ジムとローランが敵国の軍事建物の中庭に入った。
軍事建物の中ではシナモンが金庫室に入り機密書類をカメラに収めている。
だが開けた窓から侵入したハトによって警報が鳴りだした。
シナモンはカメラを窓から投げ捨てジムに渡すが、警報によって駆け寄ってきた警備兵に捕まってしまう。
ジムを囲むローラン、バーニー、ウィリーの3人。
覚悟の上とはいえ、拘束されたシナモンを助けなければならない。
ジムは作戦を練ることにする。
シナモンの身柄を預かるのはストロム大佐だ。
ジムが立てた作戦は、敵国スパイのクルツとの人實交換であった。
クルツは昨年逮捕した大物スパイである。
バーニーは車いすを人が隠れるように改造し、明朝には完成させる予定だ。
刑務所からクルツを逃がせば、ジム達も西側陣営に追われることになるだろう。
また、引き渡しまでにクルツから彼が西側に作った組織の情報を聞き出しておかなければならない。
作戦の猶予はシナモンが精神的に追い詰められ、自白するまでだ。
秘密裏に脈拍が測定できる椅子にシナモンを座らせ、尋問を始めるストロム大佐。
金でも買収できず、拷問も恐れないシナモンだが、身動きのできない独房に入れられると聞いて反応を示した。
シナモンは、閉所恐怖症なのだ。
まず弁護士に扮したジムがストロム大佐に面会して、シナモンの解放に100万ドル出す、と持ちかける。
断るオトロム大佐。
ジムは200万ドルに吊り上げるが、ストロム大佐は相手にしない。
その間、ジムはライターに隠したカメラで大佐の部屋の写真を撮る。
そしてシナモンとクルツの交換を持ちかけた。
時は明日の早朝、場所は改めて連絡する。
これにはストロム大佐も乗ってきた。
しかし、それだけシナモンが重要人物、ということにもなる。
車いすのローランがクルツに面会に来た。
ローランの肩書は、母国の総領事。
独房に入ったローランは、車いすからクルツの身代わりとなる人形を取り出し、空気を入れて膨らませた。
そして開いたスペースにクルツを入れ、刑務所から出て行った。
閉じ込められたシナモンは、閉所恐怖症であることから吊天井を下げられて恐怖を味らわされる。
追い詰められたシナモンは、通気口を伝って脱出しようとする。
だが通気口の前後を塞がれて更に狭い空間に閉じ込められる。
正気を失ったシナモンは、ついに気絶してしまう。
倉庫にクルツを連れ出してきたローランは、国境を超えるためクルツを箱詰めにしてしまう。
これでクルツは音でしか外の状況を知るすべはない。
そしてあたかもトラックの荷台に乗せて走っているようにエンジン音を再生し、振動を与える。
これでクルツはトラックで運ばれているつもりになってしまった。
恐怖症と薬のせいで錯乱したシナモンは、ストロフ大佐の尋問にリーダーのジムの名前を答えてしまう。
だが何とか自分の名前と組織の名称を答えるのを拒んだ。
しかし、既に限界。
シナモンが口を割るのも時間の問題だろう。
クルツを詰めた箱がジム扮するガイスト大佐の部屋に運び込まれた。
部屋はジムが撮影したソトロフ大佐の部屋と同じにしてある。
これでクルツは東側に逃げ出せた、と勘違いするだろう。
ジムは、クルツに西側で造った組織の報告を求めるが、クルツはストロフ大佐にしか話さない、と拒絶する。
そこでジムはストロフ大佐が実はに西側のスパイで逮捕され、先週自殺した、と告げて新聞の死亡記事を見せる。
そして再びローランが総領事として現れ、クルツを売ったのもストロフ大佐だったのだ、とダメ押しをする。
さらにこのままだと君に反逆罪の疑いがかかる、とジムが被せてくる。
ついにクルツは西側での活動を白状してしまうのだ。
一方、ストロム大佐は気絶したシナモンから情報を聞きたすため、更に強い薬を投与することにする。
必要な情報をクルツから聞き出したジムは、タネ明かしをして、これからスパイ交換を行うことを告げる。
西側での活動をしゃべったことがバレたら殺される、と怯えるクルツにジムは、黙っていれば大丈夫だ、と諭す。
クルツを脱獄させた証拠写真を持ったジムが、ストロム大佐に会いに来た。
シナモンとクルツの交換場所はヘリグ・ストラッサ。
時間は1時間後。
来るのはスパイを連れたジムとストロフ大佐のみだ。
ヘリグ・ストラッサの中間地点。
西側でも東側でもない場所で向かい合うクルツを連れたジムとシナモンを連れたストロフ大佐。
人質交換が行われジムはシナモンにコートを掛ける。
互にそれぞれの陣営に戻ろうとした時、ストロフ大佐はマシンガンを取り出しジムとシナモンに銃弾を浴びせて走り去る。
だがジムとシナモンのコートは防弾仕様。
警察が1年かかっても聞き出せなかった情報をクルツから聞きだし、シナモンを無事回収して作戦は終了した。
シナモンとの交換の材料として、東側のスパイを脱獄させるという荒業に出るIMF。
見どころは箱詰めにしたクルツをあたかもトラックで運んでいるように思わせる演出である。
「列車偽装作戦」の応用だが、クルツが押し込められた木箱に4人もの大人が寄ってたかって偽装工作をする様はユーモラスでもある。
☆☆☆・・・損はない