またしても、『宮廷女官チャングムの誓い』のお話から始めます。
「あなたは何も悪くない。
「ただ、越えねばならない壁ができたのです。
「『ひと』という壁が。
「手柄をたてるほど、医術に優れるほど、
「その壁は高くなるのです」
チャングムを慕うミン・ジョンホはそういって、
自信を失い、うな垂れる彼女を強く励ますのです。
恥ずかしながら、このことばに感激してしまいました。
強い信念をもって自分の道を突き進むチャングムですが、
いっこうに報われることがありません。
それどころか、彼女への仕打ちは激しさを増すばかりです。
そんなチャングムの、唯一にして最大の救いは、
彼女が行く先々で、よき師と出会っていることです。
水剌間(スラッカン:王の食事を調理するところ)の女官時代は、
ハン尚宮(サングン)やチョン最高尚宮(チェゴサングン)から、
料理のみならず、細やかな心配りや高い志を学びます。
宮廷を追放されてしまい、医女を目指すようになってからは、
医女のチャンドク、シン医務官らがそれぞれ師となり、
医術のみならず、これに携わるもののあり方を叩き込みました。
ところで、私にも敬愛する恩師がいます。
まずは、小学校5、6年生時の担任の先生です。
とにかく厳しい先生で、よく叱られたものですが、
一生懸命で、どことなく愛敬があって、大好きでした。
子どもたちのために何ができるのかを常に考えておられます。
次に、大学時代の担当教授です。
私の方向性を決めるきっかけを作ってくださいました。
いまの私があるのは、この方のお蔭といっても過言ではありません。
それから、実習生時代の担当指導教官です。
実のところ、初めのうちは歯に衣着せぬものいいが、
少なからず苦手だったのですが、その真意を知って、
ものごとの捉え方や考え方、また心構えに強く感銘を受けました。
そして、最初の赴任先でお世話になった主任です。
高い理想と豊富な知識、決断力と実行力をお持ちで、
年配の方も含め、多くの同僚から頼りにされ、尊敬されています。
私を導いてくださった恩師に心から感謝いたします。
また、これらのすばらしい出会いを本当に誇りに思います。
ただ、受けた恩義に少しも報いることができず、情けないばかりです。
by スグル