通路を渡れるようにロープを張っていく。
シナモンはゼリンコにドアの外で待たせて、自分の部屋で待つローランと会う。
わざとゼリンコに聞こえる声で保安長官への昇進への口利きを頼むローラン。
聞かされているゼリンコとしては心中穏やかではない。
急に部屋の中が静かになり、気が気でないゼリンコは思わずドアをノックして中に入る。
私の考えは告げた通りだ、とシナモンにつれなくされたローランが入れ替わりに出て行った。
ゼリンコはシナモンがローランの昇進に協力しなかった、と思い込み安堵する。
通路に張ったロープにぶら下がり、突破していくバーニーとウィリー。
制御室に入ったバーニーは、監視カメラのテープに記録されている画像を消して、用意した画像を新たに記憶させた。
そしてライズナーのガラスの独房の扉を開閉させて、記録を1回増やして28にしておく。
一方、地下の配電室に忍び込んだウィリーは、一旦所内の電源を切り停電にさせた。
そして再び電源を入れると、所内の警報が鳴り響いた。
所内を警戒した看守達に、バーニーとウィリーは計画通り捕まった。
バーニーとウィリーを取り調べるゼリンコ。
脱獄するために捕まったわけではなく、何か目的があったはずだ。
シナモンがライズナーを確認するように仕向けゼリンコが制御室に行くとライズナーの独房の開閉記録が一つ増えている。
しかし、ライズナーは相変わらず独房におり逃げだしたわけではない。
そこでゼリンコは監視カメラの映像を再生してみる。
監視カメラには、バーニーが書き換えたライズナーが脱獄する映像が映っていた。
あわてて制御室からライズナーの独房へ降りるゼリンコとグルカ。
ライズナーは連れ出され、今、ガラスの独房に入れられているのはニセ者だ。
ライズナーを逃がしたとあっては、昇進どころではない。
ゼリンコが悪あがきを始めた。
その時、警報を聞きつけたジムとローランも制御室に駆け付けた。
制御室では、ライズナーの独房でのゼリンコとグルカの会話が流れていた。
ライズナーが連れ出された失態は隠さなければならない。
今、独房にいるニセ物を本物のライズナーとして、脳の手術をしてしまうのだ。
そこでゼリンコはライズナーの指紋を入れ替えるため、収監記録を取りに行く。
そこに来たのはブリノフ少佐役のローラン。
ライズナーの収監記録を手にしたゼリンコは固まった。
ゼリンコのライズナーの指紋を入れ替える企みは頓挫し、シナモンはライズナーと捕まえたバーニー、ウィリーを取り調べるため本部に連行すると宣告して、トラスト刑務所から連れ出した。
偽のニラス女史を使ったライズナーのハッタリにも動じないシナモン。
一方、本物のライズナーを入れ替えられたと思い込まされ狼狽えるゼリンコ。
役者の違いを見せつけられました。
☆☆☆・・・損はない